忍殺TRPGリプレイ【ノー・ワン・イズ・インヴィンシブル】04
前回のあらすじ:オムラ・オナタカミ戦争勃発!オムラ・ソウカイヤ連合は兵隊をかき集め、ネオサイタマ南部のオナタカミ本社要塞へ侵攻を開始した。アシッドウルフの命令を受け、三人の若き鷲のニンジャは、傭兵としてオムラ側で参戦、次々と障害を突破していく!カラダニキヲツケテネ!
◆
凄まじいイクサであったが、こちらの犠牲はモーターヤブのみだ。サイバーメイヘムはスシを食べ、アースハンドはトロ粉末を吸引して、それぞれ負傷とニューロンの疲労を癒やす。デッドリーパーはマガジンを交換し、オナタカミ・トルーパーの死体やドラグーンの残骸から物資を調達する。
『ピガ……ピガッ!』激しく損傷したモーターヤブは、バチバチと火花を散らしながらなおも動き、コンテナから飛び降りた。戦闘兵器である彼らに、恐怖を感じる回路は存在しない。ヒュルルルル……ズシン!ズシン!上空からさらなる増援部隊が次々と降下し、貨物エリアを掌握にかかる。
この先は、オナタカミ本社要塞へと続く連絡通路だ。遮る物はない。企業ニンジャも待ち構えていよう。「行けるところまで行くぞ」「「了解!」」三人は色付きの風と化して駆け出す!「「「MOVEMOVEMOVE!」」」
連絡通路
三人はオムラ軍の支援砲撃を受けながら、海上連絡通路を駆け抜ける。遥か彼方には、本社要塞と周辺地域を隔離する巨大な防護障壁が聳え立っている。障壁は数十メートルおきに三層あり、これはその最外部だ。迎撃用の自動砲塔は上空からの攻撃で破壊されているが、あれを越える必要はない。
イサオシを立て過ぎれば目立ち、自由に動きにくくなる。内部には無数の戦闘兵器も企業ニンジャもいるだろう。どこまで行くか……三人が少し迷い始めた、その時!クオオオー!クオオオー!奇怪な咆哮を放ち、新たに二機のドラグーンが前方より迫りくる。その背には……ニンジャ!
「「イヤーッ!」」二機のドラグーンは全速力で突進!アイサツ前のアンブッシュだ!そして彼らの姿には……見覚えがある!
サイバーメイヘムへ飛びかかるのは、両腕のブレーサーにスリケンボウガンを仕込んだニンジャ!射出反動を利用して回転し、肘打ちや蹴りを連続で繰り出す!そしてデッドリーパーへ向かうのは、両肘にブレードを仕込んだニンジャだ!「「イヤーッ!」」紙一重で見切って回避!タツジン!
ギャギャギャギャギャ!二機のドラグーンと二人のニンジャは、三人を前後に挟みこんだ。前門のタイガー、後門のバッファローだ!「ドーモ、久しいな。アルバレストです」「ブラックオニキスです」
「ドーモ、アースハンドです」「デッドリーパーです」「サイバーメイヘムです」三人はアイサツを返す。「オムラか、ソウカイヤか、その他のどこかか知らんが、ここまで踏み込んで来るとはな」「是非とも捕らえて尋問し、情報を得たいところだ」二人のオナタカミ・ニンジャは油断なく構える。
「三対四……とはいえ、こっちはニンジャが三人だ。止められると思うか」アースハンドはアルバレストを挑発する。「ウカツに近づけば危険、だな。しばらく足止めぐらいはできよう」ブラックオニキスが告げる。足止めか。さらなる増援が来るということ。ならば、ここで撤退してもよかろう。
クオオー!クオオー!ドラグーンは威圧的に咆哮する。三人は背中合わせになり、前後の敵と向かい合う。……大気にカラテが満ちる!一触即発!
戦闘開始
1ターン目
「TAKE THIS!」ZZTZZT!アースハンドは東側のドラグーンへ遠隔ハッキング!『ピガガーッ!』命中!「EAT THIS!」BLAMBLAM!デッドリーパーはアースハンドをかばいつつ東側ドラグーンへ追い撃ち!『クオオー!』ドラグーンは紙一重で躱す!「イヤーッ!」サイバーメイヘムが飛びかかる!
SMASH!ZZTZZT!『ピガガーッ!SAYONARA!』KABOOM!サツバツ!サイバーメイヘムはテッコ内蔵パルスダガーでまたもドラグーンの急所をえぐり、一撃で葬り去った!「何ッ!?」アルバレストは彼女のカラテに驚愕する。三人のうち彼が直接戦ったのはカラテに乏しいアースハンドだけだ。
「イヤーッ!」アルバレストは通路南側へ飛び離れ、サイバーメイヘムへとスリケンボウガンを射出!BOOMBOOMBOOM!「ンアーッ!」命中!かすり傷だが、毒でも塗ってあるのか脳震盪なのか、視界が揺らぐ!「フタツイシユミ・ドー、防御的スリケン投擲……カカッテコイ!」「ファック!」
「イヤーッ!」ブラックオニキスは常人の三倍の脚力で飛びかかり、アースハンドへニンジャソードで斬りかかる!SLASHSH!狙うは腕だ!「い、イヤーッ!」アースハンドは見切って躱し迎撃!「イヤーッ!」ブラックオニキスは跳躍回避!「意外にやるな。ここまで来るだけのことはあるか!」
クオオー!ドラグーンは南側の遮蔽物の上に駆け登り、サイバーメイヘムへアームバルカンを撃つ!BRTTTTTT!「イヤーッ!」難なく回避!二機以上いなければラン&ガン連携はできないのだ!
