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ライブに行けなくなったJKのきもち。前編

2020年3月11日。
BALLISTIK BOYZ初の単独ツアー、”BBZ"に行くはずだった日。

当落が発表された2019年11月から楽しみにしていたその日のライブが、公演二週間前にして中止となってしまった。

新型コロナウイルスの影響だった。

中止を母親から聞かされた瞬間、私は泣き崩れた。今までの人生でライブが中止になったことなどなかった。あと二週間頑張れば、当たり前にBALLISTIK BOYZに会えるものだと思っていた。翌日学校に行ったときには、泣きすぎて顔が腫れて友達に心配されたほどだった。それほど私の心にダメージを負わせた出来事だった。

しかしそんな私のもとに朗報が舞い込んできた。それは中止になった公演の振替公演を行うという知らせだった。最初に行く予定だった日から三か月は延びてしまったが、もう彼らに会えるのなら何でもよかった。

しかし新型コロナウイルスの猛威は止まるところを知らなかった。感染は一向に収まる気配がなく、学校は一か月休校になったものの休校期間が延びるばかりで、ついには心の支えであった振替公演までもが中止となってしまった。さらにBALLISTIK BOYZだけでなく、LDHの他のグループのライブも次々と中止になっていった。

結果、BALLISTIK BOYZ初の単独ツアーは2月に行われた3公演のみで幕を閉じてしまった。

最初は自分が行けない悔しさで泣いていたが、次第に彼らの大事な”初”の単独ツアーを目にも見えない感染症なんかに奪われてしまったことが悔しくてたまらなかった。どうしてこのタイミングでこんなことになってしまったのか。

毎日やるせない気持ちで過ごし、自由に外出もできず生きた屍状態の私だったが、バイト先であるスーパーだけは緊急事態宣言中にも関わらず人がたくさんだった。むしろコロナ前よりも繁盛していた。学校が休校になったこともありシフトは倍以上に増え、辛くても働かざるを得ない状況だった。

そもそもライブやイベントに行ったりグッズを買うために始めたバイトだった。それなのにライブがないんじゃ働く意味なんかないんじゃないか、と思い始めていた。

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