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忍殺TRPGリプレイ【トレジャー・イン・ユア・ハンズ】

邦題:宝は君の手に(Treasure in Your Hands)

 ドーモ、三宅つのです。これは、くりーむ=サンのシナリオ案「ネオサイタマ財宝伝説」を元にしたリプレイ小説です。ネタバレにご注意下さい。

 埋蔵金を求めて各地を冒険するソロシナリオです。つのの次元では、武田信玄の埋蔵金を探し求めているニンジャがいますので、彼にしましょう。

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◆フェリクローム(種別:ニンジャ)
カラテ       3>4  体力        4>5
ニューロン     3>4  精神力       4>5
ワザマエ      4>5  脚力        2>3
ジツ        1    万札       55>31
DKK       0    名声        3

◆装備や特記事項
☆ムテキ・アティチュードLV1:精神力1を消費し発動(NORMAL)
 回避判定の代わりに使用し、ダメージ軽減1を得る
▶クロームハートLV1:体力と精神力+1
◆カタナ
 ●戦闘スタイル:強攻撃 攻撃難易度+1、痛打+1、連続攻撃上限3
 ●戦闘スタイル:精密攻撃 ワザマエで攻撃判定、痛打なし
  出目666で殺伐、出目6666でナムアミダブツ
○サイバネ賞金稼ぎ:重サイバネの死体から万札1、ボス級なら5
 ◉知識:重工系メガコーポ、サイバネティクス
 ◉交渉:威圧

能力値合計:12>15 回避ダイス:4>5
 前回の冒険でラオモト=サンに無慈悲な殺戮行為を褒められ、万札50、名声2、余暇4日を獲得しました。能力値的にはできたてのサンシタなので、有難く鍛錬しましょう。万札6でカラテ、ニューロン、ワザマエをそれぞれ鍛え、[12][63][33]カラテのみ失敗。もう1度、[21]=3+1=4>3成功。万札24を消費して多少強くなりました。

 カネの残りはまだありますが、彼は埋蔵金伝説を信じており、それを探し出すことを生き甲斐のひとつとしているので問題ありません。ラオモトに評価されたことでタケダチック・アガキ社の重役が彼を気に入り、埋蔵金探索のミッションを命じたのでしょう。では、始めます。

◆◆◆

 平安時代末期、戦国時代に活躍した武将・武田信玄。東軍総大将徳川家康に仕え、セキバハラで起きた江戸戦争の決戦において、騎馬軍団を率いて西軍と戦った、日本では最も有名なウォーロードである。彼の銅像や名を記した看板やノボリは各地に存在し、紙幣にも彼の肖像が印刷されている。

 彼はミヤモト・マサシと並ぶ兵法家としても尊敬されている。またキョートの人間ならば誰でも「武田信玄がセキバハラの地下に莫大な埋蔵金を遺した」との伝承を知っているであろう。一方ネオサイタマでは、東軍の本拠地である江戸、現ネオサイタマ付近に埋蔵金を遺したとする説が根強い。

 ネオサイタマ西部に位置するコーフ盆地は、武田信玄が生まれ育った地であるとされ、南にあるフジサンとともに、武田信玄の埋蔵金のありかとして最も有力視される地域のひとつだ。この地域の中心地であるコーフ・タウンには、武田信玄を信奉するタケダチック・アガキ社の本社が存在する。

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「……というわけで、君には武田信玄の埋蔵金を探してもらう」同社社屋、ブリーフィング・ルーム。戦国時代の兜とメンポを装着し、サラリマン・スーツを着込んだ同社CEOノブ・タケダは、所属ニンジャのフェリクロームへそう命じた。「ハイ。何かそれに関する情報を入手されたのですか?」

「そうではないが、ニンジャである君の能力を試したいのだ。首尾よく見つかればよし、見つからずとも何か情報を掴めば、相応の報酬は出す。期限は本日より1週間。よろしく頼むよ」「ハイ!」サラリマンにとって、上司の命令は絶対だ。たとえニンジャであり、上司がモータルであっても。

情報収集

 ブリーフィング・ルームを出たフェリクロームは途方に暮れた。武田信玄の埋蔵金伝説には無数のバリエーションがあるが、未だに発見されたことはないという。闇雲に探したところで見つかるはずもない。まずは情報を集めて吟味するとしよう。期限は1週間。その半分を情報収集に当てよう。

4D6を振り、4日間どのような情報収集を行うか決める。[6664]。伝説を追う熱狂的な埋蔵金フリークを発見し、具体的な情報を得る(3日間)。続いて大学教授などの知識人にインタビューを行う(1日)。難易度HARDで調査判定し、成功数ぶんの「情報ダイス」を獲得できる。情報ダイスは初期値が1であり、情報を集めるごとに増える。探索時にそれを振って判定する。

