【実録】アンテ謎バグの思い出※ネタバレ含

 もともと趣味用の鍵垢に呟いた内容をコピペしたものを別名義でnoteに掲載し、今回それを消して引っ張ってきたのでものなのでまとまりのない文章だが、こういう書き物はこの垢に載せるべきだよなあと思ったので転載する。
 UNDERTALEというゲームの特性上、未プレイ勢にはいろんな意味でやさしくない内容になっている。その点ご留意のうえでお読みいただきたい。
 それでは以下、鍵垢に呟いた内容のコピペ(一部加筆修正済)↓
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アンテといえば、前ふしぎなことが起きたな
あれ仕様なんかと思うほど出来すぎたバグやった もしかしたら仕様やったんかもしれん、けどめちゃくちゃ怖くて普通にプレイするよりよほど絶望したんよな…
いつか実録にしようと思ってたから思い出しついでにまとめとこ

アンテGルート攻略中に起きた話
私はその時点で数ヶ月間、ふじみのアンダイン戦に苦戦しており勝てる見込みがなかった。しばらく放置して、たまに開いては負けを更新し続けていたとき、ある日ゲームを起動させると、ウォーターフェルの黄金の花の上で目を覚ました。

あれ、前起動したときこんなところまで持ってきていたのだっけ。移動時間が面倒くさいから、アンダインの待つ橋の直前でいつも閉じていたはずなのにな。

とちょっと不思議に思いながらも不意にメニューを開いて唖然とした。私が設定した「落ちてきたニンゲンの名前」が違う。
私はGの道を歩む上で、覚悟と皮肉を込めて「落ちてきたニンゲン」を「MERCY」に設定した。日本版でいう「にがす」に相当する語である。もう「にが」せないから。

でも開いたメニューに表示されていた名は……私が、G攻略前、NとPを一括でクリアしたときに設定していたものだった。
ただ場所が移されたわけではない。データごと、NPの時点に戻されたのだ。媒体によるのかもしれないが、Vitaのアンテにセーブファイルはひとつしかない。何かの間違いで別のファイルをロードしたわけではないことはもうわかっていた。

ありえないと思いながら歩き始めたものの、モンスターにエンカウントする。アンダインに会う時点でウォーターフェルのモンスターたちは、Gの条件を満たす数をしっかり殺しきっていたはずだった。迷ったが、どうせここまで来てしまっているならもうGの条件は満たせていない。NPの頃の癖で慣れた手つきで彼らを逃がし、もう一度メニューを開く。トリエルにもらった携帯電話があった。

トリエルの名前も、下にパピルスの名前もある。生きているのだと改めて知った。数ヶ月前に自分が屠ったはずの2人がまだ生きている。泣きそうになった。今かければ、トリエルはともかくパピルスは出てくれるだろう。懐かしい声が聞きたくなったけど、どうしても罪悪感のあまりかけられなかった。先を急ぐ。

ぷんすかマネキンに出会った。実は私がNP時に唯一攻略できず、このゲームを貸してくれた友人に泣きついて攻略してもらったのが彼だった。バトルが始まる。ふじみのアンダインの圧倒的な体力値と攻撃の手数に慣れた今のわたしには、このマネキンのどこに苦戦していたのかわからないほどあっさりと

戦いは終わり、ああ、愛しのナプスタブルークが助けに来てくれた。前会ったときの怯えた、軽蔑するような態度が嘘のように、いつも通りな彼のきょどきょどした姿が愛おしかった。時折パピルスから電話がかかってくる。現実なら、それに相槌を打つ声が震えていただろう。パピルスにごめんと

言いたかった。こことは別の世界線で、ごめんどころでは済まない道を歩んでいたことへの謝罪がしたくなった。「ム? ニンゲン! 何を言ってるのか全然わからんぞッ! 病院に行ったほうがいいなッ! あ、でもウォーターフェルに病院はないけどね!」とかなんとか、適当に言ってほしかった。

そんなこんなで、アンダインに追い詰められる。モンスターの子が自分の前に躍り出て庇ってくれる。この人間が殺人鬼だと聞いたが信じきれず、橋まで追いかけてきて問いただそうとした子供。それを庇ったせいで致命傷を負い、彼女が誰より憎むニンゲンと同等のケツイでもって蘇る姿。

何十回も見た光景はそこになく、橋の上での戦闘も起きない。進む。進む。
カメのおじいさんの店で、もうビチャビ茶を買わなくてもいい。きっとこの彼女の攻撃なら、なくても捌ききれるだろうと思ったからだ。
やがて闘技場でアンダインに出会い、正式な戦闘が始まった。ひとことで言うとぬるかった。

攻撃が遅すぎて逆に操作が狂うほどにぬるかった。そうだ。元々アンダインは優しい。こちらが殺そうとした分だけ、彼女に殺されてきたから忘れていた。決死の覚悟とはあそこまでこのひとを変えるのだなと思い知り、悲壮な気持ちになりながら戦い、ホットランドへと逃げた。

最後、パピルスの電話で戦闘が中断したときにはえも言われぬ思いだった。パピルスの死がもたらした因果による物語は、もう葬られてしまったのだと思った。「MERCY」のファイルで出会うはずだったサンズは今頃きっと、ざまあみろと嗤っている。

物語が進み、ちゃっかりアンダインの家へ遊びに行ったりもして友達になった。以降はパピルスとアンダインに携帯電話でいつでも連絡できるようになっているが、とてもそんな気分になれなかった。アルフィーに会ったり、メタトンに会ったり、マフェットちゃんに少し手こずったりした。

コアの手前、サンズからホテルのレストランへ誘われた。正直やり直しが発生してから、このイベントをいちばん恐れていた。「なあ、もう一度よく考えろよ。またあいつらを殺す道に戻るのか?」とか、普通のフォントで彼が言ってきたら泣いて土下座でもする勢いだった。

結果的に何も言われなかった。あのゲームの「メタ」に言及する可能性があるキャラクターは、サンズ、アズゴア、フラウィーの3人だろう。その3人が特に何も言わなかったということはきっと本当にバグだったのだろうと思う。けれど、さらにあれから2年経とうとする今でも「アンテならやりかねない」仕様だという考えが

拭えないというのが事実である。

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