世界最初の感染症

この世界で最初の感染症を考えてみた。


細胞に他の細胞が侵入して増殖する、と考えると、「真核細胞に侵入したか、または捕食された原核細胞が、真核細胞の機能の一部として共存し、やがて『ミトコンドリア』と呼ばれるようになったこと」を挙げる。20億年前のことである。

ミトコンドリアはわたしたちの細胞内に存在する小器官でありエネルギー産生工場だが、独自のmtDNAを持っている。しかし、ミトコンドリアが増殖するためには、寄生(共生)主のDNA情報を必要とする。もともと持っていた必要な情報のうちの多くを細胞核ゲノムのDNAに預け渡してミトコンドリアゲノムのmtDNAが持つ情報を少なくしている。これにより増殖に必要なタンパク質を寄生(共生)主に作成してもらい、ミトコンドリアは外部からの運搬が困難な疎水性タンパク質のみを作成していると考えられている。


殺し合いをやめて共存を始めた真核細胞と原核細胞(→ミトコンドリア)が、やがて相互に共存する関係になった。ロマンであり、ホラーである。

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