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知らない方がいいこと多し

 人が何かを選択するとき、その選択には何かしらの理由があるはずだ。知っている範囲の情報をもとに何が良いかを判断して選択している。そうしたことの背景を知らずに第三者がその選択に対してどうこう言うのは慎重になるべきだと考えている。

 ある選択肢を全く認知していなかったり、選択肢についての認識に誤りがある状態で選択していたのであれば、その選択について何らかの助言を与えることは親切だと言えるかもしれない。

 ただ、人はどんなことについても全てを「知りたい」と思っているわけではない。知らないからこそ、あるいは認識に誤りがあるからこそ幸せだということもある。誰にだって程度の差はあれ、そのようなことはあるだろう。

 そんな考えなので、どうしても「尋ねられれば答えるけれども、積極的に情報は発信しない」というスタンスになりがちだ。自分自身にそういう傾向が強いので、ウェブ広告や SNS などで、一般的に知られていないことを殊更に強調してくるスタイルのものが嫌いだ。

 「知らなきゃ損」という言葉の背景には金銭的な損得の概念しかないように思える。知らない方が精神的に安定した状態を保てるのであれば、知らないままで良い。


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