岸田総裁・首相に期待

菅首相に最大の感謝を

まず冒頭、菅前総裁・首相には心から敬意を表したい。
国家観やメッセージ性などに不安はあったが、多くの積み残してきた残務処理を中心に仕事をコツコツとされた内閣だった。
もともとある広報能力に欠ける行政という課題以前に、やったことをアピールしないという節もあっただろう。
続投に臨まなかったのも、安倍元首相から引き継いで残る衆議院議員任期の間、中継ごうという意識もあったのではないか。

首相というのは孤独だと思う。
法や慣例などはあれど、最終的には「政治判断」という形で首相が決めるという場面もある。
だからこそ、官邸での振る舞い、閣僚との連携、党との充分な関係が必要なのだろう。
総ての情報が集まる立場であるとは言いづらく、官房長官のときと勝手が違って多忙も極めたのではないか。

在任中は、国民も一定の敬意を払いつつ、是々非々で政府を評価することは大切だ。
その中で、多少の厳しい意見・きつい表現といったものは許容の範囲と考えて良い。
もちろん、全てが良かったとは言わない。
政策の中には、私も賛成できないものもあった。
他方、私たち国民の代表として、日々尽力されている政治家、とりわけ政府を担う首相には、ときに感謝や評価の言葉を贈りたい。
人としての礼儀でもあると思う。

野党に望むこと

一部の野党のように、何を言っても政権や政治家個人に批判を超えた品位に欠ける言葉を始終かける必要はないということでもある。
野党が国民の信任を得るためには、批判だけでなく、魅力ある政策を示して共感を呼ぶことにある。
その共感は、自然と与党の政策と比較につながり、これが野党への評価に代わると言えよう。

ぜひ読みたい記事

時折、談話が出されることがある。
普段から政府の発表の原文に触れる機会のない人も、この機会に「内閣総辞職に当たっての内閣総理大臣談話」を読んでみたい。

広島から首相の誕生

何を隠そう広島県民にとって、広島県選出の岸田総裁・首相の誕生は喜ばしいことだ。
決めるまでは議論を尽くし、一度決めたからには、全力で応援するというのが民主主義の筋と言える。
私個人としては、国家観や政策が明瞭な高市さんを推していた。
それでも、一度選ばれれば、そのコミュニティの意思を尊重し、ぜひ応援したい。
応援というのは「これは良い」「こう改善した方が良い」も含め得るが、前提から否定することはない。
岸田首相には期待をしたい。

閣僚の皆さま

「役職が多い」という意見も散見される。
たしかに、目新しい名前の役職が増えている。
通常の国務大臣が行政事務を分担管理する一方で、内閣府特命担当大臣などは行政事務を分担管理しない。
また、後者は、法律上、置くこととなっている大臣もある一方で、任意に置いている大臣もある。
内閣の重要政策に関して行政各部の施策の統一を図る場合に置くことがある。

通常の国務大臣は、行政事務を分担管理するので、いわゆる縦割りとなる。
これに、一定の重要な政策について、横ぐしを通すべく置かれるのが、内閣府特命担当大臣と考えて良いだろう。
このことを考えれば、単に政府が重要視する分野に大臣を置くことでアピールする狙いが見える一方で、それだけ国民にとっても嬉しい大臣と見ることもできる。

なお、~担当大臣については、特定の国務大臣にその担当を命じるもので、内閣府特命担当大臣とは違う。
また、所掌事務の多い総務省や文部科学省などの一部分野について、担当を置くことで、力づけることもできるだろう。

こども政策担当、孤独・孤立対策担当、新しい資本主義担当、経済安全保障担当、共生社会担当など。

経済、安全保障、社会保障、福祉が中心だろうか。
もっとも、経済安全保障の概念があることに強い期待が持てる。
社会保障・福祉は、どれだけ力を入れられるかが重要になってきそうだ。
それは、構造的な課題を含め、他の政策にも匹敵する労力が必要になり得る。
新時代共創内閣として大いに期待。

なお、閣僚に誰がなったかなどは、解散総選挙を控える中、今回はあまり重要ではなさそうだ。

感染症対策の検証・評価を

何よりも、これまでの感染症対策の検証・評価に期待したい。
これは専門家会議の人数見直しや根拠に基づく対策などが求められる。
そして、対策以前の課題はなかったのかも重要なテーマだ。
感染症は途上国の問題と捉えていなかったかどうか。

選挙公約に注目

高市政調会長の手腕と、岸田総裁の強い意志、自民党の固い決意をもとに作成されるであろう衆院選挙公約に注目だ。
予想よりも早い衆院選挙日程に大胆な政策にも期待。
国会で揉む前に、役所にかかる前に、選挙公約として発表する政策は、選挙で多数を得たときに強い後押しとなると考えられる。
これは適当な予算を得やすいというメリットも想像がつく。

付け加えるならば、野党の政策にも注目である。

余談

衆議院インターネット審議中継のマイクの収音性能が良いのか、内閣総理大臣の指名(首班指名)では、とても騒がしかった。
もちろん、参議院での内閣総理大臣の指名(首班指名)と比較してである。
これが衆参の違いなのだろうか。


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