忍殺TRPGリプレイ【ネオ・サイバー・マッドネス】04
前回のあらすじ:ネオサイタマの武闘派ヤクザクラン「ハウリンウルフ」の構成員が、数日の間に何度も襲撃を受けて殺された。クランのオヤブンからの依頼を受け、ソウカイヤから派遣された2人のニンジャは犯人と遭遇!激闘の末になんとか無力化に成功したが……カラダニキヲツケテネ!
◆
「Wasshoi!」禍々しくも力強いシャウトが夜の街に鳴り響く!上だ!新たな影が高層ビルの屋上から飛び降り、回転着地!アイアンウルフたちとタタミ4枚の距離を置いて睨み合った!見よ、それはニンジャだ!赤黒の装束を纏い、黒鋼のメンポには禍々しい字体で「忍」「殺」と刻まれている!
彼は憎悪に燃える目で2人を睨み、ジゴクめいてアイサツを繰り出した。「ドーモ、ニンジャスレイヤーです。ソウカイニンジャ殺すべし!」
戦闘継続
8ターン目
「ドーモ、ニンジャスレイヤー=サン。アイアンウルフです」「と、トラッフルホッグです!なぜテメエがここに!?」「状況判断だ。オヌシらの事情は知らぬが殺す」ナムアミダブツ!以前ソニックブームを瀕死に追い込み、トコロザワ・ピラーを襲撃した、悪名高い「ネオサイタマの死神」だ!
同じニンジャとはいえ、圧倒的な実力差。戦えば死ぬ。遭遇したら極力逃げろと上からも指示されている。ここは「イイイヤァアアアーーーッ!」ニンジャスレイヤーはアイアンウルフへ飛びかかり、猛攻を繰り出す!食らえば危険!「ムテキ!」ガキィン!アイアンウルフは肉体を鋼鉄化させ弾く!
「「オタッシャデー!」」2人のソウカイニンジャは状況判断し、別々の方向へ連続側転で撤退しながらスリケン投擲!狙うはリンホとモニコだ!「イヤーッ!」ニンジャスレイヤーはスリケンを投擲し空中で撃墜!ワザマエ!「アイエエエ……」モニコは昏倒したリンホの傍らに這いずって移動する。
9ターン目
ニンジャスレイヤーは状況判断する。これはコトワザにいう「ツー・ラビッツ、ノー・ラビット」だ。アイアンウルフはムテキ・アティチュード使いであり、打ち倒すことは可能だが手間取る。ならば……トラッフルホッグからだ!「イイイヤァアアアーーーッ!」壁を蹴って反転し飛びかかる!
「え!?」トラッフルホッグは不意を打たれ、クロス腕防御SMAAASH!「グワーッ!」痛烈!のけぞって大きく体勢を崩す!だが彼もそれなりの手練れ、一撃では死なぬ!「アガッ……イヤーッ!」そのままバック転を繰り返しスリケン投擲!背後からはアイアンウルフが距離をとってスリケン!
「イヤーッ!」ニンジャスレイヤーは難なくスリケンの軌道を見切り回避!「く、クセモノダー!デアエ、デアエーッ!」トラッフルホッグは必死で逃げながら、周辺のクローンヤクザポストやソウカイネットに連絡する!これが組織の力だ!「クソが……!」リンホはモニコを抱き寄せ、息を荒げる。
10ターン目
「イイイヤァアアアーーーッ!」ニンジャスレイヤーは猛然とトラッフルホッグへ襲いかかる!狙うは突き出した腹と下腹部!どくん……!トラッフルホッグは迫りくる死神に恐怖し、ニンジャアドレナリンを過剰分泌させた。彼の鋭敏なニンジャ感覚は研ぎ澄まされ、ソーマト・リコールがKRAASH!
「グワ……アバーッ!」サツバツ!ブリッジ回避の直前、ニンジャスレイヤーの情け容赦ないキックがトラッフルホッグの無防備な股間を叩き潰した!目の前に火花が散り悶絶!アノヨが垣間見える!だがニンジャ耐久力でギリギリ耐えた!「アバッ……助けてくれ……アイアンウルフ=サァァァン!」
「イヤーッ!」アイアンウルフは必死でニンジャスレイヤーを追いかけスリケン投擲!「イヤーッ!」トラッフルホッグは……あえて道を駆け戻り、アイアンウルフの傍らに移動しながらスリケン投擲!「イヤーッ!」ニンジャスレイヤーはスリケンを投擲し撃墜!「2人まとめて死ぬがいい……!」
その時!「「「ザッケンナコラー!」」」「「「スッゾコラー!」」」周囲のヤクザポストからクローンヤクザ部隊が出撃!チャカガンを構えてニンジャスレイヤーを包囲する!
