アードマンスタジオ、最高!!www


今日(4月8日)のTBSラジオ『伊集院光とらじおと』の中の、プレゼン対決コーナーで『ひつじのショーン UFOフィーバー!』が取り挙げられていた。

私自身は、以前に劇場公開された際に観に行って、とても面白かった記憶がある。残念ながら、プレゼン対決では他の作品に負けてしまったが、大人が見ても十分に楽しめる作品だった。

テレビシリーズでもそうだったが、基本的にこの作品の風潮そのものが悪ノリが好きで、作中のイタズラ好きなキャラクター達に象徴されるような悪ふざけがベースとして作品の根底にあり、その上に最早この作品のアイコンと呼称しても差し支えのないパンツや、トイレネタ等の下品さが彩を添えている。

それでいて、作品を通して描かれているのはイタズラ好きな羊のショーンの目を通して表現された不器用な人類愛であったり、滑稽でどこか憎めない人類の愚かさや不恰好さであったりして、大変興味深く、面白いものに仕上がっている。

特に、この映画に関して言えば、敢えて地球外生命体を登場させておきながら、究極的には普遍的な家族愛を描いたほのぼのとした作品になっている。未見の方には是非ともおすすめしたい、本当に素敵な作品である。

・・・テレビシリーズでもそうだったが、音楽も非常に良かったし、相変わらずパンツ・トイレネタは健在だったし、丁寧な造りのキャラクター達は従来の作品に輪をかけて素晴らしい出来栄えだった。

・・・ただ、唯一違和感を覚えたのは、スーパーで暴れたシーンだ。おそらく、現在の日本の風潮では問題視されそうな気がした。・・・尤も、個人的にはこういった騒動が問題視されそうだと考えが及ぶほど、それだけこの日本の社会が習熟したという証左であるというような気もする。

(・・・あと、作品中に登場したあの小さなリモコンは、結局あのままだったのかなぁ・・・?気になったまま、終わってしまった・・・www)

・・・さて、そんな素晴らしいストップモーションアニメで有名なアードマンスタジオだが、喜ぶべき事に日本でもそれに負けず劣らずな作り手が出現した。

そう、つい最近まで毎週火曜日の放送時間帯になると、Twitter上でタイムラインが騒然としていた作品『PUI PUI モルカー』を作った、見里朝希監督だ。

いわゆる子ども向けとされていた従来のストップモーションアニメに対する作風に、真っ向から対立する『マイリトルゴート』を作った後、あくまで子ども向けでありつつも、その実は短いながらも限られた時間の中で、しっかりとした筆致で表現された人類の愚かしさや、その一方でモルカー達の目線を通じて不恰好で滑稽ながらも愛すべき人類への向けられる温かな視線等、究極的には人間讃歌がその確かな筆致で描かれている。

この国産のモルカーという、新しいストップモーションアニメの世界が評価された事は、大変革命的な事だと思う。即ち、国内でもこれだけ面白いモノが出てきたという事が一点。そして次に、受け手側の姿勢として、作り手が手を掛けた分だけ、キチンと評価されるという土壌が育まれ、そしてそこに確かに存在しているという点だ。

プリキュア等の子ども向け作品の文化もあって、例えばマジョリティーとしてのトレンディドラマのように迫害された事の無いモノではなく、またかと言って例えばマイノリティとしてのアニメ等の文化のように、無意味に批判される事もなく、完全に文化としてこうした手法が根付いた。これこそが即ち、クリエイターの目指すべき未来がそこにあると言える。


・・・私個人の話としては、自分自身は例えばプリキュアも全ての作品を見ているワケではないし、最近はアニメやドラマだってロクに見ていない。Twitter上のrtだって、全部の内容を完全に理解して行っているワケではないが、それでも常に己の出来うる限り、物事に関するアンテナを高く張っていないと、何よりも人としての幅と世界が狭まってしまうと感じている。

・・・なので、せっかくたまたま偶然、毎日聞いていたラジオから、以前鑑賞した作品が紹介された記念に、せめてもの形としてこんな文章を久しぶりに自分の為にしたためてみた。

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