Frogs II episode 2

繁華街の雑居ビルの2階。
そこに「M」はある。
エレベーターを降りて、すぐ正面の引き戸を引き、レンとリョウは、店に入る。
「いらっしゃいませ」
ナオの声が響く。
「また、ナオかよ、たまには、ミキに、接客して、もらいてぇな」
リョウが、憎まれ口を、叩くが、リョウは、ナオの事が、好きなのだ。
「ミキは、レアキャラだからね、それに、あなた達クラスには、私で、充分。もう少し、クラス上げてから、言いなさい」

クラス、、、少し説明がいる。
どこの、街にも、グループや有名な人はいる。
その中でも、その地区での、顔となったり、人と人の話しを繋いだり、トラブルが起きると、動いたりする人達がいる。そして、そういう、グループや人は、色々な力関係や、バランスの上で成り立つ。別に、選挙がある訳ではない。なんとなく、その地区の顔となる、人とか、グループあって、その人達のした事や人間関係が、色々なところで、噂になったり、話題に登ったりする。普通に噂に、のぼる程度なら、よくある話しだけど、「M」のようは、少し特殊な場所だと、その背景や、動いた、人間の繋がりなどを、詳しく把握する。そして、ランクを付けて、仕事の斡旋から、情報を教えるレベルを、判断する。特に、情報の開示は、クラスごとに、確実に、分けられる。そして、「M」だけでなく、どの都道府県にも、その手の店は、存在し、なおかつ横で繋がってる。上のクラスになれば、地元を離れたとしても、その地域で、情報をもらえたり、手助けを受ける事もできる。

「わかったよ。とりあえず、他のメンバーは、来てるのか??」
リョウが尋ねる。
ナオは、目で、奥の扉をみる。
「了解」
俺とリョウは、奥の扉を引いて、左側に、滑り込む。中に入ると、カラオケのうるさい音楽が、流れてくる。
「お疲れ!待ちくたびれたぞ」
入って、すぐに長テーブルがあり、奥から、タク、カズ、テツと座ってる。
「すまん、一応、時間通り」
向かい合うよう、俺とリョウは、座る。
「そうだね、遅刻はしてない。本題に入ろうよ。今回は、タクからの、話しみたいだよ」
カズが、落ち着いて言う。
俺が、軽くタクを見ると。
「じゃあ、今回の話しに入る。皆んな、ノリさん、覚えてるか??」
「そりゃ、覚えてる。仏のノリさんだろ」
リョウが言う。
「そうだね、昔は、お世話になったね」
テツも言う。
ノリさんは、俺達がまだ、Frogsを結成してない、高校生くらいのときに、夜遅く、街中をまわって、深夜徘徊や、援助交際を、しようとしている、若者に、声をかける運動をしていた人だ。
その、容姿と、穏やかで、決して怒らない人柄から、「仏のノリさん」と呼ばれている。
「そうだ、そのノリさんが、今度の統一地方選挙で、S市市長に立候補する。それを、俺たちが支えるんだ。」
タクが言う。
カズが思わず、吹き出す。
「本当に??ノリさん、どっかの党の、公認候補にでも、なったの??」
「いや、無所属だ」

「大学って、どこだっけ?」
「地方の国立H大学だ」

「親が、社長とか?」
「いや、町工場で一生懸命働いてる」

ここから先は

1,463字

¥ 300

期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?