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【聖杯戦争候補作】可愛いベイビー

 深夜。都内某所の路地裏で、そのサーヴァントは死にかけていた。突然頭から何かにのしかかられ、ねばつく体内に取り込まれたのだ。

「う、うおおおおーーッ!」

 宝具の力を解放し、粘液を斬り裂いて外へ逃れ出る。彼を取り込んでいたのは、見るからに悍ましい存在だ。漆黒で玉虫色に光り、表面には無数の目が浮き出し、触手や様々な器官が無秩序にうごめいている。大きさは、高さも横幅も四メートルはあろうか。そして、魔力を感じる。使い魔か。

「テケリ・リ! テケリ・リ!」

 それは、口らしき器官から口笛じみた声をあげた。その声に呼応するように、ビルの上から、マンホールの中から、新たな粘液状の怪物が現れた。サーヴァントは絶望した。自分の力では、この単純な質量による攻撃を防ぐことは不可能だ。マスターは……マンホールから現れた粘液状生物の体内に取り込まれ、昏倒している。助けなければ。

 粘液状の怪物たちは次々と合体し、見上げるほどの大きさになった。それは多数の触手を伸ばしてサーヴァントを拘束すると、無数の牙を生やした口を生じさせ、のしかかり、かじりついた。肉体が破壊され、魔力が失われていく。……やがて、サーヴァントは金色の光の粒子と化して消滅した。

「よくやりました。我がかわいい従僕よ」

 マンホールの中から、粘液状の怪物に乗った人影がせり上がって来た。頭に五芒星形の帽子をかぶり、緑色の肌をした少女じみた姿だ。彼女の瞳は五芒星めいており、人間離れしている。彼女は植物のような腕を伸ばし、粘液状の怪物に思念波を飛ばす。それはぶるぶると震え、歪み、縮み、少女じみた姿になっていく。彼女は虚ろな目を輝かせ、胸を張って答えた。

「当然です。ぼくはかわいいですからね!」

 彼女は、契約上は緑色の少女、『ライダー』のマスターである。彼女もまた人間ではなく、作られた存在だ。ライダーは彼女の従僕となることを好まず、自らの宝具とマスターを融合させ、催眠術で操っている。相性はいい。マスターの影響か、ライダー自身も人間の少女のような姿になったが、特に問題はない。むしろ人類の社会においては行動しやすいだろう。

「……下等生物どもが、興味深いことをしている」

 ライダーは目を細めた。高度な科学技術を有する彼女にとって、魔術という異質な力を操るのは得意ではない。しかし、有用であれば使えばよい。今の自分もサーヴァントという魔術的な存在になっている。聖杯とやらを手に入れて解析すれば、より多くの知識が得られるだろう。彼女は口笛を吹く。

「テケリ・リ!」

【クラス】
ライダー

【真名】
エルダーシング@クトゥルフ神話

【属性】
中立・中庸

【ステータス】
筋力:C 耐久:B 敏捷:C 魔力:B 幸運:D 宝具:B

【クラス別スキル】
騎乗:B
 騎乗の才能。「乗り物」という概念に対して発揮されるスキルであるため、生物・非生物を問わない。大抵の乗り物なら人並み以上に乗りこなせるが、魔獣・聖獣ランクの獣は乗りこなせない。自前の翼で宇宙空間をも飛翔する。肉体労働は自ら生み出した生物たちに依存しており、催眠術で操って使役していた。

【固有スキル】
星の開拓者:EX
 人類史においてターニングポイントになった英雄に与えられる特殊スキル。あらゆる難航、難行が“不可能なまま”“実現可能な出来事”になる。外宇宙から飛来して文字通りに星を開拓し、人類を含む多くの多細胞生物の起源となる存在を創り出した。「領域外の生命」も含む。

異形:B
 地球上で誕生した生命体とは根本的に異なる種族であり、彼らを目撃した通常の人間や動物に激しい精神的衝撃を与える。「頑健」を含み、冬眠状態に入れば宇宙空間をも移動でき、何十世紀もの眠りに耐え、陸上でも海底でも問題なく行動可能。現在は外見が人間の少女じみた姿に変化している。

道具作成:B
 道具を作成する技能。魔術師ではないが高度な科学技術を持つ。しかし科学技術に頼ることをよしとせず、自分の力や使役生物で事を行う。かつて生命を創造したが、やがて知識や技術は失われ、既存の生物を操作・変形させることのみ可能になった。テレパシーによる催眠術で他の生物を操縦可能。

【宝具】
『うちのメイドは不定形(ショゴス・イン・ブルーム)』
ランク:B 種別:渾沌宝具 レンジ:- 最大捕捉:-

 何億年も前に無機物から合成された漆黒の粘液状生物。非常に高い可塑性と延性を持ち、必要に応じて自在に形態を変化させ、さまざまな器官を発生させる。主人と同じく「テケリ・リ!」という鳴き声を上げる。大きさは地下鉄の車両ほどもあり、力や生命力は非常に強いが、知性は本来低く、呪文やテレパシーによって操ることが出来る。マスターと相性がいいため、彼女の肉体と融合している。

