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一緒に働く旦那のこと~ログの日に想いを巡らせて~

9年前の今日、私は恋人とアメリカ横断旅行をしていた。
アメリカ西海岸でレンタカー会社と契約し、東海岸まで走って乗り捨てしたのだ。
走行距離は約10,000km。
シリコンバレーやザッポス社を見学し、栄えた都市もさびれた街もめぐり、1か月以上の旅を楽しんだ。
自由の国、アメリカで、最高の自由を味わっていた。

その後、恋人は婚約者になり、共同経営者になった。
もっと自由で楽しい日々がくると疑わなかった。
とにかくお金がなかったので(三十路手前の独身女性が旅で使い果たしたw)、当時住んでいた東京都練馬区のマンションの一室をオフィスにして、知り合いの制作会社の手伝いからはじめた。

起業当初から黒字が続いたが、ちっとも楽しくなかった。
自由の国・アメリカで見たこと、感じたことは何だったんだ。
相方も私も、マンションの一室にこもってPCの前でカタカタばかり。
二人は不自由の塊だった。

そんな頃、相方がちょくちょくでかけるようになった。
どうやら仕事系の外出をしてるっぽい。
そのうち、「この分析見てくれへん?」とヘルプを求められた。
「えっ、ぶんせき?」
私は心の中で(このクソ忙しいのに)と舌打ちをしつつも、夜も寝ずに締め切りギリギリのよくわからないレポートにアドバイスした。
「マクロレポート」とか「ミクロレポート」とか初めて聞く名前のレポートだったけど、私の記憶が正しければ何度も何度も聞かれた。
そして、当時婚約者だった相方がどんな「内助の功」を求めているのかを悟った。

しばらくすると、今度は「プレゼンの練習つきあってくれへん?」と言われた。
「えっ、ぷれぜん?」
私は心の中で(このクソ忙しいのに)舌打ちをしつつも、相方をサポートした。
つっこみどころが満載で、雰囲気が険悪になるほどつっこんだのを覚えている。(ごめんと思って反省してる。)

それからというもの、相方はよくわからない変貌をとげて、会社にも新たな風を吹き込むようになった。
データの連携やダッシュボードの活用などができるようになり、1ページいくらで制作する仕事から、ウェブマーケティング寄りの仕事に変わった。

当時の私はメチャクチャで、月数万円のフィーをいただいているお客さんのサイトで成果を出したい一心で、ガムシャラだった。
その結果、クライアントが月間うん百万円とかうん千万円とかの利益を出すようになった。
それでも、臆病な私は、値上げを言い出せなかった。
せっかくできたお客さんが離れていきそうで怖かったのだ。
そんなモヤモヤに切り込んだのが新生の相方だった。

「お問い合わせを◎件増やすので、●●万円ください」となんとも豪快な見積もりをはじめた。
それが功を奏して、お客さんとwin-winの関係を築けるようになった。
このことが、いわゆる「下請け」が減り、直接仕事を受ける「元請け(もとうけ)」が増えるきっかけになった。

今度は相方が「授業やるねん、ロープレ付き合って」と言ってきた。
「えっ、じゅぎょう?」
「先生?」
私はもう心の中でも舌打ちしなかった。
興味津々で授業を聞き、前のめりでいろんな提案をした。
とても楽しかった。

相方が授業をやるようになって、格段に色んな出会いが増えた。
「こんな人に出会った」「このセミナーに行ってみようかな」「スゴイ人に出会った」そんな話を聞くようになった。
私も、いろんな刺激を受け、仕事に充実感を持つようになっていた。

相方はある資格の運営を手伝うようになった。
勉強会の企画もよくするらしく、なんでこの企画をしたのかと聞くと
「単純に自分が聞きたい。この分野トップから学べたらよいよね?」と
さらっと言ってセッティングしてくる。
「どうやって実現するの?」とたずねても
「どんな情報でもアクセスできる時代に、わざわざ2番手3番手から学ぶ必要なくない?」と偉そうに言うだけ。
ーまったく答えになっていない!

2018年6月9日。
この日の相方はいつもより5倍増しで鼻息が荒かった。
「今日はどんな仕事?」
「今日なーウェブ解析士会議の司会やるねん。」
「え、うぇぶ かいせきし かいぎ?」
プログラムを見ると、私がリスペクトして書籍やセミナーで知っている方々が登壇していた。
「えっ!?この人とも知り合いなの!?何つながり!!」
「せやねん、ってこの人の話を一番聞きたいのはオレやけど」
ーだから、全く答えになっていないんだって!
なんだかんだで、結局、400名満席御礼の盛況でイベントは終わったらしい。

そして、今日。
2020年6月9日 ログの日。
相変わらず、よくわからん話を唐突にしてくる旦那だけど、楽しそうに働いている。
9年前のアメリカ横断をした時と同じく、自由な楽しさを感じている。

それもこれも、相方が「ウェブ解析士」と出会い、働き方を変え、新しい出会いがあったからなのかな、と。
心から、ありがとう。


#ログの日
#ウェブ解析士を知ったきっかけ

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