MXTXコスプレルールについて考えてみた

MXTX沼に落ちて日は浅いですが、SNSでの広がりなどを見ているとうれしくなっちゃいます!ただ、MXTX作品は日本発祥ではありません。それゆえに、二次創作等々には、日本人になじみのないルールもあるようです。
私自身、レイヤーの端くれです。作品の世界観を表現することを楽しみたいという気持ちと、公式の邪魔をしたくないという気持ち、両方の感情があって複雑です。
そもそも二次創作が禁止ではないかといわれてしまえばそれまでなのですが…
今回はコスプレのルールについて、ソースをまとめてみました。SNS上には、ソースがどこかもわからないまま、明文化されていないルールが独り歩きしているようなケースも散見されています。作品を愛するレイヤーさん、その写真を見るのが好きな方、みなさんが楽しめるよう、こちらのソースまとめを参考にしていただければ幸いです。

※なお、この記事は個人的に調べたコスプレルールについてのソース、あるいは記事制作者個人の考えをまとめたものです。記事を絶対的なルールと主張するものではなく、また、他者を強制できるものでも、それを意図したものでもありません。


以下の3項目についてまとめました
1.コスプレ自体許可されていない?
2.中国のCOSについて
3.コスプレをしたと書いてはいけないルールについて


1.コスプレ自体許可されていない?


▶︎結論から言うと、MXTX3作品について、コスプレの許可は出ていません。


以上は先生の2016年のWeibo上での質問についての回答になります。
⑥同人商用(cos含む)商品の権利は与えません。
と回答しています。

さらに、以下は2018年5月21日に原作小説のライセンスを現在所持している晋江文学城と、アニメ公式による、コスプレ(cos)についての発言引用です(いずれも中国のSNS(weibo)上での発言となります)。

※晋江文学城とは、墨香銅香先生が小説を連載し、公開していたサイトです。原作のライセンスは現在、こちらに譲渡しています※

晋江文学城はこのように発言しています。


晋江文学城と作者以外、どの会社や団体でも小説やアニメなどのコスプレを許可する権利はありません。今現在、公式は、小説、漫画版も含めどのような形のコスプレにも許可を出していません。ライセンスを尊重してください。皆さんの理解と作品を愛する気持ちに感謝しています〜☺️

続いて、アニメ公式の発言です。

作品を支持していただき、ありがとうございます。現在、初回生産分の魔道祖師のグッズについて、第1弾、第2弾いずれも予約分の在庫が終わってしまいました。新規に予約できるよう対応を進めており、今後、購入が可能になる予定です。その際は、事前に販売数と購入方法をお知らせいたします。疑問がございましたらお答えします。その他の商品に関しては、@腾讯视频草场地までお寄せください。このたびは、UWOWOと『アニメ魔道祖師』のキャクターの衣装でコラボレーションできることを嬉しく思います。今後、素晴らしい衣装が正式発表されるのが待ち遠しいです。なお、当方にコスプレを許可する権利はありませんので、今回のコラボでは、アニメキャラクターのデザインの衣装のみが対象です
※UWOWO=コスプレ衣装を販売している会社の名前です。

つまり、

公式衣装として販売されているものは、アニメ、漫画、ドラマのキャラクターが着用している『人間が着られるサイズの服』というグッズであり、コスプレを推奨するものではない
ということになるので、
『公式衣装が販売されているということは、コスプレをしても良いということだ』
という認識は正確にいうと誤りになると思います。

あくまで個人的な考えではありますが、今現在、MXTX作品のコスプレについていえることは、『公式が、人間が着られるサイズの服というグッズを販売しているために、おめこぼしとして、公式衣装でのコスプレを(グレーに)許容されている状態』ではないかと思います。



なお、墨香銅香先生、晋江文学城がコスプレを禁止していることは前述の通りですが、最新の状況はどうなっているのか調べてみました。

(2019年8月19日の個人への問い合わせへの返答)


▶︎Q:質問ですが、墨香銅臭先生の3作品のコスプレをするのはルール違反に当たりますか?