【Weapon】
 機械や道具を扱うこともできるが好まず、自前の強靭な肉体および宝具を用いて戦う。

【怪物背景】
 古のもの。オールドワン、エルダーワンとも。10億年前に宇宙から飛来し、地球を最初に支配した種族。初出はハワード・フィリップス・ラヴクラフトの『狂気の山脈にて』。「テケリ・リ!」という奇妙な鳴き声を発するが、彼らの言語体系について詳しいことは不明である。

 異次元の存在ではなく、この宇宙で誕生した、通常の物質で出来た生物。起源は不明だが、どこか遠い星で発生し、数多の星々に勢力を広げていた。かつては機械生命体であった時期もあったが、情緒面で満足が得られないため撤回したという。現在知られている彼らの肉体も作り物である可能性もある。この肉体は極めて強靭で、宇宙空間を渡ることも深海に居住することも可能であり、寿命も極めて長く、自然死することは少ない。ただし長い地球暮らしで軟弱になっていったらしく、後年には氷河期に適応するため暖房器具を必要とすることもあった。社会の構造は社会主義的で、五芒星形の貨幣を使用していた。

 フライング・ポリプ、イスの偉大なる種族、クトゥルフとその落とし子たち、ミ=ゴなど様々な外来種族と地球の支配を巡って争った末、高度な科学技術は失われ、種としても退化していった。南極の狂気山脈に残る都市遺跡が彼らの地上における最後の居住地と考えられているが、海底や外宇宙には今なお生き延びており、意外と繁栄し続けているのかもしれない。彼らが創造した使役生物がショゴスであり、しばしば反乱することもあった。クトゥルフの眷属である「深きもの」どももショゴスを使役しているが、その経緯は詳らかでない。恐竜時代には、陸上では恐竜、空中では翼竜を使役しており、人間めいた猿人を食用や娯楽用に飼育していた形跡も見られる。

【サーヴァントとしての願い】
 聖杯の獲得そのもの。解析したい。

【方針】
 手段は選ばない。人間を技術やテレパシーで洗脳して手駒にし、情報を収集する。敵はショゴスで押しつぶす。

【マスター】
ぷにる@ぷにるはかわいいスライム

【Weapon・能力・技能】
 変幻自在の肉体。ライダーの宝具と融合して半ばショゴス化しており、地下鉄の車両ほどに巨大化でき、怪力を有する。触手を伸ばして標的を拘束したり、体内に取り込んで窒息させたりもできる。防御力も高く、銃弾や殴打、斬撃などは無効。水分を含むため燃えにくいが乾燥や凍結に弱いかも知れない。ライダーが無事な限り、相当に破壊されても死亡することはない。材料や餌食を増やせば体積も増加する。

【人物背景】
 WEB漫画『ぷにるはかわいいスライム』の主人公。河合井コタローがホウ砂水と洗濯のり(ポリビニルアルコール)を混ぜて作ったスライムに、命が宿って生まれた知性的存在。当初はペンギンのマスコットじみた姿であったが、成長したコタローに自分を「かわいい」と言わせるため様々な姿になった末、7年後の現在は人気アイドルを参考にした少女の姿になっている。

 一人称は「ぼく」。自らを「かわいい」と自負しており、将来は「ぷにるランド」を設立して世界一の人気を得、kawaiiの代名詞となることを夢見ている。外見は実際かわいいが、不定形のスライムのため容易に肉体が変形・切断され、絵面が危険なことになる。服装を含めて自在に姿を変え、水道管など狭い場所を潜り抜けられる。質量を増やすには肉体を構成するホウ砂水と洗濯のりを混ぜる必要があるが、現在はライダーの宝具と融合しているため特に必要としない。

【ロール】
 特になし。神出鬼没の少女。コタローに相当するNPCはいるかも。

【マスターとしての願い】
「ぷにるランド」を設立してkawaiiの代名詞になりたい。

【方針】
 ライダーに操られており、その思い通りに動く。殺人も躊躇しない。

【把握手段】
 原作。

【参戦時期】
 不明。


 今をときめくラブコメ漫画、『ぷにるはかわいいスライム』からぷにるが登場だ。なんかショゴスめいていたので、前に四月馬鹿与太話で作ったあいつをステータス表とかを調整して鯖として授けたところ、こうなってしまった。この聖杯企画にはクトゥルフ神話や『忍者と極道』からいろいろ来ているらしいし、こいつがいてもよかろう。忍極からは長が前回登場している。

 ところで、やはりしたらばに書き込みができない。Janeでもブラウザでもだめだ。「書き込みに失敗した模様」とか出てきて書き込めない。仕方ないのでここに書いて置いておく。代理で投下できればしてくれ。

https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/12648/1648303280/

【続く】

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