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20世紀初頭に業界No.2だったGMがフォードを追い上げたマーケティングストーリー

マーケティングの有名な考え方でこのような考え方があります。

Research(調査)→STP(セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニング)→MM(メディア・ミックス)

この一連の流れを提唱したのが、マーケティングの父といわれるフィリップ・コトラーです。

では、問題です。

「STPを唱え始めたのはだれだと思いますか?」

答えは、アルフレッド・スローンというGMの敏腕経営者です。コトラーだと思っていた方、いませんか?私と同じですね(笑) 

では、以下を読んで一緒に勉強しましょう!

T型フォードが世界の半数売れていた時代

時代は20世紀初頭。

世界で売れている自動車の約半数がT型フォードだった時代がありました。

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当時のアメリカは

・第1次世界大戦が終わった。
・車種は「T型フォード」の1種に絞って
・ベルトコンベアを使用した大量生産方式で安価を実現。

上の写真は、アメリカのデトロイトにあるフォードミュージアムで復元したT型フォードが走っている様子。(Wikipediaより)私も訪問しましたが、古き良きアメリカを感じられる場所です。

GMはどうやって追い上げたのか

アルフレッド・スローンは、フォード一強の時代に、グングン追い上げ、シェアNo.1の地位を築いた人物です。

アルフレッド・プリチャード・スローン・ジュニア(英: Alfred Pritchard Sloan Jr. 1875年5月23日 - 1966年2月17日)は、ゼネラルモーターズ(GM)で長年社長を務め、ゼネラルモーターズを全米のみならず世界最大級の製造業企業へと成長させた人物。社会貢献にも熱心であった。(Wikipediaより抜粋)

フォードの1強をどのように崩したのか

アルフレッド・スローンは、MITを卒業してベアリングの製造会社の社長に就任し、そこからGMの社長にのぼりつめました。

世界で製造される半分がT型フォードだった時代、ナンバー2としてどのような戦略をとったのか。

T型フォードを超える性能の車を作ろうとはしなかったんですね。代わりに作ったのは、『どんな財布にもどんな目的にもあった車』。つまり、大衆車から高級車まで階級別のフルラインアップを展開しました。

価格帯を6段階に設定し、各価格帯でトップをいく車を作ることを全社的に宣言。

※低価格車で先行するT型フォードは、その6段階の価格帯の中でもさらに低価格だったけど、そこでの競合を避けました。

GMのNo.1戦略

これだけで、業界2位から業界1位のシェアを獲得したわけではありません。

・毎年モデルチェンジ(計画的陳腐化による買い替え需要)
・割賦販売
・中古車の下取り
・オープンカーからクローズドタイプのデザイン転換


当時の世界観的に、大衆がより上級のもの、より新しいものを手に入れたいという心理をしっかり理解した結果ですね。そのための手段として、割賦販売や中古車販売を提案しています。STPを通じて、顧客理解を深め、経営戦略に活かしていったことがわかります。

現在に至るアメリカの自動車シェアでも、GMがNo.1をとっている強さが伺いしれますね。

結論:「STPって大事!」

GMのウェブサイト(英語)
https://www.gm.com/

#マーケティングストーリー


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