【映画感想】首

北野武作品の映画を見たのは初めてだ。
時代劇を見ることも随分久しぶりだった。

僕は連帯責任という言葉が大嫌いだ。ある組織に所属し、その組織の誰かが失態した場合同じ組織に所属していたという理由だけで失態した者と同じペナルティを背負わされる。

中学の時の部活で連帯責任という言葉にとても苦しめられた。

なんでこんなことを書くのかと言うと、映画【首】の冒頭では信長に反旗を翻した荒木村重の謀反が鎮圧されるというシーンが描写されている。

鎮圧された結果、捉えられた荒木村重の一族は一族皆殺しの系になり女子供問わず首を切り落とされる。そんなシーンから始まるのだ。

残虐非道極まりないシーンに思わず目をつぶった。だが私が虐殺のシーンを残虐と感じるのは現代の感覚であり彼らの感覚とは異なるのであろう。

しかし、それでも罪もない無垢な子供まで殺されるのは間違っている。

数百年前、かつて行われた非道に対しそう感じても仕方ないことなのかもしれない。

映画を鑑賞後、北野武のインタビューを閲覧した。
北野武はその時代にはそういうことが普通に行われていたということを書きたかったという旨のことを述べていた。

そのテーマは鑑賞した私にしっかりと伝わった。日本だけでなく世界の歴史の血塗られた部分もしっかり見つめなければいけないと感じた。

また、加瀬亮演じる織田信長の狂気に脱帽した。
様々な人物が信長を演じてきたがあれほど"魔王"と表現するに相応しい気が触れた信長を私は知らない。

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