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CAPSULEサブスク解禁したのでCAPSULE好きのオタクが全盤レビューしていく8

間が空いてしまいましたがCAPSULEサブスク解禁記念にオタクがアルバムレビューして布教するnote、8弾は比較的直近作品の(といっても7年前だけど)CAPS LOCKです。
このCAPS LOCKはレーベル移籍後だったり、ユニット名をcapsuleからCAPSULEの大文字に変更してから初めてのアルバムだったり色々節目的な1枚というのもあるのですが何よりその内容が尖っています。1stのハイカラガールと同じくらい唯一無二の存在感を醸し出しています。
ユニット名を小文字から大文字に変更した理由は要約するとなんかぱっと見の字面がちっさかったから、らしいです。PCのキーボードのCAPS LOCKは大文字小文字を切り替えるキーなわけですがこのキーの機能とタイトルの関連性は後付けの理由らしい。
めちゃめちゃ視力検査なジャケットがシンプルで目を引きます。
エレクトロ期に突入してからはこしじまさん写真のジャケットが多かったのでびっくりしましたし当時はなんだなんだといつも以上に発売日までソワソワしてました。
CAPS LOCKについてのナタリーやFLOORnet等のヤスタカさんインタビューを読んで要約すると
●タイアップもなく自由なペースでアルバム単位としての作品をと作ったもの。
●今までライブをやった時の盛り上がり感も考慮した曲作りを意識してたけど今回はそうゆうのは考えず純粋に音楽を聴くことそのものを楽しむことに重きを置いてみた実験作であり、誰かに聞かせるわけでもなく黙々と音楽を作っていた頃に原点回帰してみた作品。
●意味のあるなにかについて歌ってるものが一般的なものであるとすれば、そうじゃないものをコンセプトにして作品の記号化を図った。(ジャケットしかり)
●現実のものを非現実なものに変換する行為は面白くて楽しいしこの作品のポイントでもあるゆえにこしじまさんにボーカルボコーダーでめちゃんこいじりまくってるけど声を先録りしてそこから音をつけてるのでこしじまさんがいなければ成り立たない。

などなど興味深さしかないインタビュー内容。
実際聴いてみるともうびっくり。8曲中4曲がインストだし仰る通りこしじまさんのボーカルもかなり原型がない。これはまた今までに例がない作風だなと思いました。
個人的にはゲーム音楽とかサウンドトラックとかを好んで聞いてる人がハマりそうだと思う。あとは私の知ってるアーティストでいうとDÉ DÉ MOUSEさんやDAISHI DANCEさんの作品の雰囲気に近い。(全て履修しているわけではないですが)
改めて聴いてみるとインタビューの通り、歌ではなく音楽を楽しむことに特化した1枚だと思います。
曲名、全部PCのキーボードの名称になってるのも面白い。


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インスト曲。不協和音っぽい不穏なイントロだけどすぐに優しい雰囲気のメロディが被さってくる。なんとなく時計の秒針がチクタクいってるイメージがあります 実質クロノ・トリガー


CONTROL
このアルバムのリードトラックだと思います。キーボードのカタカタ音から始まりドラムンベースっぽいイントロがまず最高。そこからヴォコーダーばりばりこしじまさんボーカルが入ってくるんだけど声がパズルみたいに細かく切り貼りされててなにを言ってるかはわからないんですがまたそれが良い。Aメロは明るい雰囲気なんだけどサビ前のピコピコ音地帯あたりから急に雰囲気が変わってなんかゾワゾワしてしまう。一切飽きがこない構成であっという間に聴き終わってしまってリピートしたくなる中毒性もあり、オタクであるほどこうゆうの好きだと思う(クソデカ主語ですみません)

DELETE
チクタク音から始まるインスト曲。イントロは明るめ?と思いきやダーク要素も混じってきて例えばゲームのダンジョンBGMとかで流れたらすごいテンションが上がる系のインストなのでこれもきっとオタク向け。

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有識者の方にはこのイントロの音がなんの音なのかきっと分かるのかもしれないけどわたしには分からない。ちょっとだけ耳がこそばゆくなります。
単調なインストと思いきや途中からボーカルが入りフレーズの響き的になんとなくオリエンタルな雰囲気。手法もあんまり聞き慣れないかんじも相まって結構スルメ曲。

SHIFT
CONTROLと並ぶリードトラック的ポジション。ちょっぴり哀愁があったCONTROLと違ってこちらはとことん明るめだしボーカルのエフェクトが効きすぎてる事を除けば比較的いつものCAPSULE寄り。曲の構成はシンプルめなので私はトラップ多めなCONTROLの方が好きだったりしますがなんとなく安心感があるのはこっち。

ESC
インスト曲。秒針、そして海(水の音) やっぱり実質クロノトリガーとクロノクロスじゃん…

SPACE
暗め低めでこれもダンジョン曲っぽいからDELETEと似たような雰囲気なんだけどコーラスボーカルが入ってきて神秘的なかんじを醸し出してる。 

RETURN
SPACEのブレイクからつなぎで聴くと突然の久石譲風味のインストにびっくりします。第一印象はTheトトロ。優しいかんじがMORE! MORE! MORE!のPleasure groundに似てる。収録されてるインスト曲で一番好きです。

ヤスタカさんにとってPerfumeやきゃりーちゃんのプロデュースは誰かの為の曲作りっていう割合が大半を占めてて、対してCAPSULEは自分の庭で毎作品ありのまま今やりたいことをのびのびやる実験場だとずっと思っていたのですが、CAPSULEの中でもフロアの盛り上がりやライブ向けを意識していた曲、言うなれば誰かの為に分類されるものとそうじゃないものが存在するとこれを聞いて初めて知りCAPS LOCKは真の実験場だったんだなと気付かされました。
そういった意味でもCAPS LOCKは特別な立ち位置にいる作品だと思います。
正直な話当初は馴染めなかった部分もあるんですがリードトラックは安定してハマりましたし、実験場のからくりを理解してから聞くと印象がまた変わったりして楽しい1枚です。

見てくださってありがとうございました!