のんびり歩く
人間関係をすっきりさせた。
冷たいものじゃなくて、これからもっとよくなるための、すっきり。
ずっともやもやしていたから、いま、とても自由な気持ちがしている。
さみしい、という感情に支配されないためにもう少しひとりでいる時間が必要だろうなと思う。わたしは恋人がいると、さみしい、で満たされてしまう。ひとりきりでいるよりさみしいのです。理解し合えないこと、理解し合おうとさえできないこと。知り尽くせないこと。知り尽くしたくも、知り尽くされたくもないのに、わかっているのに、どうしようもなくひとりだと感じて、泣いてしまう。心がさみしくないような相手と、いつか一緒に暮らせたらと、少しだけ夢を見る。
恋人とお別れしたんだった。結局、本当には好きじゃなかったのだと思う。そして、相手もきっと、わたしじゃなくてもよかったのだろうと、別れ際に気付いた。
好きにはなれなかったけど、それでも、お付き合いできてよかったと思う。
合法的に触れて、嗅げて、興奮する人間を目の当たりにできて、それでいてあたたかかった。存在が有り難かった。抱きしめられる体温があることにずっと救われていた。自分に善の心はないのか、と問いかけ続けて、やっと別れられたのだ。そういえば、恋愛はぬくもりなんだったね。忘れていたよ。彼はわたしを抱きしめてくれたけど、それでもわたしはさみしかったし、それは全部わたしの問題で、恋人を巻き込むべきではない。
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体が自由だと感じる。わたしのものだ、と。薄いたくさんのうぶげが綺麗。こんなの剃らなくたっていい。全然違う世界に行ったっていいよね。まだわたし何にだってなれるのだから。
寒いのはすごく苦手なので、これからどんどん、きっと元気がなくなるから、やりたいことを書き出して安心してしまおう。夕飯の献立も、計画してしまえば作れるし、それらを食べることを期待している体も満足させられる。
友人が欲しいと思う。いまいる数少ない友人たちが、本当に大好きだから、もうじゅうぶんだと思っていたけれど、もう少し、欲しいと思う。もっと気軽に会って、馬鹿な下ネタとか、オタクっぽい話とか、ただ黙って本を読んでいられたりとか、そういうのができる友人……仲を深めていくのは共通の話題がないと難しいけれど、ね。依存先を増やしていこう。基本的にはひとりでいる。でも、たまにはひとと会おう。
こっそり持っているオタクアカウントでは好き放題していて、そこにいけば叫んでも奇異な目で見られないし、顔も知らないフォロワーさんたちの熱量のある推し語りに触れられるから、それでかなり助かってる。オタクでよかったねえ。わはは。