▶︎A:こんにちは、墨香銅臭先生の作品はキャラになりきってチャットやメール、SNSをすることと、cosすることは許可していません。

この問い合わせで、MXTX3作品全てのコスプレが認められていないことが明らかになりました。


日本国内で議論となる部分を中心に、コスプレのルールについて晋江文学城のヘルプデスクへ質問した方から、メールを提供していただきました。

(2022年3月22日の個人への問い合わせへの返答)

以下質問内容です。

こんにちは、私は日本人の墨香銅臭先生のファンです。
先生の3作品のコスプレ(cosplay)することは許されていますでしょうか?
例えば、外国語に訳されている書籍の表紙のイラストは、自作した洋服(個人使用のみ)でコスプレ(cosplay )をして、ネットに作品名やキャラクターの名前を書いて写真をアップすることには許可を出していますか?
公式からのcosplayに関する回答がない今、日本のファンの間ではルールが論議されています。
私は公式からの回答を求めています。
たくさんの問い合わせがあるとは思いますが、ご回答よろしくお願いします。


晋江文学城の返信になります。

こんにちは。
大変申し訳ないのですが、今のところ墨香銅臭先生のすべての作品に関して、コスプレ(Cosplay)のライセンス許可は出しておりません。
晋江への理解と応援に感謝いたします。



2022年3月現在も
コスプレ(cos)はMXTX3作品において全て認められていません。
・原作書籍表紙(海外翻訳版も含む)
・アニメ
・漫画
・ドラマ
・ラジオドラマ
・宣伝イラスト
・その他関連グッズ
どのような媒体であっても
MXTXのコスプレ(cos)は禁止されています。
個人の着用を目的とした自作衣装も禁止です。

2.中国のCOSについて

なぜコスプレに対してここまで厳しいのでしょうか。
背景には、中国特有のコスプレ事情があるようです。

中国におけるコスプレとは、
▶︎『中国のcos(コスプレ)は個人で利益を出さずに活動している人も含めて、cos(コスプレ)の活動をしている人全てが、個人的な利益を出す可能性がある』と言う認識だそうです。

これは現役中国人オタクの友人たちに確認して得た話です。

よく、中国における「cos」は、日本でいうところの、コスプレで収入を得て活動する人(プロコスプレイヤー)を指す、という話を聞きます。つまり、収入を得ない、趣味の範囲でのコスプレは、中国における「cos」ではないというロジックです(逆をいえば、中国の「cos」は収入が生まれるものを指すため、コスプレが禁止されているのだ、というロジックでもあります)。

しかし、前述の通り、中国人の友人に確認すると、「利益を出さない・収入を得ないコスプレも『cos』に該当する」という返答でした。

(確認した友人は、中国国内に住んでおり、MXTXで知り合った人と、別ジャンルで知り合った人、数名です。いずれもコスプレ活動をしています)

どうしてそのような考え方に至るのか。

合わせて教えてもらいました。

 MXTX3作品のコスプレを公開しているコスプレイヤーに対して、仮にファンがつくと、そのファンからの収入を得る可能性が生まれます。これは、当人に利益を生じさせる意図がなくとも(=非利益の活動と主張しても)中国における利益が発生している状態に該当するという考え方だそうです。

 中国国内では、コスプレイヤーのファンが、レイヤーの「欲しいものリスト」からプレゼントを贈った場合も、利益の発生と認識されているそうです。プライベートでのファンからのプレゼントもNGとのこと。

当然、写真集の販売はもってのほかです。

日本以上に、二次創作での利益発生に対して厳しい印象です。

コスプレをするなら公式の衣装で!という日本国内で浸透しているルールは、おそらく、日本のように衣装を自作するコスプレイヤーが少ない中国コスプレ界隈特有の事情から生まれていると思われます。公式から販売されていない、すなわち海賊版の衣装を購入することがないように、公式にお金が落ちるようにと配慮した結果から生まれたものなのではないでしょうか。

私は、MXTXの(厳しい)ルールは、日本では常識の「公式にお金を落とそう!」という考え方が根付いていない中で、MXTXを利用してお金を稼ごうとするところ(非公式であったり海賊版であったり)にお金を落とすのはだめ、という(当たり前なのですが)ルールを再認識するためのものではないかと考えます。

 また、最近「cos=衣装」という解釈をする話も耳にしますが、仮に「cos=衣装」であっても、そもそも非利益の活動そのものが禁じられているのが中国のルールです。「cosを禁じる」=「海賊版衣装を禁じる」という解釈に立ったとしても、コスプレを認めていないというのがMXTXのルールとなります。
なお、「cos=衣装」の解釈は誤りであることは、中国人の友人に確認済みです。

回りくどく書いてしまいましたが、

  1. 中国では公式に利益が生まれることが大事

  2. 公式が衣装を販売している以上は、それを着用することは公式側だってわかっている

  3. 公式にお金を落とす形=公式衣装の購入であれば、それを着用し、写真撮影し、投稿することも公式の想定内

  4. コスプレは禁止されているものの、公式衣装を着用して……という形であれば、許容されているのでは……?

