【聖杯戦争候補作】光るとき
東京都文京区、某大学医学部附属病院、上層階の一室。
「本当に幸せを感じるって状況……あるよな……」
時刻は昼。うららかな日差しの下、談笑しながら行き交う人々を窓から眺めおろし、彼は目を細めた。
「幸せには……『2つの場合』があると思うんだ。ひとつは、絶望が希望に変わった時……幸せだと感じる。わたしは、本当に死ぬほど追い詰められていたからな……それが今、生きて、安全に、ここにいる。全く幸運によるもので、自分の経験と精神力によるものではないが、それでも幸せだよ……今」
男は満面の笑みを浮かべる。なんと平和な大都会。自分には今、天職である医師の地位もあるし、カネも能力も十分ある。彼が一緒に来ていなかったのは残念だが、素晴らしい仲間も与えられた。なんと幸福なことだろう。ブッダが気まぐれに垂らした「蜘蛛の糸」の先は、天国だったのだ。
「そして、幸せだと感じる『2つ目』の状況は……」
彼は室内に、足元に視線を移す。ベッドの上に、老人が縛り付けられている。意識ははっきりしており、さるぐつわを噛まされ、苦悶と絶望の表情を浮かべ、涙を流している。口も手足も胴体も首も、白く輝くナイロンじみた糸の束で拘束され、ビクともしない。その腹部は……切り開かれている。
「絶望したヤツを見下ろす時だ……！」
男は狂喜の表情を浮かべ、ベッドの傍らに立ってビデオカメラで録画を続ける青年を見た。彼もまた、赤い目を細めて喜悦の表情を浮かべている。やがて彼の足元から無数の、灰色の蜘蛛が湧き出し、老人に群がった。老人は気絶することもままならず、はっきりした意識のまま、貪り食われていく。
「ンンー！ ンンンンンンーーーッ！」
「フフフ……善し……！善し……！善いぞ……！ もっと絶望の表情を見せろ！ よおーく見せるんだ！ 希望が尽きて……命を終える瞬間の顔を！」
嘲笑う男の名は、チョコラータ。医者である。青年の名は……
◆
【クラス】
フォーリナー
【真名】
ルイ11世@史実、フランス
【属性】
秩序・悪
【パラメーター】
筋力E 耐久E 敏捷C 魔力A 幸運B 宝具EX
【クラス別スキル】
領域外の生命：EX
詳細不明。恐らくは地球の理では測れない程の生命を宿している事の証左と思われる。
神性：B
その体に神霊適性を持つかどうか、神性属性があるかないかの判定。異邦の神と接し、その影響を受けているが為に、フォーリナーはそれ由来の神性を帯びるようになる。王としての「カリスマ」を含む。
狂気：？
理性による力の枷が外れており、攻撃性が高くなっている。人間を容易く狂わせる狂気を放つ彼自身もまた、狂気に陥っている。「外なる神々」は存在自体が狂気そのものであり、さらにそれを周囲に無遠慮にばら撒く混沌そのものである。彼の場合、「理性を奪われた」状態で「正常な思考を維持する」矛盾を成し遂げている。「精神汚染」を含む。
【保有スキル】
蜘蛛糸の果て：A
邪悪を画策する能力。秩序を破壊し、善を穢し、しかして自分に対して因果や罰を向かわせない。蜘蛛が作った網のように相手を取り込み、貶める。珍しい動植物や聖遺物の蒐集癖もある。「戦略」を含む。
【宝具】
『遍在する蜘蛛（レ・ユニヴェルセル・アレニエ）』
ランク：EX 種別：対人/対界宝具 レンジ：？ 最大捕捉：？
彼のあだ名と、彼に繋がった存在に基づく宝具。物理・電子・霊的・因縁的な「網」を張り巡らせ、引っかかったものを知覚し、絡め取る。網の糸が少しでもあれば、彼を瞬時に移動させたり、分身を出現させたりできる。また使い魔として無数の小さな灰色の毒蜘蛛を放ち、情報収集や暗殺を行う。
【Weapon】
宝具。拘束して無力化したところを毒蜘蛛の群れに襲わせて殺す。直接的な戦闘は好まず、陰謀の網に絡め取って殺し合わせるのが好み。
【人物背景】
フランス・ヴァロワ朝の王。1423年生まれ、在位は1461-1483年。「慎重王（le Prudent）」のあだ名で呼ばれ、百年戦争後のフランスを再建した名君。彼の敵からは「遍在する蜘蛛（l'universelle araigne）」と呼ばれた。
父はシャルル7世、母はマリー・ダンジュー。1436年にスコットランド王女マーガレットと結婚したが、1445年に子をなさぬまま死別した。1439-40年と1448年には父の退位を謀ったが失敗し、1451年に8歳のシャルロット・ド・サヴォワと再婚。1461年に38歳で即位すると策謀を巡らして各地の諸侯から権力を削り、王権の強化につとめた。特にブルゴーニュ公シャルルとは権謀術数の限りを尽くして戦い、ともに英国の内戦（薔薇戦争）にも介入、スイス軍と手を組んで1477年シャルルを戦死させ、ブルゴーニュの大半を併合した。1483年に60歳で崩御し、子のシャルル8世が跡を継いだ。
