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親戚の自死の話を聞いて
2024年、3月6日。
突然、俺と姉と親戚のいとこの3人で話すことになった。初めは近況報告かなと思っていたが、お題の本質は「祖父との仲違い」だった。
僕は3か月前ほど、祖父と連絡を絶った。
端的に話すと、「家族愛がない」と僕に言ってきたからだ。
僕は小さい頃、
両親の仲が冷え切ることを悟っても尚、
両親の仲がいい姿をまた見れることを夢見て、
ずっと頑張ってきた。
だけど、それは叶わずに離婚した。
僕や姉に大した説明もなく、
家族はバラバラになった。
自分のこの背景がある中で、「家族愛がない」と言われた3か月前、当時の僕は自分の今までを突き放されたような言葉に聞こえた。
だから連絡を絶った。
だけどこんにち、親戚のいとこ(以後、かれんちゃんと記す)から突然この話を切り出された。
かれんちゃんの母は、
昨年自殺したらしい。
最後に連絡が来たのは、
自殺より少し前に電話が来た。
違和感は感じていたけど、
母親のもとに行かなかった。
かれんちゃんは、
ものすごく後悔したらしい。
声もかけてあげられずに母親を失った背景を想像して、いたたまれない気持ちになった。
僕とおじいちゃんは、喧嘩しなくて済むようなことで連絡を絶ってしまった。
おじいちゃんは悪くなかった。
過去が散々だったから、
過去はもう振り返りたくなかった。
自分なりにやれることをがむしゃらにやっている中、この話を切り出された。
両親のことや過去を考えるだけで、
メンタルがぶっ壊れそうになる。
だけど、蟠りが残ったままこの世を絶たれたら、僕も、それこそじいちゃんにも後悔が残るったまま、終わりのない問題を抱えることになる。
おじいちゃんはその喧嘩以来、
俺から連絡が来ないか毎日待ちわびていると、
かれんちゃんの口から聞いた。
毎日、俺の心配をしているらしい。
頑固なのに、毎日反省しているらしい。
かれんちゃんに、
今でも飽きるほど俺や姉の話をしているらしい。
俺のことをずっと見ているおばあちゃんも、ずっと心配していた。
祖父母は母にではなく、
僕や姉の為にずっと支援してくれていた。
その真相を、今日知った。
おじいちゃんは頑固者だから、
それを言えなかった。
それはおじいちゃんからの何よりの愛情だった。
おじいちゃんも過酷で貧しい家庭環境で這い上がってきて、同じ思いをさせたくない一心で厳しくしてくれていた。
だからかれんちゃんは、
わざわざ説得しに来てくれた。
辛い過去を打ち明けてでも、説得してくれた。
全ての真相を知り、
嬉しさと悔しさで、胸が痛くなって、
涙が止まらない。
僕に必要なのは、おじいちゃんを恕す心だ。
「でもこう言われたから」
「でも言っちゃいけないこと言ったよね」
じゃない。
それは大人じゃない。
亡くなってから気づくのでは、遅い。
おじいちゃんは後悔と反省をしている。
それを恕してあげる心を持ちたい。
今まで支えてくれた祖父母に、
残り少ない機会で精一杯恩を返したい。
悔いが残らないように、
安らかに眠って欲しい。
だから今度、実家に帰ろうと思う。
重く捉えるんじゃなくて、
晴れ晴れとした気持ちで、会いたい。
無理に恕す必要はない。
でも大人になるってことは、
広い心で恕せるようになることだ。
後悔の残らないよう、
少しずつ、前を向こう。
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