太陽みたいなあの子
前職の後輩の子のお話。
私はあの子の明るさが欲しいと思いながら生きている。
彼女に出会ったのは社会人2年目のとき。私にとって初めての後輩ですごく嬉しかったのを覚えている。
彼女はかわいくて明るくて優しくてアクティブでやや天然。楽しいことが大好きでいつも笑っていた。割とうっかりしていることも多いのだが「どうしましょう〜!すみません〜!」と落ち込んでいながらも深刻になりすぎず、頼りにしてくれるような感じで言われてしまうと、もうしっかりしてよね!と思いながらも許してしまう魅力のある子だった。
割とパワハラ気味な上司がいたので、威圧的な態度や言動を見聞きすることもまあまああったのだが、彼女は切り替えが早く、割とケロリとしているし、誰に遠慮することもなくさっぱり笑っていて、彼女がいると空気が明るくなった。すごい才能だと思ったし、早朝勤務に夜間勤務に力仕事としんどい仕事もたくさんあったが一緒なら楽しかった。
彼女と私を足して2で割ればいいんじゃない?と言われたこともあった。それぐらい自分は彼女と逆のネガティブで、自分の悪い話をされているんじゃないか疑心暗鬼になることもしょっちゅうだし、期待されたらされたで力不足なんじゃないかと悩み、期待されなかったらされなかったで落ち込み、失敗したら落ち込んだ気持ちを割と引きずってしまうし、自信がなくて人の目を伺ってしまう本当にめんどくさい人間だ。
結局悪い話をされていても自分にはどうにもできないし、期待されようがされまいができることをやるしかないし、失敗に落ち込んだところで何の意味も無く、対策を立てて素早く立ち直るのが良いに決まってるし、重たい空気を纏うよりよく笑っている人の方が印象も良いのはわかりきっている。それでも長年染み付いた思考の癖が払拭できずとても悔しく思うことが毎日のようにある。
私は彼女が優しい上に明るいところ、切り替えが早いところ、空気を変えられるところがとても好きだったが、割とうっかりしてるので本当に反省してるのか疑われたり、やや天然なので言い方は悪いが年上から舐められやすかったり、彼女なりの苦労も見えた。この仕事でどうか良いところを潰されないでほしいと思っていたところ、私よりも早くあっさり退職した。残念だったけど正しい選択だったと思う。しばらく会っていないけど、最近も幸せそうなのでよかったなと思っている。
そんな彼女をリスペクトして、自分の悪いところが出てきそうなときは少しだけ彼女の性格を拝借することがある。
こんなときあの子ならどうするだろう。すみません〜!と元気に謝るだろうか。太陽みたいに笑うだろうか。
いきなり重い空気を変えることは難しいけど、また会うときには自分にもほんの少しでいいから陽の光が射していたらいいなと思う。
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