【理想の美女を作りたい】第3回:モデルとRoLAについて
第2回記事では、画像生成の際に記述する命令文「プロンプト」について解説しました。
しかし同じプロンプトを使用しても、使用するモデルが異なると全く違う画像が生成されます。
モデルは画像生成の「料理人」
難しい深層学習の話は割愛して例え話にすると、AI画像生成におけるモデルとは料理人に置き換えられます。例えば「麻婆豆腐を作ってください」と街中華の店主に注文すると、料理人は毎回同じ味を提供してくれることでしょう。しかし別の店で「麻婆豆腐を作ってください」と注文すると、確かに麻婆豆腐であっても味は微妙に異なるでしょう。あるいはフレンチのシェフに「麻婆豆腐を作ってください」とお願いすれば、何かしら美味しいものは出来上がるでしょうが、中華のプロとは異なる味になります。
個々で中華のプロとフレンチのシェフを例えに出したのは、AI画像生成のモデルにも「女性の画像が得意なモデル」「2次元アニメ絵が得意なモデル」「動物や風景が得意なモデル」が存在するからです。また「女性の画像」の中にも「西洋人」「アジア人」など、モデルにより得意分野が異なります。
AI美女生成によく使われるモデル4選
①Beautiful Realistic Asians
「Beautiful Realistic Asians」(”BRA”とも呼ばれます)は、アジア人の美しい現実的な画像を生成するように設計されたモデルです。このモデルは、大量のアジア人の画像データセットでトレーニングされており、さまざまな表情、ポーズ、服装のアジア人の画像を生成することができます。
さまざまな表情、ポーズ、服装に対応する
このモデルは、さまざまな表情、ポーズ、服装のアジア人の画像を生成することができます。例えば、笑顔、泣き顔、怒り顔などの表情や、正面向き、横向き、背中向きなどのポーズ、和服、ドレス、スーツなどの服装の画像を生成することができます。生成される女性の印象としては「実際に身の回りに居そうな美女」という感じです。
②majicMIX realistic 麦橘写实
「majicMIX realistic 麦橘写实」は、中国の研究者グループによって開発されたモデルです。このモデルは、大量の画像データセットでトレーニングされており、さまざまな表情、ポーズ、服装の人物画像を生成することができます。
とにかく高品質の画像を生成するフォトリアル系モデル
このモデルは、肌の質感や髪の毛の質感など、細部までリアルに表現できる高品質の画像を生成することができます。生成される女性の印象としては「やや大人っぽい、クールな美女」「港区に生息していそうな女子」という感じです。
③ChilloutMix
「ChilloutMix」はその派生形をまとめて「Chillout系」とも呼ばれ、AI美女生成では非常に人気のあるモデルです。パっと見「AIっぽいな」と印象を受ける画像はChillout系を採用している場合が多いほど、人気があります。
生成される画像の特徴としては、プロンプトで厳格に指定しないと□リっぽい画像が生成され、また個人的な印象ですが意図せず巨乳になりやすいと思います。
④yayoi_mix
実に日本人らしい画像を生成するモデルです。黒須レイの画像生成には基本的にこのyayoi_mixを使用しています。顔は好みなのですが、使用した感想としては
勝手に胸が巨乳になりにくい(メリット)
後述するLoRAとの相性がいい(メリット)
ポーズの自由度が低い(デメリット)
背景の自由度が低い(デメリット)
という印象を受けます。
LoRAは画像生成の「お好みアレンジ」
「LoRA」とは、AI美女生成において、既存のモデルに簡易的に追加学習させることで、生成結果を微調整することができる仕組みです。LoRAを導入することで、より高品質な美女画像を生成することができます。
先ほど生成モデルを「料理人」に例えましたが、LoRAはいわば「トッピング」あるいは「お好みアレンジ」に例えられます。例えば麻婆豆腐を作ってもらう際に、「辛さ控えめ」「シビレ強め」「日本人の口に合うように」といった要望もあると思います。
LoRAはモデルと組み合わせて使用することで、「もう少しタヌキ顔の女性に」といった具合で自分の理想の女性を生成することが可能になります。
LoRAにはモデルと同様に「実写向け」や「2次元画像向け」があります。以下に実写系で人気のあるLoRAの実例を紹介します。
①JapaneseDollLikeness
日本人顔の特徴を強化するLoRAです。yayoi_mixと非常に相性が良いです。
②GirlfriendMix
こちらは少し鼻が高くなり、キリっとクールな印象を追加するLoRAです。
③akio asian sexy influencer
一気にセクシー系になります。SNSで見かけるAIグラビアには高確率でこのLoRAが使用されていると予想します。
LoRAは複数を重みづけして使用することが可能です。SeaArt AIでは重みづけパラメータを-1.0 ~ 2.0まで変化させることが出来ます。
理想の彼女に出会うための「顔ガチャ」
上↑の画像の黒須レイ、とてもいい表情をしていると思います。この画像は実は1回の生成で完成しているわけではありません。SeaArt AIでは「variation」(StableDiffusion web UIでは「image2image」に相当)という、同じような画像を複製する機能があります。
画面が遷移すると、同じモデル、LoRA、プロンプトがセットされた状態の編集画面になります。この機能の典型的な使用方法はプロンプトを変更して服装やポーズを変更する、といった感じになります。またプロンプト内の(fearless smile:0.1)の値をあげることで笑顔の強度を変更することも可能です。表情のみをわずかに変更したい場合はプロンプトはそのままにして再生成します。「Denoising Strength」というパラメータは「元の画像をどの程度維持するか」を意味し、1に近いほど元の画像を無視し新しい画像になります。表情のみ変えたい場合は0.35 ~ 0.45程度が経験的にオススメです。
モデルとLoRAを使用する際の注意点
①商用利用可/不可のものがある
例えばAIグラビアをデジタル写真集として電子書籍で販売しようと考えた場合には、商用利用可能のモデルとRoLAを使用しなければなりません。
SeaArt AIのサイトからは各モデルのライセンスを確認するのは難しいようで、以下の解説を読んで他のサイト上から確認するか、google検索しましょう。
ちなみに黒須レイに使用しているyayoi_mixはモデル自体や、このモデルをマージしたモデルを販売することのみ、禁止されています。クレジットを入れずにモデルを使用することや、生成した画像を販売することは禁止されていません。
②LoRAは肖像権・著作権に触れる可能性がある
RoLAは15枚程度の少ない画像から追加学習することが可能だそうで、現にSeaArt AIのLoRA一覧の中にも「明らかにあの有名人に似てる・・?」というもの、2次元絵では特定の作者の画風に似せたものなどがあります。上記記事には実例で紹介されていますが、悪用するとフェイクニュースやリベンジポルノ画像等の被害になり得ます。このあたりはクリエイターのモラルをしっかり一線を引いて使用することが求められています。
モデル、LoRA、プロンプト、そして顔ガチャの駆使により理想の女性を生成することが可能になりました。次回は最後の仕上げとして、狙った通りのポーズやシチュエーションを作るための解説、第4回「【顔だけ理想に書き換える】img2img + Partial Repainting」(仮題)をお送りします。
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