午前0時半

気がつくと学生は暗闇の中心にいて、淡いスポットライトを浴びている。いや、より正確に言えば、彼に光を投げかけているのはスポットライトなどではなく、彼の足元で発光している床であった。

学生が周囲に目を向けると、少し離れたところにも床が光っている部分があって、その上には何か赤黒い物体が浮いているのが見える。床の光と赤黒い物体は全部で5つあり、学生を包囲していた。学生はエヴァンゲリオンの「ゼーレの会議」を思い出した。

赤黒い物体は移動していた。その位置の変化は時計の短針が回るよりもゆっくりであったから、学生は暫くの間、物体の動きを意識しなかった。やがて学生は、物体のそれぞれが彼に近づいてきていることに気づいた。

物体が移動を続けた末に彼と触れあえば、「単位」がポロポロと落ちてゆくだろう。赤黒い物体とは、すなわち課題なのだ!

今夜、学生は徹夜で課題を片付けていく予定らしい。学生は単位を守り切れるだろうか?

全てはゼーレのシナリオ通りである。

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