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忍殺TRPGリプレイ【コーリング・フォー・ユア・デビルサイド】04

 前回のあらすじ:ザイバツのネオサイタマ駐留部隊主力を追い払ったソウカイヤだが、オナタカミを筆頭に反ソウカイヤ勢力はまだ多い。ソウカイヤはこれに対処するため、ネオサイタマにおける様々な情報工作活動を強化することにした。これも立派なイクサなのだ。カラダニキヲツケテネ!

 裏社会でも表社会でも、マッポーの世では『ナメられたらオシマイ』だ。きっちりケジメとオトシマエをつけ、恐怖とソンケイを誇示せねば食い物にされ、社会的にのっぴきならない状態に陥る。「……ン」フォーコの携帯IRCに、マキーナからの秘密メッセージが届いている。『ネオカブキチョへ』。

 ウシミツ・アワーのネオカブキチョに急いで戻ると、ブルータルやデンパルスらもいる。「ドーモ」「ドーモ。これから何やんの」「捕り物ね。ここのヤクザクランがNSPDと癒着して違法薬物取引してるね」「しかも、オナタカミのニンジャも同席しているとのこと。イチモ・ダジーンの好機です」

「了解」フォーコは笑って頷く。結局のところ、外交には武力が不可欠だ。防衛や勢力均衡ばかりでなく、容赦なくブチのめして屈服させ、こちらの要求を押し通してこそ最大の利益が望める。つまり、カラテだ!


ネオカブキチョ

 ビルに据えられた巨大液晶モニタがけたたましいニュース音声を鳴らす。それらもやがては店頭のセール音声、広告音声、詐欺商法への注意を促す音声、商店街BGM、店頭販売ラップBGMの坩堝の中に飲み込まれる。ヤクザリムジンは複雑な標識が立ち並ぶネオカブキチョの大通りを進んでゆく。

 ズグググン。唸るようなアイドリング音ののち、ヤクザリムジンは大きく上下に揺れて停止。ドアが開いて、まずヤクザが。それから、オイランの腰に手を回したニンジャが降り立った。「まったくもってルーザーが満載だ!お前らにはわからんだろうが、実際健康に悪いんだ。こういう空気はな!」

 ヤクザに先導されながらニンジャは話し続ける。「ゆえに俺のメンポは美的観点と実利の両方を満たす安全なニンジャギアだ。こういった気配りと注意が、上に立つ者の格なんだよ。わからんだろ。ノブレス・オブリージュ。お前らは何人倒れようと構わんが、俺が健康を害すれば運営に支障……」

 彼の名は、ディクテイター。オナタカミからネオカブキチョに派遣されたニンジャであり、古代ローマカラテのタツジンである。

◆ディクテイター(種別:ニンジャ)
カラテ       6    体力        6
ニューロン     6    精神力       9
ワザマエ      8    脚力        5/E
ジツ        0    万札       10

攻撃/射撃/機先/電脳  6/ 8/ 6/ 6
回避/精密/側転/発動  8/ 8/ 8/ 0
即応ダイス:5 緊急回避ダイス:1

◇装備や所持品
◆*骨董品のニンジャモーゼル銃(レリック/カスタム・チャカガン)*
 装備時側転難易度+1、精神力+1
◆パーソナルメンポ(ガスマスク):精神力と緊急回避+1
◆伝統的礼装(ニッカポッカ):精神力・発動(ジツなしなら即応)・交渉判定+1
 カルマロンダリングとユウジョウ判定時にダイスを1回だけ振り直せる

◇ジツやスキル
◉◉タツジン:古代ローマカラテ(ジュージツ)
◉常人の三倍の脚力
●連射2

◉知識:高級嗜好品
◉交渉:威圧

能力値合計:20

 1年1ヶ月ぶりの再登場です。ケオサキに派遣されていましたが、提携したデッドフェニックス・ヤクザクランがソウカイヤに滅ぼされてしまい、いろいろあってネオカブキチョに派遣されて来ました。さほど強いとも言えませんのでこんな感じでしょうか。

???

「チョウダ!」「ハンダ!」「ハンダ!」「チョウダ!」「ハンダ!」

 ネオカブキチョの一角、エックスアオサギ・ヤクザクランの邸宅にて、賭場が開帳されている。賽を転がす丁半博打の場は、裏社会における複雑なマネーロンダリング作業であり、その場の勝敗に関わらず、どこか和やかなアトモスフィアすら漂うものである。「ドーモ」「ドーモ」「ドーモ」

 奥の間に通されたディクテイターは、不機嫌そうにアイサツした。薄暗い座敷に座るのは、NSPDのエージェントと、ラストリゾートというニンジャである。「『ピュア・オハギ』の売れ行きはどうかね?」

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◆ラストリゾート(種別:ニンジャ)
カラテ       2    体力        3
ニューロン     8    精神力      14
ワザマエ      8    脚力        5/E
ジツ        5    万札       10

攻撃/射撃/機先/電脳  3/ 9/ 8/ 8
回避/精密/側転/発動  8/ 8/ 8/14
即応ダイス:5 緊急回避ダイス:1

◇装備や所持品
◆パーソナルメンポ(ガスマスク):精神力と緊急回避+1
◆ZBRアドレナリン注射器
◆トロ粉末、シャカリキ、メン・タイ、カキノタネ、気化オハギ

◇ジツやスキル
☆ドク系ニンジャソウル、ジツLV5
 ☆カナシバリ・ジツLV3
 ★チドク・ジツ:手番開始時に精神力1消費し発動(H)
  戦闘終了まで、隣接マスからの攻撃1回につき回避不能の毒ダメージ1
  火炎ダメージに対しては無効
 ◉◉グレーター級ソウルの力:ニューロン+ジツ=精神力
 ★★モウドク・ダート:手番開始時に精神力2消費し発動(H)
  戦闘終了まで、術者のスリケンによる射撃に毒ダメージ1+精神力ダメージ1

