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銀の月の影を 抱きとるように

大人になって
体育の授業でスキーがあったというと
驚かれることに驚いた。

なにしろ
わたしが生まれ育った岩手県盛岡市は
11月にもなると雪が降り
4月になってもなお、
雪がちらつくことがあるほど
冬は雪に閉ざされる。

小学校、中学校時代には
冬になると、夏にプール道具を用意するように
スキー道具を学校に持参した。


スキー授業のある日は
算数や国語などほかの教科と体育を入れ替えて
2時間とか4時間続きの体育になり
学校の校庭や近隣のスキー場で
スキー授業が行われた。

あまりスキーが得意でなかったわたしは
スキー授業がすきではなかったけれど
今思えば、
東京生まれ東京育ちの息子を
たまにスキーに連れて行ってあげられるくらいには
滑ることができるので
ほんとうにありがたかったなあと思う。

そして当時は
とにかくついて行くのに精いっぱいで
あまり気づかなかったのだけれど、
まぶしいほどの一面の銀世界や
頬を撫でる風、
そしてリフトに揺られる時間など
スキーの中にも
わたしのすきなところ、というのは
見つけられるのだなあと
大人になってから気がついたのだ。

小さなつむじ風が
尾根をかけ降りるたびに
縞模様 広がる
月のゲレンデ 夢を見るように
私はガラスにほほよせる

スキーに関する思い出はありますか?
一番思い出される景色はなんですか?
(ノートや手帳の端で構いません
ひとこと書き留めておきましょう)


ロッヂで待つクリスマス
作詞:松任谷由実
作曲:松任谷由実

『流線形'80』 1978/11/5


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