Million Wonderlandの話

おはようございます。こんにちは。こんばんは。
きゃんめです。
最近またしてもクイズ論が過熱し、特にクイズ大会の質や価値などについて問われることも増えてきたように思います。私が観測する限りになりますが、去年のこの時期よりも今年の方が全国各地で様々なコンセプトの大会がより多く開かれるようになったのでは?私の住む北陸でもそうです。
そして私も11月23日に金沢でフルオープン大会『Million Wonderland』(以下:MW)を開催することになり、改めてなぜ大会を開こうと思ったのか、どういった大会をしたいのかをある程度言語化したいなと思い、記事を書くことにしました。


①大会開催の経緯

そもそも、私はまだクイズ歴1年半の初心者であり、大会を開く技量やノウハウなどは皆無であった。仮に大会を開くとしても「いつか、そのうち」程度にぼんやりと考えるくらいで、それよりもフリバをして押して答えたい方の欲が強かったように思う。
この考えに少し変化があったのは、今年の2月に開催された『北陸最強位・新人王決定戦2023』である。参加者の半数以上がプレイングスタッフ、しかも大半が知り合いということもあり、非常にアットホームな雰囲気の大会だった。そこで私はサブ部屋の司会を担当し、プレイングスタッフチームと打ち合わせをして大会を回すという経験を得る。自分が解答者の目の前にいて、プレイヤーたちの熱戦を見るのは単純に楽しかった。大会を開くとなったら、これよりも規模は大きくなって責任も重くはなるけれども、この景色は好きだなと仄かに感じてはいた。
その後の打ち上げでは、ある人に「きゃんめオープンはやらないの?」とどう考えても冗談だろと思ってしまうことを投げかけられた。名前があまりにもダサすぎるが、フルオープンを金沢で というのはいつかやりたいなと、開催することに対しては不思議と否定的ではなかった。「いつか、そのうちやれたらいいですね」ぐらいのニュアンスの言葉で返答した気がする。これが2024年2月18日のことである。

そして大会開催を決めたのが翌週の2月25日だった。ふと、思い立ったのかもしれないが、やるなら今なんだろうと自然と湧いてきた考えであった。
この日、こまつクイズ愛好会の活動後に打ち上げに参加していた。たぶんこの場で、私が普段からとてもお世話になっている方が、「2025年度に転勤になる可能性が高い」と話していたことがきっかけなんだと思う。とても尊敬しているプレイヤーで、いつかは大会のノウハウ等も習おうと思っていたが、あと1、2年でお別れとなるんだと考えたら居ても立っても居られなかった。そこで私は「大会を開きます。私が大会長をやります。仲間になってもらえませんか?」とお誘いし、MWスタッフチーム発足となった。その後、信頼している方に声をかけたり声をかけられたりして仲間を増やし、3月31日の年度末ギリギリにTwitterで大会の告知を出せたのであった。

②どういう大会にしたいのか

大前提として私は短文基本が好きです。そこは強調します。

競技クイズの世界に入り、とても自然な流れで短文基本に取り組んでいった。短文基本の問題集には学のない私でも分かる問題が並んでいた。勿論十数年も前に高校で習ったような内容はすっかりと抜け落ちていたが、それでもかつてTVで見て強い憧れを抱いた知の甲子園時代の『高校生クイズ』や『頭脳王』に出題された超人的なクイズに比べると、答えやすかった。
サークルでは格上の相手に対し、私の得意なものだったら時々は押し勝てる時もあってそれが楽しかった。しかし、いつからか短文基本の問題文で得られる面白さや発見には限界があると思うようになってしまった。それは他の人の自作や、短文基本から少し離れた問題集を読むようになったからだ。(短文基本はあくまで“基本”なので、仕方のない部分ではある)
作問者の好みや色が濃く出ている問題って面白い。知らないことがあっても咎められることもなく、私に「こんな世界もあるんだよ」と教えてくれるような気がした。
短文基本の競技性や努力がある程度結びつくシンプルな部分はとても好きだが、ここ一年くらいでよく出た問題を知らないと、「なぜそれを知らないのか?」「本当にクイズに取り組んできたの?」と咎められる錯覚に陥ることが多々あった。(例をあげるなら、アイソレーション、ハルシネーション、「薬屋のひとりごと」など。この一年めちゃくちゃ聞いた)
「この問題、〇〇(大会名)に出てたよな~。問題集をちゃんと見ていれば押せたのに」とか、分からない・押せないことに自らを責めてしまう場面は私以外の人にもあったと思う。それに少し疲れてしまった。
※短文基本でまともに結果を出せないからただ単に諦めただけだろ、と言われたら反論はできません。