というところが、私の考え方です。

また、合わせて私の考えとなりますが、公式を通じて販売されていない衣装や、わずかでもデザインを改変した衣装でのコスプレに関しては、NGとなるものと認識しています。

3.コスプレしたと書いてはいけないルールについて

こちらは、『2』で紹介したアニメ制作、晋江文学城の発言について反応した個人へ、コスプレがもとより禁止されている現状で、アニメのキャラクターと同じ服を販売することに対し疑問を抱いてコメントをした個人へ、晋江文学城が回答した内容です

▶︎1、ただ服を着て写真を撮ってWeiboに上げるのはコスプレ(cos)に該当しません。
▶︎2、公の場でコスプレ(cos)であると公言する、もしくは商業、利益を獲得した場合、権利侵害にあたります。
▶︎3、作品のライセンスを保護する為に違反行為があった場合、それがどの程度深刻な違反かどうかを事実と影響力に基づいて判断します。

(3の文章は日本語に訳すのが難しく、意訳です)

こうしたやり取りから、SNSに投稿する際などに「『MXTX作品のコスプレであること』を明記してはいけない」というルールがある、という認識が広まっているように思います。

『1』では、公式サイドはコスプレそのものを禁止していました。しかし、上記回答の1では、「写真をネット上に上げること」については「コスプレに該当しない」として認めています。

ここで公式からの矛盾が生じています。

私は次のように考えます。
このソースのみで判断するならば、「『cos』と明記しなければコスプレはしてもいいのではないか」と読むことができます。しかし、それは「『cos』と明記しなければコスプレに該当せず、公式から咎められることはない」と解釈するのは短絡的です。

また、晋江文学城がいうところの「公言する」を、どう解釈するかも重要です。

大勢が集まるステージや、ニュースになるような大規模な場また、インターネット上のように不特定多数の目に触れるような場での公開は、「宣伝」と受け取られ「商業行為」と見なされる可能性は大いにあります。

日本国内で公式衣装を着用し、写真をアップロードする場合は、この晋江文学城がいう「公言する」に該当するのかどうか、個人の判断に委ねられると思います。


 
原作者や晋江文学城が禁止しているなら禁止では、とは思いますが……

私個人としては、アニメやドラマ、漫画は『人間が着られるサイズの服』というグッズを販売している以上、コスプレされることは想定の範囲内と推察します(勝手な推察ではあります)。グレーではありますが、グッズである以上、公式衣装でのコスプレは「(作品名やキャラクター名を明記して)コスプレしたよ」と書かれても、致し方なしと見なされているのではないかと考えます。

ただ、コスプレという趣味がすべてのファンに受け入れられるものではないので、SNSで公開する際には、検索避けのために「コスプレ(cos)」は記載して投稿するべきだと考えます。

 

最後に

以上のソースや中国におけるMXTX作品の位置づけ、コスプレ文化への見方の違いなどをみなさんに考慮いただき、MXTX作品の世界観を楽しく表現していければと思っています。

魔道祖師を筆頭にMXTX作品が爆発的な人気を博し、二次創作活動が日々拡大しています。日本と中国の違いがある点も含め、ルールが判然としていないことも多く、現時点では個人の解釈にゆだねられている部分も多々あり、そうしたことから、コスプレイヤーがルール違反をしていると思われること、コスプレ活動を良く思っていただけなくなる可能性があることを考慮し、このような記事を書きました。

再三のお願いにはなりますが、この記事を読んで現在コスプレ活動をしていらっしゃる方を非難や中傷することは絶対にやめてください。


※この記事でまとめたルールはMXTXのルールです。※

読みにくい文章であったかとは思いますが、最後まで読んで頂きありがとうございました!

よき中華BLライフをお送りください〜♡