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【顔だけ理想に書き換える】第4回:img2img + Partial Repainting

全4回でお送りしておりますSeaArtAIを使用したAI美女生成の解説ですが、一応今回で終わりの予定です。

前回はモデルとLoRAを使用し、理想の美女の顔生成する工夫を解説しました。

プロンプトのみでは「放射線技師」は作れない

第2回記事より。(radiology technician:1.4)の例

プロンプトにradiology technicianを記述しても放射線技師っぽくなりません。例えば「CT装置を操作する女性」「レントゲンのポジショニングをする女性」などと記載しても、恐らくAIモデルの学習素材にそのようなシチュエーションの画像は無い(合っても稀)と思われるので、再現率は非常に低いです。

そこで今回は「画像の一部を書き換える機能」であるimg2img&Partial Redrawの機能を紹介します。

img2img+Partial Redrawの使い方

img2imgへの画面遷移

画面遷移すると画像をアップロードするダイアログがあります。jpgなどの形式で「最終的に生成したいイメージ」の画像をアップロードします。

今回は教材用に日本一有名なフリー素材女性のこちらの画像を使用します。

アップロードできたら矢印と破線円のアイコン「Partial Redraw」の機能を起動します。

「Partial Redraw」を起動

この機能をアクティブにした状態で、画像上で左クリックをすると自動で「画像を書き換える領域」が自動選択されます。
領域が広く選択され過ぎた場合は、右クリックでその部分を非選択領域としてして除外指定できます。機能としてはパワーポイントの「背景の削除」と同じような挙動をします。

女性の範囲が「書き換え範囲」に選択された状態

書き換え対象が選択された状態で、モデル、LoRAを設定します。今回もモデルはYayoi_mix、LoRAは「JapaneseDollLikeness」を0.4+「GirlfriendMix」を0.6で設定します。

Denoising Strengthは0.4~0.5程度に設定します。これ以上高い値にすると、元画像の構図を維持できなくなります。

プロンプトはいつものテンプレで

(8k, RAW photo, best quality, masterpiece:1.2), ultra high res, (photo realistic:1.2), professional photograph, (upper body), japanese girl, looking at viewer, black eyes, black hair, short hair, curly hair, messy hair, bangs, fair skin, hang hair on ear, half rim glasses, 22 years old, (fearless smile:0.1), heavy eye makeup, dramatic lighting, cinematic lighting,

黒栖レイのテンプレート
生成画像

仕上げは「顔ガチャ」(Variation)で

ここまでの操作で、元画像の構図を維持したまま人物だけを差し替えることが出来ましたが、人物の詳細がまだ理想ではありません。

ここでこの画像を「Variation」機能で再生成します。

variation機能による再生成

前記事の「顔ガチャ」の要領で、Denoising Strengthの値を0.35 ~ 0.45程度に設定し複数枚生成します。

顔ガチャ100連
生成画像

Redrawする元画像の用意のしかた

基本的に今回の記事の内容は「顔の差し替え」になりますので、元画像が必要になります。フリー素材であればライセンスの範囲内で加工・再使用が可能ですが、くれぐれもネット上の著作権フリーでない画像を勝手にRedrawするのはやめましょう

理想となる構図の画像がフリー素材で無い!という場合のために、Microsoft社の「Bing Image Creator」を紹介します。

「Bing Image Creator」の説明はこちら

「Bing Image Creator」もStableDiffusionやSeaArt AIと同様、プロンプトから画像生成をする画像生成AIです。

Microsoftアカウントを持っている方であれば、招待や順番待ち登録の必要がなく、気軽に試せるサービスです。
また、「Bing Image Creator」は基本的に無料となっています。画像を生成する際に「ブースト」と呼ばれるクレジットを消費しますが、これはスピードを早めるだけの役割なので、使い切っていたとしても問題ありません。
さらに、ブーストは毎週補充されるので、画像生成を何百回も繰り返さない限り、使い切る心配はないでしょう(「ブーストは毎週補充」というアナウンスが表示されますが、実際は時間単位で補充される印象です)。

Bing Image Creatorの使い方を解説!商用利用OK?無料?|サングローブ株式会社

美女生成としてのクオリティはイマイチですが、シチュエーションや構図の自由度は非常に高いです。こちらを使用して「CT装置を操作する女性放射線技師」「CT装置に寝そべる女性放射線技師」といった画像を生成します。

「Bing Image Creator」による生成画像。これでもじゅうぶん美女である。

これらの画像をimg2imgの元画像として、先述の操作を行うと「放射線技師っぽいAI美女」を生成することが出来ます。

左:「Bing Image Creator」⇒右:SeaArt AIでRedraw
左:「Bing Image Creator」⇒右:SeaArt AIでRedraw

実際に私が使用している環境はBing Image CreatorはChatGPTで、SeaArt AIはStableDiffusion webUIでと紹介の環境とは異なりますが、やっていることは同じです。Chat GPTによる画像生成(DALL・E)は有料ですが、生成された画像に追加で修正点を指示できるので、かなり自由度の高い画像を素材として準備することが可能です。
過去の投稿画像でこの方法を使用しているものを再掲します。

左:ChatGPTで生成→右:StableDiffusion webUIでimg2img
左:ChatGPTで生成→右:StableDiffusion webUIでimg2img

4回にわたり、無料の画像生成AIサービスである「SeaArt AI」を使用しAI美女の作り方を解説しました。扱ったテーマは「AI美女」でしたが、画像素材のラインセンスに縛られないAI画像生成技術は、一般社会においてもプレゼン資料や広告作成に応用ができるスキルですので、知っておいて損はないかと思います。

一方で今回の「顔差し替え」のテクニックを応用すると、実在する人物のフェイク画像を作ることも可能です。またLoRAの記事でも触れましたが、著作権・肖像権にも十分に配慮して使用することが重要です。くれぐれも節度を持ってご使用ください

AI技術はものすごい勢いで進歩しています。今後も技術をうまく取り入れて、今回の企画がぜひとも皆様の生活を豊かにする一助となれば幸いです。


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