彼は賢明で文化的な王であり、騎士道精神を好まず、戦争より外交や政治的陰謀を用いて敵を分裂・弱体化させ、国内平和を保ちつつ中央集権を進めた。初期の印刷術を庇護し、養蚕の普及や鉱山開発を行って産業開発につとめた。また科学に興味を持ち、「死刑囚は生きたまま解剖されて医学の発展に寄与すべし」との勅令を発した。ただ占星術師や聖遺物に取り囲まれた迷信深い一面もあり、珍しい動植物などを蒐集する癖があった。1469年には初めて屋内用ビリヤードテーブルを作らせたという。フィレンツェの僭主ロレンツォ・デ・メディチとは文通している。
彼に接続しているのは、クトゥルフ神話小説『七つの呪い』に登場する蜘蛛の神アトラク＝ナクアである。この神は人間ほどの大きさを持つ蜘蛛の姿をしており、真紅の目と黒檀色の毛で覆われた体を持ち、地底世界ン・カイの深淵の谷間に巨大な巣を張りつつ、永遠の幽閉期間を送っている。彼はツァトゥグアとともに土星から飛来した存在で、古代フェニキアで信仰されたこともあるという。「灰色の織り手」という多足種族が彼に従属しており、チィトカアがその長である。ドリームランドのレン高原に生息する紫色の大蜘蛛も、その眷属とされることがある。
フォーリナーとしての外見は、黒い髪と真紅の目を持った邪悪な美青年。王太子時代に蒐集した聖遺物の中に蜘蛛神アトラク＝ナクアのものがあり、魅入られてしまった。キャスター、アサシン、ルーラーの適性も持つ。
【サーヴァントとしての願い】
本体であるアトラク＝ナクアの解放。
【方針】
聖杯狙い。直接戦闘することは避け、陰謀の網を張り巡らし、敵同士を戦わせて戦略的に勝利する。手駒となる愚鈍な味方も増やしておく。
◆
【マスター】
チョコラータ＠ジョジョの奇妙な冒険第五部
【Weapon・能力・技能】
『グリーン・デイ』
破壊力：A スピード：C 射程距離：A 持続力：A 精密動作性：E 成長性：A
緑色の殺人カビを放出するスタンド。カビは生物を無差別に（本体や味方は除外可）侵食し、その肉体をボロボロに崩壊させて殺してしまう。カビが撒き散らされている空間では、生物が「下」に移動すると猛烈な勢いで侵食されるが、「上」に移動すればカビに襲われずにすむ。有効射程距離は本体から数メートル程度だが、カビで死んだ生物を媒介にすることで、感染範囲をほぼ無制限に（大都市を覆うほどに）広げることが可能。高い場所に陣取ってカビをばらまけば、そこから下にいる生物を無差別・無制限・自動的に殺戮可能である。非生物や死体には感染しない。スタンドは近距離パワー型で、拳のラッシュを食らわせれば相当なダメージを与えることができる。
『肉体解体』
自分の肉体をメスで解体し、カビで切断面を覆うことで意のままに肉体を操りトリッキーな攻撃を仕掛ける。縫合して合体することも瞬時に行える。
【人物背景】
漫画『ジョジョの奇妙な冒険』第五部に登場するスタンド使い。アニメでのCVは宮内敦士、ASBでは内田直哉。カビめいた形状の緑色の髪、隈取りめいた顔の模様、紫色の十字の刺繍が入った白い衣服が特徴。34歳、元医者。知能指数や知的好奇心は高いが、良心や罪悪感が欠如しており、人の死や痛みを観察するのが大好きな最低のゲス。絶望したヤツを見下ろす時に幸せを感じる極悪非道のマッドサイエンティスト。前向きな性格ではある。
【ロール】
都内の大学病院に勤める外科医。独身。地位もカネもある。
【マスターとしての願い】
とりあえず不老不死で不死身となり、快楽殺人を永久に続けたい。
【方針】
聖杯狙い。戦いや情報収集、隠蔽工作はフォーリナーに任せ、スタンドはとっておきの切り札とする。
【把握手段】
原作。
【参戦時期】
敗北後。
◆
◆
エクストラクラスの鯖をいろいろ考えたところ、面白そうなのが僕鯖とかにいたので拝借し、いろいろ捻って邪悪なフォーリナーにしてみた。こいつとコンビを組めそうなヤツはと考えたら、人の死と痛みを観察するのが大好きなやつがいたのでこいつにした。極道族と仲良くなれそうだが、スタンド攻撃が無差別なので自分以外はどうでもいいのだろう。発動すれば東京が滅ぶし、甚だ目立つので切り札としてとっておいたがいいかも知れない。
ところで、やはりしたらばに書き込みができない。仕方ないのでここに書いて置いておく。代理で投下できればしてくれ。だめならまあいい。
https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/12648/1648303280/
さて、これで合計8騎を投下し終えた。これぐらいにしておこう。二十三区聖杯の応募締め切りは5月15日末までだ。おまえも暇なら書いてみろ。
【以上です】
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