2ターン目
アースハンドは状況判断し、北側の遮蔽物へ駆け登るやドラグーンめがけ遠隔ハッキング!ZZTZZT!『ピガーッ!』命中!「イヤーッ!」デッドリーパーも彼の傍らに動き、ドラグーンを見下ろす高さから射撃!BLAMBLAM!『ピガガーッ!』命中!しかし、なおも動く!「そっちは任せたわ!」
サイバーメイヘムはイクサの昂揚に眼を輝かせ、アルバレストへ猛獣めいて飛びかかる!「イヤーッ!」「イヤーッ!」アルバレストは巧みに動きを読んで躱しカウンター攻撃!「イヤーッ!」バック転回避!「シューッ、なかなかやるわね」「そちらもな」ワザマエではアルバレストが上だ!
アルバレストはヤギめいて遮蔽物を跳ね回り、サイバーメイヘムへ恐るべきスリケンボウガンを三連射!BOOMBOOMBOOM!「イヤーッ!」全弾マワシウケで弾き落とす!「イヤーッ!」ブラックオニキスはアースハンドを追ってニンジャソードで斬りかかる!SLASHSH!「グワーッ!」命中!
致命的ではないが、無視できぬダメージだ!さらにドラグーンが高所に移動し銃口を向ける!BRTTTTTTT!「イヤーッ!」デッドリーパーがアースハンドをかばい、ともに身を伏せて躱す!あのドラグーンは次のハッキングで倒せるだろうが、二人のオナタカミ・ニンジャが相手では……!
3ターン目
「TAKE THIS!」ZZTZZT!アースハンドは西へ移動しながらドラグーンに遠隔ハッキング!『ピガーッ!SAYONARA!』KABOOOM!爆発四散!「イヤーッ!」デッドリーパーは彼の傍らに駆け寄りつつ、ブラックオニキスめがけ射撃!BLAMBLAM!「イヤーッ!」最小限の動きで回避!ワザマエ!
「チッ……!」サイバーメイヘムは、柱めいた高所に立つアルバレストを見上げる。ニンジャであってもあの場所へ攻撃を仕掛けるのは困難。ならば!「キエーッ!」常人の三倍を超える脚力で北側へ飛び、海水と通路を隔てる壁を蹴って、ブラックオニキスへ襲いかかる!なんたる移動速度と距離!
どくん……!ブラックオニキスはアドレナリンを過剰分泌させる。周囲は隔壁に覆われ海水へ落下する心配はないが、敵のテッコにはパルスダガーが内蔵されている。重サイバネではないとはいえ、食らえば相当なダメージ!ZZZT!「……グワーッ!」致命打は躱したが、躱しきれず一撃を食らう!
「援護する!イヤーッ!」BOOMBOOMBOOMBOOM!アルバレストは高所からサイバーメイヘムへスリケン乱射!「ンアーッ!」命中!「スキアリ!イイイヤァアアアーーーーッ!」ブラックオニキスは裂帛のキアイとともにニンジャソードを繰り出す!狙うは腕、そして心臓だ!極めて危険!
どくん……!サイバーメイヘムもアドレナリンを過剰分泌し、迫り来る死を回避すべくソーマト・リコール現象を起こす。全てが泥めいてゆっくりと動く中、彼女は……「イヤーッ!」両眼から血涙を流しつつブリッジ回避!ゴウランガ!「あ、アブナイ!」「シューッ……惜しい」なんたる強さ!
サイバーメイヘムといえど、二人の手練れニンジャが相手では荷が重い。ブラックオニキスを囲んで殴ろうにも、アルバレストが牽制して来る。フーリンカザンである高所に陣取り、生体LAN端子もないアルバレストを倒すには、こちらの射撃能力は明らかに劣る。戦闘兵器などの増援が必要だ!
???
