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「イキフンのイキフンをわかれ!」はやしだ路上音楽日記④(はやしだ)『暇』2023年11月号

アーティストはイキフンが全てだ。
イキフンが放てない奴は淘汰され、イキフンが分からない奴は、あやふやに沈んでいく—。

室町・江戸・そして虚無

8月13日未明に起こった風呂(平塚)による『風呂騒動』後の、はやしだの活動は本来得意とするイキフン重視の表現に戻った。
12・17大和シリウスの件は、ヴィジュアル系イキフンバンドmasqueradedejavuの大パニック3rdワンマンライブに変更となり、#だじゅんは完全に概念になった。
はやしだはコロナ禍がきっかけで地元に帰って来た勢だが、その流れで初めて関わるようになった伊勢原・秦野・平塚……いわゆる秘境の神奈川県西部の人々。前々から、どこか話が噛み合わない・話の時間軸が合わない・文化が合わないな……と違和感を感じていた。
風呂騒動後、その辺を杉ちゃんと議論を交わしてみると『そもそも厚木と文明が違くね?』という仮説がたった。調べてみると、伊勢原は道灌祭(室町時代の武将太田道灌の祝い)、秦野はたばこ祭(江戸後期に日本三大銘葉とされた祝い)を未だに大体的にやっている。明治以降のイキフンが全く感じられない。これはもはや『近代をやっていない』ということだ。隣市の厚木は当然知っての通り近代化しており、文化発信や産業もやっている。それもあっての『住みたい街ランキング1位』の実績がある。伊勢原・秦野は厚木が近いために近代化されているかのような錯覚があり、本当は近代をやっていないにもかかわらずやった気になる『あやふやをやる』状態になってしまっていたのだ。
10月1日に確認の流れも兼ねて、焼津のイベントまで小田急・東海道線各停で行く『大パニック焼津遠征』をやったが、伊勢原・秦野の違和感、そして『新松田以降は観光地』というイキフンが明確だった。新松田以降は、小田原・湯河原・三島・沼津・静岡も然り、観光地としての近代化の文明がある。『俺たちは都市としての近代じゃなくて、観光地としての近代だぜー』という割り切りがある。そこにあやふやな錯覚はない。

焼津お〜んがく〜る(焼津本町ポケットパーク、2023.10.1)

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