忍殺TRPGリプレイ【スシ・オア・ダイ!】
ドーモ、三宅つのです。これはラブサバイブ=サンのソロシナリオ案「スタンド・レディ・トゥ・スシ」を元にしたリプレイ小説です。ネタバレにご注意下さい。
ソウカイヤのサンシタニンジャのお使いミッションとして、スシを調達するシナリオです。つの次元のソウカイヤにもサンシタはいくらかいますが、今回は彼にしましょう。
◆トラッフルホッグ(種別:ニンジャ)
カラテ 3 体力 4
ニューロン 3 精神力 4
ワザマエ 3 脚力 2/N
ジツ 1 万札 0
DKK 0 名声 1
攻撃/射撃/機先/電脳 3/ 3/ 4/ 5
回避/精密/側転/発動 3/ 3/ 3/ 7
即応ダイス:5 緊急回避ダイス:0
◇装備や所持品
▶生体LAN端子LV1:ニューロン判定ダイス+2、イニシアチブ+1
▷ジツ支援サイバネ:ジツ発動ダイス+3
◇ジツやスキル
☆謎めいたニンジャソウルLV1:体力と精神力+1
☆◉異常嗅覚:ステルス・ジツ無効化、ジツ判定で調査可能
能力値合計:11
申し分のないサンシタですね。……ところで、シナリオの根幹に関わるのですが、こんなサンシタにわざわざ接待用のスシを用意させなくても、ソウカイヤには熟練の専属イタマエが何人もいるはずです。気にしなくても構いませんが、つのは気になったので少々改変します。では、始めます。
◆◆◆
ダンゴウ
ネオサイタマ東部、99マイルズ・ベイ。オムラ・インダストリ本社と物理的に癒着した黄金鬼瓦ツェッペリンの上には、天守閣が聳え立ってあたりを睥睨し、多数のマグロ・ツェッペリンが飛び回って常に警戒態勢を敷いている。ここはネコソギ・ファンド仮本社兼ソウカイ・シンジケート仮本部だ。
「おう、トラッフルホッグ=サン。ちょいとお使いを頼むぜ」ソウカイヤ・スカウト部門筆頭のソニックブームは、呼び出された小太りのニンジャにそう告げた。「アッハイ」トラッフルホッグはペコリとオジギ。少し見ない間に、ソニックブームは右目に眼帯をしていた。なんたる威圧感か。
「スシがいる。そこそこ高級なやつがな」「スシ?天守閣にもオムラ本社にも、熟練のイタマエがいますが」トラッフルホッグは訝しんだ。「わかってる。これはテメエへのテストだ。裏や表の社会でうまくやっていけるか、組織に馴染めるかのな」ソニックブームは封筒に入った札束を投げ渡した。
「万札が12枚ある。それで天守閣やオムラ本社以外から、スシを用意してこい。釣りはテメエのモンだ」「アッハイ」「だが、下層労働者が昼メシに食うようなスシを出したらケジメだ。時間までに準備しろ」「アッハイ……」「とっとと行け。それが俺様の昼メシになる」「ハイヨロコンデー!」
トラッフルホッグは深々とオジギし、スカウト部門事務所を飛び出した。時刻はまだ午前中だが、急がねば昼食には間に合わないだろう。「テスト、ねえ……」さて、このカネをどう使ったものか?
???
選択肢はいくつかある。イタマエを呼んで握ってもらうか、高級スシ・デリバリーをオーダーするか。トラッフルホッグにカチグミ向けスシ屋の知り合いなどはいないが、自分はソウカイヤのエージェントだ。クロスカタナ紋をちらつかせればよかろう。ただ、報酬は支払わねばソンケイにかかわる。
トラッフルホッグの行動は、生体LAN端子に仕込まれた盗聴器でソニックブームにツツヌケのはずだ。となると、ソウカイヤのソンケイやメンツにかかわる悪行はヤバい。彼の乏しい知能でもそれぐらいはわかる。狂人や無知能なサンシタならこの時点で脱落だ。その程度の信頼はあるわけだ。
「……まあ、デリバリーで頼めばいいか」トラッフルホッグはIRC端末を操作し、カネモチ・ディストリクトの高級スシ・デリバリーを検索した。ソニックブームが納得するような品質となると、やはり万札10はかかる。釣りは万札2。それが報酬となるなら、悪くはない。「……じゃ、早めに頼むぜ」
『ハイヨロコンデー!』イタマエのイナセな声がIRC端末に返った。後はのんびりとスシを待つだけだ。だが……BBBBB!IRC端末に先程のスシ屋から着信だ。「モシモシ。どうした?」『す、スミマセン!み、店の中に、武装アナキストが!これじゃ出前が……!』「なんだと!?」『た、助けて!』
トラッフルホッグは舌打ちした。別の店に頼んでもいいが、どこも定休日だったり遠かったりで間に合わない!天守閣やオムラ本社のイタマエに頼めば早いが、気づかれれば制裁されるだろう。ならば……「わかった、すぐに助けに行く!アナキストは何人だ!」『アイエエエ!さ、三人です!』
???
「ウオーッ!スシか死か!」「カネモチはスシ食うな!死ね!」カネモチ・ディストリクトの高級スシ店「コロ・スシ」の中で、銃器で武装したアナキストたちが気勢を上げている。「おい、マブだぜ!」「マブ!」薬物でラリったアナキストたちは、逃げ遅れたオーエルをひとり捕まえた!
