プロのサポートに頼って欲しいなぁ...
ネガティブなレビューをみて考えた
とあるフォステクスのホーンスーパーツィーターのレビューで「ほとんど聞こえない。普通のツィーターの方が元気」と書かれているのをみた。
このモデルはフォステクスの他のホーンツィーターよりも音圧が低い。なぜなら小口径(10cm程度)のフルレンジ向けに開発されたものだからだ。言い方はともかく「元気がない」設計なのだ。だが、そのレビューではそれを明らかにネガティブなことと捉えている。
このレビューにはどのスピーカーと組み合わせて、どんなコンデンサを使い、どのようにセッティングしたについては書かれていない。
もしかしたら、前に使っていたツィーターをそのまま交換しただけなのではないかとも思った。たとえばT90Aから交換した場合、音圧は明らかに違うので、このレビューの通り「ほとんど聞こえない。普通のツィーターの方が元気」という状態になる。
比較対象としている「普通のツィーター」とは何を指しているのかも不明だ。普通の2wayスピーカーのツィーターを指しているのであれば、再生帯域が全く違うので、当然このモデルは「元気」ではない。せめて同じホーンスーパーツィーター同士を比較した場合の「元気」「元気でない」という評であって欲しいとは思うが、この「普通の」という言葉がひっかかる。
もともとT90Aを使っていて、このモデルの方が高価だから「グレードアップ」と思ったのだろうか?
そうだとすると、これは極端に例えるなら、ハイエースよりも値段が高いスポーツカーに乗り換えて「 ★☆☆☆☆ 荷物があまり積めません」 とレビューしているのに近い。ただこれは、用途が全く違うことを理解している私から見た場合の例えである。ハイエースとスポーツカーならば素人が見ても用途が違うとわかるけれども、このケースはそうではない。だからレビュアーに全く責任はない。(そもそも「責任」なんてないのだけれど)
設置位置をきちんと調整したのかどうかも気になる。ホーンツィーターは設置する位置によっては、極端な話「消音器」として働く。
様々な配慮をした上ではじめて性能が発揮される類の商品であることに無自覚だからこそ、あまり詳細を記述せずに「★☆☆☆☆」という評価にしてしまうのだろう。
売り手と買い手のコミュニケーションとサポート
性能を発揮するには一定の使いこなしが必要である点も含めて、この製品が自分に「合わなかった」という意味では、この人にとって、この商品が ★☆☆☆☆ という評価なのは当然と言えば当然だ。「使いこなしが難しい」ということも評価の対象となって然るべきだからだ。
このような事例は、売る側の人間として、このようなことが起きないよう、「サポートも含めてきちんとしなければ」と自戒するきっかけにもなる。
だから私は、この手の商品が、専門家たる売り手と買い手のコミュニケーションが全く無い状態で取引されることを好まない。自分のオンラインショップで、「徹底的にサポートすること」を強調し、「売って終わり」にならないように心掛けているのはそのためだ。
使い方次第でそのものの特徴を発揮できるか否かが大きく左右される以上、そのようなサポートやコミュニケーションは必須である。気をつけたい。
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