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西武ファンが2021ドラフト会議を楽しめるようになるマニュアル―西武は”左腕不足”に騙されるな―

来る10月11日(月)、2021年プロ野球ドラフト会議がいよいよ迫ってきた。
シーズンも残りわずか、5位に低迷するチームにとって数少ない楽しめるイベントだ。
巷ではドラフトの話題が増えてきており、今年はどんな選手が西武に指名されるのか、気になってきたファンもいるのではないだろうか。

本記事では、超シンプルに、西武ファンがドラフトを楽しめるようになる材料を揃えてみる。
あまり構えずに、気楽に読める内容だと思うので、「甲子園のスターしか知らない」「プロになった選手のことしか知らない」「スポーツ専門媒体で取り上げられる記事しかわからない」という西武ファンにこそ見てもらいたい。
小難しいデータとか理論とか語るつもりないので、そういうのが見たい人はがんばって探すといい。
どう調理するかは各々ファン次第。

■西武のドラフトポイントってなに?

西武は既報の通り
隅田 知一郎(すみだ ちひろ) 投手 西日本工業大学
の1位指名を公言した。
何人かいる候補の中で、最も総合力のある左腕を選んだというところか。
あと、顔が良い。これは西武のドラフトにとって重要な要素である。
同じレベルの選手で迷ったら顔の良い方を取る。
西武のスカウティングだ。

ドラフトの話題が盛んになってくると、必ず各球団の補強ポイントがテーマになった記事がたくさん出てくる。
それらを読んで、なんとなくこの辺が補強ポイントなんだなということはわかるだろう。
なのであえて詳しくは触れない。
ただ一つ、西武ファンがドラフトを見る時の参考になりそうなポイントを挙げてみる。

「左腕不足が深刻な西武はなんとしてでも左腕を獲得したい」

これに騙されてはいけない。
西武ファンは冷静になってほしい。
ほんとうにそうなのか?
いや、左腕不足でしょ。
確かにそうだ。
だが厳密には違う。

「西武は先発投手不足が深刻」

なのである。
言ってて悲しくなってくる。
左腕不足が深刻で留まってくれる方がまだよかった。
より深刻なのだ。

左腕は勿論ほしいが、左腕に拘る必要はない。
結果的に左腕で素晴らしい選手がいるから、左腕になっただけ。
そう考えておくと、ドラフト会議での指名結果の見え方が変わってくるだろう。

2020年ドラフトで、
なぜもっと左腕を取らないんだ!!
とお怒りの方は落ち着いてほしい。
これは2021年ドラフトでも同じことが言える。

その他の補強ポイントは以下の通り。

【捕手】
昨年取れなかった。今年は育成も含めて、最低1人は獲得したい。
理想は高卒1、大社卒1の2人程度か。
森の後継者、2番手3番手候補。
2軍で牧野中熊が育成段階なので、さらに下の世代。

余談だが昨年のドラフト会議、育成ドラフトでの出来事。
育成5位で水上投手を指名した後、西武陣営はまだ片づける素振りがなかったので、6位も指名する気なのかと思っていた。実際には6位は指名せずに選択終了。
推測だが、西武の育成5位指名以降~育成6位の順番までに、狙っていた選手が指名されてしまったのではないか。
おそらくその選手が巨人育成6位で指名された坂本勇人捕手(唐津商)だ。
辻監督と同じ佐賀県出身、強肩が売りで長打力もある右打ち捕手。
3軍制を推し進める西武にとって、まさにうってつけの捕手だった。
果たして今年のドラフトではどのような捕手を指名するのだろうか。

【内野手】
獲得したいのは二遊間
源田のバックアップができる即戦力だと嬉しい。
右打ちで打力のある選手を下位や育成で指名するのも面白い。

【外野手】
昨年のドラフトによって緊急度は落ちた。
獲得なしもあり得る。
あるとするならば、「右打ち高校生」か。

以上をまとめると
投手>捕手>内野手>外野手
というのが今年のドラフトにおける優先度になってくる。
育成含め全体で10人程度の指名を予定しているらしい。
内訳は以下のような形になるか。
投手4~5 捕手2 内野手1~2 外野手0~1

今年の市場を考慮すると
1位:投手
2位:投手
3位:投手or捕手
4位:内野手
5位:投手
6位:捕手
7位:投手
育1:投手
育2:野手
育3:野手

ざっくりこのようなイメージのドラフトになるのではないか。

■候補選手ってだれ? ~投手編~

隅田の1位は公言されている。他に間違いなく最初の1位で指名されるであろう山田龍(JR東日本)と佐藤(筑波大)の左腕2人、風間・小園・森木の高校生3投手も割愛する。