◆クローンヤクザ・チーム(種別:モータル/バイオ生物/クローンヤクザ)×2
カラテ 2 体力 3
ニューロン 1 精神力 1
ワザマエ 3 脚力 2
ジツ - 万札 1
攻撃/射撃/機先/電脳 2/ 3/ 1/ 1
◇装備や特記事項
●チャカガン・サンダンウチ:銃器、連射1、ダメージ1、回避H
●脆弱性:爆発/範囲攻撃(体力1)
能力値合計:6
11ターン目
「イイイヤァアアアーーーッ!」意に介さず!ニンジャスレイヤーは猛然とトラッフルホッグへ襲いかかる!「ムテキ!」ガキィン!アイアンウルフは必死でかばい防御!だがムテキ・アティチュードで耐えきれるのは残り1回が限度だ!「「イヤーッ!」」2人は牽制スリケンを投げつつ必死で逃走!
「「「ザッケンナコラー!」」」「「「スッゾコラー!」」」クローンヤクザ部隊も一斉に銃撃!アブナイ!「イヤーッ!」ニンジャスレイヤーは難なく見切り跳躍回避!タツジン!しかし!「!」別のクローンヤクザ部隊が、倒れ伏した2人の女子高生……リンホとモニコに銃口を向けている!
2人のソウカイニンジャは、ドブ川の傍らまで逃げている。あのまま飛び込めば逃げ果せるだろう。そして彼らを追えば、あの女子高生たちは死ぬ!まさに「ツー・ラビッツ、ノー・ラビット」!「ヌウ……」ニンジャスレイヤーは唸った。彼女らを見殺しにすれば、自分は邪悪なニンジャに堕ちる!
12ターン目
「イイイ……!」ニンジャスレイヤーはカラテを高め、瞬時に大量のスリケンを同時生成!「イイイヤァアアアーーーッ!」女子高生たちの近くまで跳躍し、竜巻めいて回転しながら全方位へスリケン乱射!暗黒カラテ奥義「ヘルタツマキ」だ!「「「アバババーッ!」」」クローンヤクザ部隊全滅!
「む、ムテキ!」ガキキキキキン!アイアンウルフは最後の力を振り絞り、ムテキ・アティチュードでスリケンの雨を弾く!「「イイイヤァアアアーーーッ!」」2人はスリケンの雨の勢いを利用し、柵を突き破ってドブ川へ飛び込む!ドボン……鋼の重量により、2人は川底の深いヘドロへ沈み込む。
撤退成功
「「「ザッケンナコラー!」」」「「「スッゾコラー!」」」ニンジャスレイヤーは後を追おうとするが、周囲から続々とクローンヤクザ部隊が集まって来る。追えば女子高生たちは死ぬ。彼は無言で2人の女子高生を担ぎ上げた。「う……」「イヤーッ!」赤黒の風は跳躍し、ビルの上へと去った。
戦闘終了
エピローグ
「そいつはまた……災難だったな」99マイルズ・ベイ、ソウカイ・シンジケート仮本部。這々の体で逃げ帰った2人から報告を受け、ソニックブームは苦虫を噛み潰したような表情をした。犯人の正体を暴き、ブチのめしたまでは良かったが、ニンジャスレイヤーに襲われたのならば……仕方あるまい。
「残りのクローンヤクザ部隊の報告によりゃ、女子高生どもは消えていたそうだ。ニンジャスレイヤー=サンが担いで逃げたか、他に協力者がいるか。面倒なことになったぜ」ソニックブームはため息をついた。「その妙なサイバネアームってのも気になるな。どっかの新兵器か?」「そこまでは」
「まあいい。そのモニコって女子高生の携帯IRC端末を探れば、なんか手がかりがつかめるだろうよ」「それがドブ川に落ちた後、故障してて」「調べればデータは抜ける。最近のIRC端末は頑丈なんだよ」「アッハイ」トラッフルホッグはおずおずと端末を差し出した。「よし」彼は端末を受け取る。
「そいつらがソウカイヤの追手から逃れようとするなら、ニチョームとかの中立地帯に入るだろうな。オナタカミあたりがケツモチなら、その傘下のシマだ。そこから出て来たなら、返り討ちにできる」「ハイ」「テメエらは、これからハウリンウルフに出向だ。ヨージンボになってこい」「アッハイ」
「ミッションは失敗とも言い切れねェが、犯人を捕縛や始末できなかったのは確かだ。オトシマエをつけさせてやる。クローンヤクザ部隊とか、暇してるニンジャもつけてやる。その女子高生がカチコミかけてきたら迎撃しろ。ニンジャスレイヤー=サンが出たら連絡しろ」「「ハイヨロコンデー!」」
かくしてハウリンウルフ・ヤクザクランはソウカイ・シンジケートの傘下に入り、ニンジャ戦力を貸し出されることになった。2人の女子高生は、そしてニンジャスレイヤーは、復讐を果たすことができるのだろうか……。
【ネオ・サイバー・マッドネス】終わり
リザルトな
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