シストレとマーケットインパクト

分析による理論リターンとマーケットインパクトから最適取引量を計算する方法についてまとめてみた。

1.マーケットインパクトとは?

流動性の高い株を少額買うだけならほぼ現値で取引できるが、流動性の低い株の取引や巨額の取引では現値より悪い値段でないと取引できない。

例)トヨタ100万円分買いは現値で買えるが東証2部小型株10億円買いは数日かけて現値より何%も高い株価まで押し上げないと買えない。このインパクトが分析シミュレーション結果と現実トレード成績の差異になる。

2.どうマーケットインパクトと折り合うか?

いくら買うといくら株価に影響を与えるか(マーケットインパクト推計)計算し、その上で利益を最大化する最適取引量を決定する。

3.マーケットインパクト計算方法

多様なモデルが存在するが簡易的に「一日の平均出来高」と「ボラティリティ」から計算する方法が一般的。

マーケットインパクト=定数×√(取引株数/平均出来高)×ボラティリティ

定数(0.1程度?)

終値ボラの代わりに日中の高値安値の値幅を用いたり、やり方は多様

4.最適取引株数の決定方法

利益=利幅×取引金額 なので、

実現利益=(データ分析による理論利益R%ーX株取引時のマーケットインパクトMI(x))× (X株×株価)

これを最大化するXを選択する。

例)理論利益5%、ある株を100万、200万、300万取引したときのマーケットインパクを2%、3%、4%とすると、

100万のときは(5%ー2%)×100万で+3万円

200万のときは(5%-3%)×200万で+4万円

300万のときは(5%ー4%)×300万で+3万円

なので200万を選ぶ。(実際は最大点を計算して出す)

5.リスクとの兼ね合い

実際は利益最大化ではなくリスク・リターンの最適化を目指すことが多いので、そのときは実現利益/ボラティリティ金額の最大化ポイントを選択する



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