・椋木 蓮(むくのき れん) 東北福祉大 右投
最速154㌔の直球とスライダー、フォークを武器に高い奪三振力を誇る。
サイド気味のスリークォーター。例えるならクセのない十亀。
普通、投手の評価ではストレートの最速や奪三振率が一番目立つもの。さらにすごいのはリーグ戦で1.18という四死球率の低さが際立つ。
西武の課題、「奪三振能力の低さ」「四死球の異常な多さ」の2つを1人で解決してしまう!?
想定順位:外れ1位~2位

・桐敷 拓馬(きりしき たくま) 新潟医療福祉大 左投
抽選で外した後、もし1位で左腕を狙うならこの投手。
最速150㌔の本格派左腕。埼玉県鴻巣出身(本庄東高校卒)。
高い奪三振能力を持ちながら、安定した制球力でゲームメイクできる。
かつて西武の候補でもあった笠原(中日)より完成度は高い。
想定順位:外れ1位~2位

・赤星 優志(あかほし ゆうじ) 日本大 右投
東都2部で抜群の安定感を誇る本格派。
制球力高く、変化球を使い分けながら打たせて取る。
奪三振率が高くないのは気になるが、先発投手としての総合力は高く、即戦力として期待したい。
松本航の1年目くらいのイメージ。
想定順位:外れ1位~2位

・竹山 日向(たけやま ひゅうが) 享栄高 右投
最速151㌔の本格派。クセの無いフォームから強い直球と変化球を交えたピッチングができる。
体格も良く、まだこれからの伸びしろにも期待大。
想定順位:2位~4位

・深沢 鳳介(ふかざわ おうすけ) 専大松戸高 右投
甲子園で明豊高校を完封したサイドスロー右腕。
キレのいいボールを両サイドに投げ分けることができ、これからスピードも上がってくれば。
変則投手が好きな西武がいかにも好みそう。潮崎SDが評価しており、指名濃度は高いか。
想定順位:5位~7位

・黒田 将矢(くろだ まさや) 八戸工大一高 右投
最速149㌔の直球とフォークが武器の長身本格派。
夏には12球団20人超のスカウトが集結するなど注目度が高い。
素材型の高校生としてはかなり楽しみな投手の1人。
想定順位:5位~7位

・菅井信也(すがい しんや) 山本学園高 左投
西武が高校生左腕を指名するならこの投手。個人的にはそれくらいに思ってる。
長身細身で最速143㌔のストレートと決め球のスライダーを武器に圧倒的な奪三振能力を持つ。菊池雄星を目標にする山形のドクターK。
あと顔が良い。
想定順位:6位~育成

・権田 琉成(ごんだ りゅうせい) 明星大 右投
最速152㌔の本格派。
顔が良い。投げ姿が綺麗。
バランスよく安定したピッチングができそうな先発向き投手。
想定順位:育成

・松井 友飛(まつい ともたか) 金沢学院大 右投
190㎝の長身から最速151㌔のストレートを投げ込む北陸No.1右腕。
大学で急成長し、素材型の域を出ないが、化けたら面白い。
想定順位:育成

・飯田 琉斗(いいだ りゅうと) 横浜商科大 右投
最速154㌔の直球が武器の大型右腕。
安定感に欠けるが強気な投球スタイルはプロ向きか。
想定順位:育成

・石森 大誠(いしもり たいせい) 火の国サラマンダーズ 左投
最速155㌔の守護神サウスポー。
独立L1年目、守護神として19S防御率1.73、奪三振率15.61を誇る。
元々制球やピッチング技術に課題があったが、馬原監督の指導で開花。
新たにフォークを習得するなど、まだまだ成長途上。
左のセットアッパー候補として、獲得できたら楽しみな投手。投げっぷりが気持ちいい。西武の左腕にいないタイプ。
想定順位:5位~育成

また、昨年がドラフト解禁イヤーだった、
坂巻拳(さかまき げん) 三菱自動車岡崎森田駿哉(もりた しゅんや) Honda鈴鹿も注目。
西武が下位で指名する即戦力左腕としては、この二人が今年も候補になってきそうだ。