その時!クオオー!クオオー!オナタカミ本社要塞から新手のニンジャがドラグーンに乗って駆けつけた!「やれやれ、随分と……やってくれたな」サーチライトの逆光に照らし出された体躯は図抜けて大きく、身長2メートルはあろうか。横幅もある。頭部はスキンヘッドで、メンポは武骨な鋼。
全身は生命維持装置めいたサイバネに覆われ、心臓部には渦巻く太陽の意匠が描かれたプロテクターがあり、そこから四肢と頸動脈へ、光ファイバーじみたチューブが伸びている。彼はオナタカミ社の最高顧問サイデン・マルティネス。そのニンジャネームは!「ドーモ。スターゲイザーです」
◆スターゲイザー(種別:ニンジャ/重サイバネ/戦闘兵器)
カラテ 16 体力 27/-1
ニューロン 10 精神力 -
ワザマエ 10 脚力 8/N
ジツ 0 万札 100
攻撃/射撃/機先/電脳 20/10/12/14
回避/精密/側転/発動 20/10/10/ -
即応ダイス:3 緊急回避ダイス:0
◇装備や所持品
▶︎▶︎生体LAN端子LV2:ニューロン判定+4、イニシアチブ+2
▶▶▶▶︎▶︎▶︎▶︎ヘリオス・ヘヴィアーマー:クロームハートLV3+テッコLV4に相当
体力と精神力+3(戦闘兵器化のため体力+6)、カラテ判定と回避+4
▷▷▷▷▷▷ナノカラテエンジン:ダメージ軽減1
手番開始ごとに体力をD6自動回復、「欠損部位再生」「不滅」を獲得
●過剰サイバネ(14個):戦闘兵器化
◉◉◉重サイバネ化&戦闘兵器化:体力+5、精神力なし
精神力へのマイナス修正無視、精神攻撃無効
精神力を増加させるサイバネやスキルは、代わりに同じ値の体力を増加させる
●脆弱性:電磁(2)
●即死耐性
●交渉判定難易度+2
◇ジツやスキル
◉◉タツジン:アイキドー
●ジャスト防御:
回避判定ダイスの成功数が攻撃側成功数を1個だけ上回っていた場合、迎撃の回避不能
●戦闘スタイル:アイキ投げ
出目6を含む近接攻撃に弾き飛ばし効果を追加(方向を任意で指定)
●ワザ:当て身返し
カウンターカラテが2ダメージ(ジャスト防御は1)
回避されなかった場合、敵を任意の隣接マスに動かし攻撃フェイズを強制終了させる
●ワザ:ソードブレイカー 近接攻撃、出目665で発動
殺伐出目5の両腕破壊(回避H)、敵を任意の隣接マスに強制移動
●ワザ:カタパルト・スロー カウンターカラテの出目66で発動
2ダメージ(回避H、ジャスト防御なら2ダメージかつ回避不能)
敵を任意の方向へ弾き飛ばし、攻撃フェイズを強制終了 ターン中1回限り使用
ジャスト防御でも弾き飛ばしに対する激突回避は可能
◉ヒサツ・ワザ:ポン・パンチ 出目666で発動、回避ダイス2か精神力1を消費
痛打+2D3(回避UH)、弾き飛ばし
◉鉄拳:素手による近接攻撃に痛打+1&装甲貫通1
◉グレーター・ツジギリ
●連続攻撃3、連射2、時間差、マルチターゲット
●欠損部位再生:即死耐性、部位損傷回復(精神力1と攻撃手番消費)
●不滅:即死耐性、倒されても爆発四散せずペナルティありで行動可能
能力値合計:36
「ドーモ、アースハンドです」「デッドリーパーです」「サイバーメイヘムです」三人は脂汗を垂らしつつアイサツを返す。「「ど、ドーモ」」アルバレストとブラックオニキスも慌ててオジギする。彼らはスターゲイザーの直属の部下だ。スターゲイザーは全身から凄まじいカラテを放っている。
「ここまで本営をファックされては、あまりうまくない。俺の計画にも支障が生じる。どうやら貴様らが……貴様らの背後にいる誰かが、邪魔をしているということらしいな」スターゲイザーは怒りに燃えながら、三人を指さした。「メイライ社、そして我が社を狙い、破壊工作を繰り返している……」
「オムラ・キョート支社を攻撃したのも、貴様らのしわざだな。俺は詳しいんだ。我が社はそのような計画はしていない」三人は答えず、脱出の機会を伺う。「捕まえてインタビューする。命乞いして我々に寝返るなら歓迎するぞ」スターゲイザーの背後からは、ハイタカの大群が向かってくる。
地上にはドラグーンやオナタカミ・トルーパー、多脚歩行戦車「シデムシ」の群れ。企業ニンジャもまだ来るだろう。三人はいつの間にか、オムラ・ソウカイヤ連合軍の侵攻の最前線に到達していたのだ。深入りし過ぎると死ぬ……平安時代の哲人剣士ミヤモト・マサシの警句が脳裏をよぎる。
……その時だ!
ヒュルルルルル……KABOOOOM!KABOOOOM!KABOOOOOM!スターゲイザーの背後に向けて、上空から圧倒的な面制圧大火力が叩き込まれた!『『『ピガガーッ!SAYONARA!』』』ハイタカやドラグーンが次々と爆発四散!シデムシやオナタカミ・トルーパーが薙ぎ払われる!ゴウランガ!
「「「なにッ!?」」」オナタカミのニンジャたちは空を見上げた。そこにいるのは、マグロツェッペリンではない!陽炎に霞む異様なシルエットは、背中に巨大なジェットパックを背負ったニンジャである!それは空中からアイサツした!『ドーモ。オムラ・インダストリ所属、ネブカドネザルです』
【続く】
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