ルールを読める作れる

「ルールに縛られたくなければor文句があれば、ルールを作る側になれば良い」と言う人もいる。

私たちの代表である国会議員は読めて作れるのだろうか。

「えっ、立法府なんだから読めて作れるでしょ!」
「毎年、何本も作ってるじゃん!」

ごもっとも。
ただ、多くは閣法と呼ばれる内閣が「オケ牧!」と言った法律を審査している。

閣法は、各府省庁が担当する分野の法律の案を書き書きする。
これは行政官(いわゆる官僚)が作成している。
これを大臣らが集まる閣議にかけて、閣議で「オケ牧!」となれば国会に提出される。
国会に提出されたらば、相当の時間をかけて審査し、採決する。
晴れて可決されれば、「作ったった!」と公布される。
一般に、ある程度の期間が経てば、「これから変更後の法律を有効にします!」と施行される。

したがって、閣法は作成の中心は行政官である。
もちろん、担当大臣は読むだろうし、閣議でもそれぞれ読んでいるだろう。

他方、議員立法と呼ばれる閣議を得ないで議員個人が国会に提出する法律もある。
これは、関係府省庁や内閣法制局などと連携して作成しているので、より議員が「作っている」と言える。

国会に提出された全ての法律案は、一遍、衆議院と参議院の両院で、それぞれ開かれる本会議に持っていかれる。
そうしたらば、本会議でそれぞれの法案に相応しい委員会に審査が委託される。
託された委員会で、法案を審査し、採決する。
ここで、その委員会の議員は法案を読んでいるだろう。

委員会で可決された法案は、本会議に戻ってくる。
本会議では、委員長の報告などがあって、改めてその議院の総員を対象に採決される。
ここで可決されれば、もう一方の議院に送付される。

2つの議院で可決されたとき、はじめて法律が成立ということになる。

とてもザックリ言えば、このような流れだ。
さまざまなケースや憲法の規定など、細かなことを考慮すると、少し加筆が必要になる。

問題は、法律案である。

新しく法律を作成する場合は、とっても作りやすい。
もとい、書きやすい。
普段、私たちが読んでいるような文章に近い形で書けば良い。
読めば、まぁ分かるという書き方だ。

それでも、独特の言い回しや他の法令との関係など、考え合わさねばならないことは多い。

他方、既存の法律を改正する場合は、とっても面倒だ。
日本は「改め文」という方法で法律を定め、それを既存の法律に溶け込ませる方式で改正する。
したがって、「改正○○法」を読むといったときには、誠に読むのが大変な「改め文」を読むことになる。
これは不便だということで、新旧対照表を作成しているし、文字が詰まりに詰まった説明紙もある。

以前、「法律案に誤字があってけしからん」と話題になった。
国会で審査する過程で見つかれば御の字。
むしろ、中身や形式などのチェックという意味で国会審査があると考えれば、何ら問題はない。
その誤字が法律案の重大な欠陥に繋がるものでない限りでは。

法律を読める作れる議員は尊敬できる。
府省庁のレクや説明紙を読んで判断するのみならず、法律の本文を読んだり、理解したり、使ったりできる必要があるだろう。

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