超法規的措置

一般に緊急時は、超法規的措置が採られることがある。
法を無視した高度な措置であるため、法治や民主主義としては難色が示されるだろう。

そもそも超法規的措置があるというのは、当初、想定し得なかった事柄が発生し、これによって緊急避難的な措置が必要だということだ。
「緊急避難的な」というのは、自身が不当な不利益を受けそうになった場合に、急なことで他に取り得る適当な手段が見つからないとき、これから緊急に非難することを意味するといえる。

ただ、これは個人を対象とすることが多く、組織や自治に当てはめるには不適当だろう。
要は、組織や自治にあっては、そうした非常事態にあたっての行動指針を、あらかじめ定めておけば「緊急避難」は起こりづらい。
ましてや、想定できた事柄が急激な悪化を見せたとして、これを緊急避難として超法規的措置を採るというのは、どうか。
その時点ではやむを得ないことであろうし、法を理由として、法が守ろうとするような大きなものを犠牲にもできない。
そうであるからといっても、平時に非常事態の対応を定めておかなくて良いということにはならないから、自己評価では不適正と考え得る。

一度、超法規的措置を認めてしまうと、今後の類似の事例でも採られるかもしれないし、現状の改善も図られないかもしれない。
類似でなくとも、何かにつけて、同等レベルの緊急事案があるときは、超法規的措置を採っても良いとなって、ハードルが揺らいでしまう。
もっとも、超法規的措置を超法規的措置と指摘しないことも、よろしくない。

もしも、超法規的措置で採った内容が平時でも必要とあらば、その措置内容に合わせる形で現状を改善するといったことも考えられるだろう。

正しい評価と整理が必要だ。

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