■候補選手ってだれ? ~捕手編~

昨年取れなかった。今年は育成も含めて、最低1人は獲得したい。
理想は高卒1、大社卒1の2人程度か。
捕手・森の後継者争いを柘植と共にできる、2番手3番手候補。
2軍では牧野中熊が育成段階なので、さらに下の世代。

・古賀 悠斗(こが ゆうと) 中央大 右右
福岡大大濠高時代から注目の高い打てる捕手。
当時は三浦銀(法政大)とのバッテリーで甲子園を沸かせた。
高校時代は遊撃手から捕手転向し、身体能力の高さが光った。
大学で正捕手として経験を積み、今ドラフトの捕手候補では最上位評価なのでは。
想定順位:2位~3位

・安田 悠馬(やすだ ゆうま) 愛知大 右左
大型スラッガーの捕手。とてつもない飛距離をぶっ飛ばす。
2塁送球最速1.76秒の強肩も兼ね備える。楽しみな逸材。
うまくいったら3年後くらいに覚醒するかもしれない...。
想定順位:4位~育成

・味谷 大誠(みや たいせい) 花咲徳栄高 右左
強肩強打でプロ注目。
通算13本塁打を放ち、広角に打つ打力も魅力。
2塁送球最速1.78秒を記録する、ミヤキャノン。
想定順位:5位~育成

・大津 綾也(おおつ りょうや) 北海高 右右
元遊撃手で捕手に転向したばかり。強肩は魅力で、経験は浅いがその分伸びしろしかない。プロ注目エース・木村の球を受けてきたことは、力になったのでは。
想定順位:育成

■候補選手ってだれ? ~内野手編~

獲得したいのは二遊間
源田のバックアップができる即戦力だと嬉しい。
右打ちで打力のある選手を下位や育成で指名するのも面白い。

・水野 達稀(みずの たつき) JR四国 右左
三拍子揃った即戦力遊撃手。高卒3年目。
身長171㎝と小柄だが、都市対抗や日本選手権でホームランを放つパワーも兼ね備える。
低く強い打球で野手の間を抜き、足で長打にするというスタイルを掲げる。
日ハムが指名検討の噂?
想定順位:3~4位

・池田 来翔(いけだ らいと) 国士舘大 右右
180㎝95㎏と恵体の右打ち二塁手兼三塁手。
力強いスイングで広角に打つことができる。
牧(DeNA)のようなイメージ。
想定順位:4位以下

・野口 智哉(のぐち ともや) 関西大 右左
フルスイングで強い打球を放つ強肩遊撃手。
右翼手、三塁手を経て2年生から遊撃手レギュラー。
想定順位:4位以下

・林 直樹(はやし なおき) 西日本短大付 右右
プロ注目の大型遊撃手。長打力のある右打ちと貴重な人材。
通算本塁打数こそ11本だが、中堅122mの球場でバックスクリーン弾を放つ飛距離にも魅力。
想定順位:育成

■候補選手ってだれ? ~外野手編~

昨年のドラフトによって緊急度は落ちた。
獲得なしもあり得る。
あるとするならば、「右打ち高校生」か。

・吉野 創士(よしの そうし) 昌平高 右右
右打ちの大型スラッガー。身体能力も高く、打って守って走ってと期待したくなるプレイヤー。
あまり大きな欠点が見当たらないのもすごい。
将来的には30本以上打てる走攻守揃った4番タイプになるか。鈴木誠也(広島)のようなイメージ。
想定順位:外れ1位~2位

・前田 銀治(まえだ ぎんじ) 三島南高 右右
選抜21世紀枠で甲子園出場した強打の右打ち外野手。
幼いころから西武ファンで清原・カブレラに憧れているという。
静岡県内の高校生では唯一のプロ志望届提出者。
阪神を除く11球団から調査書が届くなど、注目はされている。
想定順位:育成

・柳澤 大空(やなぎさわ おおぞら) 日大藤沢高 右右
スラっとした体格の身体能力が高い外野手。
東海大相模相手に2打席連続本塁打を放ち話題に。
スカウトからは糸井(阪神)クラスのポテンシャルを評価される。
想定順位:育成

他にも候補選手はたくさんおり、ここで紹介したのは独断と偏見によるごく一部の選手だ。
当日、どんな選手達がNPBへの道を掴むのか。
昨年は西武に12名の選手がドラフトによって入団し、いきなりその頭角を現したルーキー達もいる。
未来のライオンズを背負うスターがいることを楽しみに、ドラフト会議を待ちたい。

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