短文基本が好きな人のことは一切否定はしないし、今でも多少Ankiを回すなどの座学は続けています。目標としている大会もあるし、長くクイズを楽しみたいなら一定のレベルに到達した方がより楽しめるのは間違いないから、そのために強くなりたい。(周りに置いてけぼりにされたくないのもある)
ただ、時には無機質さや虚しさすら感じてしまう短文基本は、私が大会長になってまでやりたいものではないです。短文基本オンリーの大会は他の大会がやってくれますから。

私がやりたいのは、
・作問者が自分の人生で得たもの
・たとえ知らない題材であっても、プレイヤーにとって新たな発見に繋がるもの
・普段のクイズでは出しにくい、地下要素を含んだもの
・聞いて面白い、押して・答えて楽しいもの
・FunnyでInterestingを全面に出したもの

が出題されるクイズ大会です。
世の中には「人生肯定クイズ」という言葉が存在しますが、MWは皆さんの人生をクイズを用いて否定や肯定はしません。ですが、性格も趣向も何もかも異なる、唯一の共通点は「クイズが好き」なスタッフが集まった大会なので、何かしらあなたの好みに刺さる問題は提供できるはずです。たとえ知らないものが出て答えられなくても、それを咎めることは一切しません。知らないってことは知る機会を得られるわけで、それって素敵なことでは?と思っています。

③大会を開く目的

まず、大会を開く目的を先に話しておくべきだったが、書いているうちに前後してしまった。
私が知っている範囲では、北陸で開催された(開催予定含む)大会は
2023年は百万石杯 のみだったのに対し、
2024年は北陸最強位・新人王決定戦2023、ひとりでできるもん、白鷹杯、第二回百万石杯と非常に充実している。本来なら私は大会を開かなくてもいいペースなのだが、やはり完全フルオープンを金沢で開催したいという思いがあった。(りでもん以外は地域レギュや戦績レギュが設けられているため、出たいと思っていても出られない人が多い)
どちらかといえば北陸のプレイヤーは頻繁に他地方に遠征はしないし、他地方プレイヤーは北陸で出られる大会が殆ど存在しないので、あまりお互いのことを知らないと個人的に思っている。MWに全国・北陸のプレイヤーに参加してもらうことで、クイズを通して交流を図れるのではないだろうか。大会後に懇親会も実施することでより互いを知って、なんなら私の知らないところで新たな交流が生まれたら嬉しい。そして北陸のクイズがもっと盛り上がってほしい。

そして、誰かがクイズ大会を開くきっかけにもなってほしい。
特に北陸のクイズプレイヤーです。
普段口に出していないだけで、皆さん大会や企画を開きたいと思っていませんか?ジャンルや傾向は何だっていいです、あなたの好きを全面に出した大会、ひたすらに競技性を追い求めた大会など、やりたいと思ったことを自分が主催として開きたいと思っているのなら気軽に開催してください。(準備は大変ですが)
信頼のできる仲間、自分の考えに共感してくれた仲間と協力していけばおそらく何とかなります。今のところ超優秀なスタッフ陣に助けられて私が何とかなっています。
ある人が言いました。「クイズ大会が定期的に開かれないと、北陸というクイズ人口が少ない地域だとすぐに勢いが落ちてしまう」と。北陸のクイズ界の活性化は次世代(特に学生)にも繋がっていくので、どんどん大会をやっていきましょう。


最期に
世界は私たちが思っている以上に面白いものに満ち溢れている。あなたの知らないこと、私たちが日々の生活で得たもの、知的好奇心を満たしてくれたものでいっぱいになった大会を作り上げていきます。
一人でも多くのプレイヤーに出会えることを楽しみにしております。


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