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七色のポエジー(書きとめておきたい古今東西の詩句)

第278回 鳥の飛翔に関する手稿(ダ・ヴィンチ)

 Piglievà il primo volo il grande uccello sopra del dosso del suo magnio cecero e empiendo l’universo di stupor, empiendo di sua fama tutte le scritture e grogria eternal al nido dove nacque.
(その大きな鳥はチェチェロ山に登り、最初の飛翔をするだろう。世界を呆然たる驚きで満たし、あらゆる書物はその栄光を称えるだろう。鳥の生まれた巣に永遠の称賛あれ)
 
 レオナルド・ダ・ヴィンチ(Leonardo da Vinci, 1452~1519)の「鳥の飛翔に関する手稿」から。レオナルドは1506年にフィレンツェ郊外のチェチェロ(白鳥)山から飛行実験をするが、失敗に終わった。掲出の手稿はその前年に書かれたとみられる。飛行の準備が進み、いよいよ実験の段取りを描いた当時の高揚感が伝わる。
 レオナルドは早くから空を飛ぶことを夢見ていた。そのために鳥の動きを詳しく観察した。そして、ハングライダーやヘリコプターのような飛行器具を考案し、その概念図を多数残している。
 「鳥の飛翔に関する手稿」には、数多くの鳥のスケッチや飛行機の原理を示す図がメモとともに描かれている。その最終頁にあたる裏表紙に掲出の文章が記された。この直筆の手稿はトリノ王立図書館に保管されている。
 

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