話し言葉を
瞼の裏に寄せる
皺の寄ったところに
水は溜まる
明治通りは
今日も半分浸かっている
碌でもない日々に蓋をすれば憂鬱
ロックンロールを聞いたって
神にはなれない
散らばっていった
どうしようもない自己を
かき集める
また中央に寄せて
暗がりに放り投げる
松明は赫赫と
この日々に火をつける
革命の朝は早い
明星を東に見る前に
存在証明の旗を立てる
配給のガスマスク
機関銃
ロープワークに己の生命線を結びつける
量産された人類の
乗り越えなければならない壁を仰いで
ある人は外界を想像し
見たこともない景色をスケッチする
ある人はまた信仰し
これさえあればと毎日花を置く
ある人は恐れ
ある人は狼狽する
この或いは一本の拡声器によって
僕らはまた足を進められる
それこそは
いつか聞いた言葉なのかもしれない

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