仕事で使うクラウドサーバの選定
仕事で利用するクラウドサーバを決めるときにどこのサービスを使うのがいいかなーと迷うことがあると思います。そのあたりを私が決めた時のことを書こうと思います。ここではいわゆるサーバ自由度が高いIaaS(インフラストラクチャー アズ ア サービス)なサービスを実際にクライアント用として利用するにあたって数ヶ月前に検討した内容になります(世にある全てのサービスを検討した訳ではありません。ご了承ください)。また先に書いておきますが、私はアソシエイトレベルではありますが「AWS認定ソリューションアーキテクト」を取得しております。ただ手放しでAWSじゃなきゃダメだとかは決めた時も今も思っておりません。
目次
1) システム条件
2) 検討したクラウドサービス
3) 機能で考えてみる
4) 従量課金か月額固定か
5) 情報の多さ
6) 最終的には
1) システム条件
導入システムは自社開発のCMSと自社開発のグループウェアです。CMSだけの場合もあればグループウェアだけの場合、両方入れる場合もあります。導入にはそこそこ手間がかかります。また、サーバスペックや構成は運用中の負荷に応じて変更することがあります。
2) 検討したクラウドサービス
現在IaaS世界シェア1位の「AWS (Amazon web service)」、マイクロソフトの「Azure」、そしてGoogleの「 GCP(Google cloud platform)」を選択肢にあげました。IaaSシェアだと他にIBMとアリババクラウドがありますが日本国内の事例がこのときあまり見つからなくてやめました。あと国内のクラウドも入れておこうと「さくらのクラウド(いくつか比較して単純に費用が一番安かった)」、NTTコミュニケーションズの「Cloud N(クライアントがすでに利用してた)」も検討しました。
3) 機能で考えてみる
基本的にどれを選んでも問題なさそうですが、今後やりたいことが増えたときに「AWS」は機能の充実度がNo1だと思いますのでメリットがありそうです。ただそのときはそのときということであれば機能不足感が否めないけど国内クラウドでもいいかなと思います。この時点では正直言って甲乙つけられず、これこれこういう理由でこのクラウドにしました。というのは提案者の気持ちひとつだと思います。
4) 従量課金か月額固定か
クラウドサーバにかけられる費用は無限ではありません。「AWS」「Azure」「GCP」は使ったぶんだけ支払うという従量制です。かかる費用の天井がないので怖いです。国内クラウドは特殊なサービスを利用しなければ月額固定が多いので見積りしやすいですね。こんなことを考えて数日、「Cloud N」のサービス終了が発表されたので候補から抜きました(笑)
5) 情報の多さ
やっぱり情報の入手のしやすさも大事です。私の場合はそこから「日本語で」という条件があります。日本語も怪しいのに外国語での情報なんていくら出てきても私にはまったく意味がありませんので(笑)
「さくらのクラウド」はむしろ日本語しかありません(笑)が、「AWS」「Azure」「GCP」はやはり先行者の強みか「AWS」が抜きんでて情報が多いように見受けられます。
6) 最終的に決めたのは
最終的にはちゃんと決めてません(笑) ケースバイケースなので。ただ現状は社内に知識を持った人が(私以外に)いるという理由だけで「AWS」と「さくらのクラウド」の2つをクライアントに応じて変えるということにしました。「Azure」「GCP」もけっこう悩んだのですが今はやめておきました。特に「GCP」はそれ以前にGoogleのフィールドエンジニアの方に会ったり、日本法人本社にお邪魔してわざわざご説明をしていただいたのですが・・・。やめた理由は見積もりがしづらかっただけです。機能的には何の問題もありません。「AWS」の見積もりツールに比べるとどうしても見劣りして怖いと思ってしまいました。ただでさえ利用料金が青天井なのにさらにここで見積もりを失敗したらやばいですから。そこまでして「Azure」「GCP」を使う理由もまたありませんでした。
けっきょくここまで身になる情報は提供できていませんが、もし同じように「さくらのクラウド」を仕事で使う人がいる場合はサーバトラブルにかなり注意して構築する必要があります。サーバ知識もかなり必要だし構築する工数もそれなりに必要になります。またそれに対するベストプラクティスもありません(たぶん)。ただし料金固定でかなり安いです。ここしかメリットはありませんがこのメリットはかなり強いです。私の知る限りでは、ほぼ同じスペックでの環境を他のクラウドで構築し比較したらサーバ費用は最安になるはずです(管理コストは知りません笑)。いっぽう「AWS」は機能が多いうえに初期設定でセキュリティ対策とかほぼ出来てたりするので構築は間違いなく楽です。サーバの冗長構成も簡単に作れるしオートスケーリング構成も比較的簡単です。難を言うと料金だけですが、こちらは可能ならリザーブドプランや利用していないときは動作を止めたり等で安くすることができるのできちんと設計できれば言うほど費用もかからないかもしれません。これは設計者の腕の見せ所ですね。