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レベル(測量機)を説明して下さい。

レベルは水平を示す道具の事を言います。気泡管やダンパーを使って重力方向から90度方向を示す構造を持っています。主に以下の種類があります。

 ①ティルティングレベル
 ②自動レベル
 ③回転レベル
 ④レーザー墨出し器
 ⑤気泡管式の勾配計など

この中で測量機と言われるレベルは、一般的にティルティングレベル・自動レベルの・回転レベル事を指します。水平を示す機能を利用して高低差を計算したり、水平や勾配を示したりします。


①ティルティングレベル

 ※チルチングレベル・気泡管レベルとも言う。
 ※望遠鏡と気泡管を組み合わせた道具で三脚に据えて使用する。
 ※気泡管の気泡を中心に合わせることで正確な水平を示す。
 ※傾斜をつける機能を持つ。
 ※スタッフを使うと高低差を求めることができる。
 ※水準測量で使われる。
 ※最近は使われることが少なくなった。

②自動レベル

 ※ダンパーレベルとも言う。
 ※望遠鏡とダンパーを組み合わせた道具で三脚に据えて使用する。
 ※補正範囲内であれば自動的に正確な水平を示す機能がある。
 ※スタジアを使って距離を測ることができる。
 ※簡易的に水平角を示す機能がある。
 ※スタッフを使うと高低差を求めることができる。
 ※水準測量で使われる。
 ※デジタルレベル(バーコードレベル)は自動レベルの一種。

③回転レベル

 ※レーザーレベルとも言う。
 ※レーザーとダンパーを組み合わせた道具で三脚に据えて使用する。
 ※レーザーを回転させてビームを出し、受光器で受光し水平を示す。
 ※補正範囲内であれば自動的に正確な水平を示す機能がある。

④レーザー墨出し器

 ※赤または緑色の可視光線を出す。
 ※水平方向や縦方向など、さまざまな方向に光線を出す。
 ※可視光線なので室内で約10m程度の距離内で使用する。
 ※ダンパー式が多い。
 ※補正範囲内であれば自動的に水平を示す機能がある。

⑤気泡管式の勾配計など

 ※気泡管がついていて、置くだけで水平を示すもの。
 ※簡易的なものが多い。
 ※電気デジタル式で数値を出すものもある。


レベルの精度について

高低差を求める上で一番精度が高いのは、ティルティングレベル(気泡管レベル)と言われています。高精度な気泡管が付いていて、また、磁力を使用していないため地磁気の影響を受けないからです。ただし、高精度な高低差を求めるには、専門の測量技術が必要になります。

次に精度が高いのは自動レベルでしょう。特にトプコン製(旧ソキア製)のマグネチックダンパーは振動を止めることに優れており、揺れが少ないことで有名です。補正範囲内であれば、誰でも高精度な高低差を求めることができます。

回転レベルは、カタログスペック上ではそれなりの精度表示がありますが、実際に使うと光の縦幅や受光器の受光誤差があり、ティルティングレベル(気泡管レベル)・自動レベルと比較して精度が安定しない傾向にあります。そういう意味で高精度な水準測量には不向きな一面がありますが、一人で簡単にできるメリットがあり、最近では多くの土木現場で使用されています。

レーザー墨出し器の実際の精度はあまり高くありません。ただし、実際の測定範囲が約10m程度であることを考えると、数値的に大きな誤差にならず、その程度であれば許容範囲とする場合が多いです。水平方向だけではなく、縦方向にも光線を出ものもあり、特に建築系(室内)の墨出しでよく使われます。

気泡管式の勾配計は、そもそもが精度が高い気泡管がついていません。精度が高くないため、気泡管の座りが良いメリットがあります。簡易的な水平器であっても、何も使わず目検討で出す水平よりは、しっかり水平を出すことができます。

レベルは適材適所で使われており、精度と使い勝手のバランスで成り立っています。


最後まで読んでくれてありがとう。


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