◉常人の三倍の脚力
◉ニンジャソウルの闇(1):体力及び攻撃・射撃・発動+1
 ◉邪悪なサディスト
●連射2、時間差、マルチターゲット
◉知識:ドラッグ

能力値合計:28

 DDDでは生首になっていた彼です。外見描写がないのでガスマスクとフードを被せました。カラテはからっきしですが用心深く侮れません。

「上々だが、流石にソウカイヤに目をつけられつつある。そろそろ引き時だな」ディクテイターはサケを飲みながら仏頂面で告げる。彼がわざわざ交渉し、ネオカブキチョからケオサキへ差し向けた武闘派ヤクザクラン「デッドフェニックス」は、ソウカイヤのケオサキ駐屯部隊に滅ぼされてしまった。

 それによりネオカブキチョのパワーバランスは一気にソウカイヤに傾いたが、反ソウカイヤ勢力も根強い。複雑なプロトコルによって各地に不戦地域が設定され、ザイバツやオナタカミなどの手が伸びている。ここはそうした場所の一つだ。用心深いラストリゾートが姿を現せるのもそのためだ。

 ヤクザの賭場を隠れ蓑とし、周辺はハイデッカーに監視させている。もしソウカイヤが踏み込んでくれば、領域侵犯だとして全面戦争に踏み切れる。鉄壁の構えだ。「……と思うけど、どうすんの」賭場の天井裏に潜伏中のフォーコが疑問を述べる。「当然、手はあるね」マキーナはIRCで合図する。

???

『『『ザッケンナコラー不法市民!』』』SMAAASH!賭場のフスマが突然蹴破られ、ハイデッカー部隊が踏み込んできた!「アイエエエ!?」「ハイデッカー!?ナンデ!?」「こ、ここはオナタカミ派の賭場です!見逃して下さい!」ヤクザたちは思わずハンズアップ!『『『スッゾコラー!』』』

 ハイデッカーたちはモンドムヨーで銃口を向ける!オナタカミのエージェントであるディクテイターが来ている以上、オナタカミ・トルーパーことハイデッカーがここを襲撃するはずはない!ナムサン!一体何が!?「装備を借りたね。中身はソウカイヤの偽装工作用クローンヤクザよ」「なる」

『家宅捜索!』『強制捜査!』ハイデッカーたちは威圧的に叫び、ヤクザたちの反抗を制する。『不法行為重点!』『記録!』「ヤメロー!」フリークアウトしたヤクザが銃口を向ける!『抵抗!』『鎮圧!』BRTTTTTT!「アバーッ!」アサルトライフルで応射され即死!ナムアミダブツ!『よーし!』

 オナタカミ・トルーパーの隊長らしき男が悠々と進み出る。正体は装備を拝借したデンパルスだ。『ハンズアップ重点!抵抗さからえばこうなるぜ!』「「「アイエエエ!」」」ヤクザたちはハンズアップし膝をつく!マッポを装うなどヤクザとしても卑劣非道だが、バレなければ問題はない。

ミッション8:自作自演の救助活動。ハイデッカーに偽装させたクローンヤクザに捜査と称して因縁をつけさせ、タイミングを見計らって介入、事態解決を演出する。カラテ判定、難易度HARD。MOはカラテ6[531122]成功、BLはカラテ5[16423]成功、MFはカラテ6[352143]成功。MOとMFは通常成功で貢献度+1、BLは出目6で貢献度+2。全員最終貢献度が10となる。

「「「Wasshoi!」」」『『『グワーッ!』』』天井裏から三人のニンジャが飛び出し、偽装ハイデッカーたちを蹴散らした!「アイエエエ!?ニンジャ!?」「ニンジャナンデ!?」『撤退ーッ!』デンパルスの指揮のもと、偽装ハイデッカーは撤退!ヤクザたちも混乱しながら駆け去り、残るは!

「な、ナンデ!?」「ハイデッカーだと?裏切ったのか?」ディクテイターたちは奥座敷で息を殺し、外の様子をうかがっている。IRCは妨害電波によるものか外へ通じない。これはつまり!ターン!奥座敷のフスマが開かれ、三人のニンジャが姿を現した!「ドーモ、ディクテイター=サン」

「ブルータルライオンです」「マキーナオスクラね」「フォーコ!」三人はアイサツを繰り出す。アイサツをされれば、返さねばならない。「ど、ドーモ、ディクテイターです」「ラストリゾートです」「アイエエエ!」高まるニンジャアトモスフィアに、NSPDのエージェントはNRSを起こしている。

「き、貴様ら、ソウカイヤか!ここはオナタカミの領域だぞ!不戦条約も結んでいる!領域侵犯はいかなる理由があろうと宣戦布告だ!」ディクテイターは必死にわめきたてる!「『相手側に著しい不利益をもたらした場合、その限りではない』と当該条約文書に記載あるね。ハンコもあるよ」書面!

「そこのラストリゾート=サンが『ピュア・オハギ』を精製し、ソウカイヤの領域に流していたのは判明しています。違法薬物密売ルートを先に侵犯して、著しい不利益をもたらしたのはそちらだ」証拠!「増援は来ないよ。たぶん見捨てられたんじゃないかなあ」恫喝!「お、お、オノレーッ!」

 ディクテイターは怒りと恐怖に震え上がりつつ、状況判断する。ソウカイヤが喧嘩を売ってきたのは確かなのだ。ラストリゾートとともにここを脱出し、オナタカミへ連絡して庇護を求めねば!一触即発アトモスフィア!

戦闘開始

【続く】

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