「ちょっとやめないか!」勇敢な市民が進み出て制止を試みる!「黙れ!資本主義の犬め!」BRTTTTT!「アバーッ!」ナムアミダブツ!「アイエエエ!」「マッポはまだか!」悲鳴を上げる市民たち!おおブッダよ、まだ寝ているのですか!……その時だ!「イヤーッ!」色付きの風が飛び込んだ!
戦闘開始
SMASH!「アバーッ!」オーエルを捕まえていたアナキストの額に鋼鉄の星が突き刺さった!ニンジャの投擲武器スリケンだ!「テメッコラー!ドーモ、トラッフルホッグです!」「アイエエエ!?」「ニンジャ!?」オーエルや市民たちは恐慌を起こして逃げ散る!だがアナキストたちは!
「「暴力革命ーッ!」」BRTTTTT!薬物の力でNRSは軽微!アサルトライフルで銃弾の雨を降らせる!「イヤーッ!」「アバーッ!」トラッフルホッグは紙一重で銃弾を躱し、さらなるスリケンを投擲してアナキストを殺す!「ウオオオーッ!」BRTTTT!「イヤーッ!」「アバーッ!」全滅!
「シューッ……!」ザンシン!なんたる強さ……これがモータルとニンジャの戦力差だ。トラッフルホッグはキリングオーラを立ち昇らせ、血の海に沈んだアナキストたちを睨む。「手間かけさせやがってよ、クソどもが……!」腹いせとばかり、彼はアナキストたちの懐を探り、金目のものを漁った。
……だが、その時!『ピガーッ!ターゲトーを排ジョーしまーす!』耳障りな電子音声とともに、店の奥から二足歩行の旧型戦闘兵器が出現!コックピットにはアナキストの一味らしき人影が!『よくも革命の同志たちを!今すぐ貴様を徹底的に自己批判させたうえで総括してくれる!』一触即発!
戦闘再開
戦闘兵器は銃口をこちらに向け威嚇する。駆け出しニンジャのトラッフルホッグなら、数発喰らえば死んでしまうだろう。ならば!「イヤーッ!」トラッフルホッグはイクサの嗅覚を働かせ、色付きの風と化して接近!素早いカラテを叩き込む!SMASH!『ピガーッ!』『お、オノレ!革命勝利!』
パイロットは錆びついた戦闘兵器を操作し、距離を取って機関銃を発射!BRTTTTT!BRTTTT!「イヤーッ!」トラッフルホッグは側転回避!銃火の雨をかいくぐり、渾身のカラテで応戦する!「イヤーッ!」KRASH!『ピガーッ!』BRTTTT!「イヤーッ!」BRTTTTTT!「イイイヤァアアアーーッ!」
KRAAASH!怒り狂ったイノシシの如き荒々しいカラテが炸裂し、戦闘兵器の急所を……パイロットの頭を叩き割った!「あ、アバーッ!革命万歳ーッ!」KABOOOOM!戦闘兵器はパイロットごと爆発四散!インガオホー!
戦闘終了
「フシューッ……!」トラッフルホッグは荒い息を吐き、金目のものを回収する。「あ、あの……」「ア?」「す、スシが、できました」イクサの狂熱から戻ってみれば、注文しておいた高級デリバリー・スシセットを持ったイタマエだ。「……おう。こっちも片付いた。これで阻むものは何もねェぜ」
トラッフルホッグは目を細める。「じゃあ、デリバリーだ。昼メシにはまだ時間がある!」「ハイヨロコンデー!」イタマエはスシ桶をデリバリーバイクにセットし、自らこれにまたがった。中身が撹拌されることのない特殊な機構だ。トラッフルホッグはバイクの後ろにまたがり、護衛となる。
「飛ばせ!」「ヨロコンデー!」ガオオオオン!デリバリーバイク発進!
エピローグ
「オマタセシマシタ!コロ・スシです!」スカウト部門事務所に、高級デリバリー・スシセットが無事到着した。「来たか」「じゃあ、代金はこれで」「アリガトゴザイマス!またご贔屓に!」イタマエは笑顔でオジギして代金を受け取る。「待ちな」ソニックブームは机からゆらりと立ち上がる。
「アイエッ」「ドーモ、コロ・スシ=サン。まずは味を確かめさせてもらうぜ……」「は、ハイ」仕事疲れでやつれたソニックブームは、黒檀のスシ桶にふらふらと近づき、備え付けのオテフキで手を消毒する。それから小皿にショーユを入れ、ワリバシを割り、タマゴ・スシを取って……食べた。
「……旨い」イタマエとトラッフルホッグは、ほっと胸をなでおろす。どうやら彼のメガネにかなったようだ。「良いスシだ。合格」「「アリガトゴザイマス!」」深々とオジギ!ソニックブームは領収書を受け取り、サインした。「コロ・スシ=サン。覚えとくぜ」「アリガトゴザイマス!」
……こうして、トラッフルホッグは見事にソニックブームのテストに合格し、ついでに武装アナキストたちを掃除した。だが彼はまだまだ駆け出し、モータルにもともすれば不覚を取りかねないサンシタだ。お釣りの2万円とアナキストたちから奪ったカネを元手に、一層鍛錬しなければ!
【スシ・オア・ダイ!】終わり
リザルトな
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