 タケダチック・アガキ社は武田信玄を信奉しており、そのたぐいの情報は溢れている。インタビューの相手にも事欠かない。アマチュアだけでなく、ネオサイタマ大学の教授など、プロフェッショナルへのインタビューも必要だろう。「まずは……埋蔵金フリークのIRCチャンネルをチェックするか」

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ニューロン判定、難易度HARD。4D6[6451]3成功。情報ダイス+3。ワザマエ判定、難易度HARD。5D6[21313]失敗。カラテ判定、難易度HARD。4D6[3551]2成功。情報ダイス+2。合計情報ダイス6。

 ……3日が経過し、段々情報が集まってきた。やはりコーフ盆地周辺やフジサン付近、特に樹海などにあるという情報が多いようだ。続いて、フェリクロームはコーフ盆地の外れにある邸宅を訪ねた。元ネオサイタマ大学考古学教授レジロ・ハイエダの家だ。彼は実際埋蔵金について論文を書いている。

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礼儀を欠かさぬよう、アポは取っている。アカデミックな人物に対して暴力的なインタビューを行えば社の株価に影響する。「ドーモ、タケダチック・アガキ社から来ました。テツタニ・クロムラです」「ああ、君か。武田信玄の埋蔵金について聞きたいそうだね。入りたまえ」「ヨロコンデー」

ワザマエ判定、難易度HARD。5D6[54262]2成功。情報ダイス+2、合計8。

「……知っての通り、武田信玄は日本各地に埋蔵金を持っていた。セキバハラにも、コーフにも、フジサンにも、中国地方にも。それは当然で、彼は金鉱山を抑えていた。ニンジャを使役したとか、ムカデに導かれたといった伝説もあるが、これらはスパイや鉱夫を使ったことを示しているに過ぎない」

 ハイエダは書斎の本をいくつも紐解きながら、基本的な知識をレクチャーしていく。フェリクロームは黙って聴いている。「……そして、武田信玄の元武将バイセツ・アナヤマを殺した盗賊モロズミは、懐から埋蔵金のありかを暗示した手記を奪い取った。三分の一は彼の手に入ったが……」

 ハイエダは息をついた。「すぐにモロズミも殺され、黄金は何者かによって、フジサンの麓のいくつかの湖に投げ込まれたという。しかし、手記の当該部分はモロズミがちぎり取って槍の柄に隠し、代々に伝えた。大正時代にこれが発見され、子孫のヨシロ・モロズミ氏が探索に出たが……」

 ハイエダは水を飲んだ。「何者かに殺されたという。おそらく番人が存在するのだ。ニンジャなどという荒唐無稽な存在ではなく、誰かが代々、埋蔵金を守る役目を引き継いで……」フェリクロームは口を開いた。「それで、先生はどこだとお考えですか」「フジサンの西、ミノブ地方

 ハイエダはおかしな目つきで答えた。「ミノブ・マウンテンの東、フジカワ・リバー左岸の何処かに、埋蔵金のひとつがあるはずだ。私はそれを突き止めた。だがあそこはパンダやグリズリー、ゴリラが群れをなして横行する非文明の地となっている。逃げ足に自信があれば探して見るといいだろう」

「わかりました。アリガトゴザイマシタ」フェリクロームはオジギし、ハイエダと握手した。「頼んだぞ。知っての通り、武田信玄は日本各地に埋蔵金を持っていた。セキバハラにも、コーフにも、フジサンにも……」ハイエダは壊れたレコードのように、同じ話を繰り返している。彼は狂っていた。

探索:1日目

情報収集フェイズで得た「情報ダイス」を振り、出目5以上が出た数によって行動決定。元シナリオでは出目6以上だが、何も起こらない確率が高いのでこうする。1日目は8D6[52354325]=3、敵対存在と遭遇。元シナリオだとニンジャスレイヤーとの遭遇だが、デッドリーすぎる。

 コーフ盆地の南西、フジサンの西、ミノブ地方。紙幣にもあるブディズムの聖人、セイント・ニチレンゆかりの聖地であるが、その巨大なテンプルは遺跡となり、胡乱なヤマブシ・カルトなどの巣窟となっている。また山中にはバイオパンダやグリズリー、バイオゴリラなどが闊歩し、危険である。

 季節は11月、麓は見事な紅葉に彩られているが、高山地帯には雪もちらつく。フェリクロームは防寒具を着込み、登山装備や撮影機器を持ち、この地へ足を踏み入れた。残り期限は3日。埋蔵金そのものの発見は困難でも、少しでも情報を持ち帰らねば上司は納得するまい。ニンジャの力を示す時だ。

 ……その時!「ウォルルル……!」ナムサン!血に飢えた猛獣バイオパンダが、彼の行く手を遮った。

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◆バイオパンダ(種別:危険生物)
カラテ       7    体力        9
ニューロン     1    精神力       2
ワザマエ      3    脚力        4
ジツ        -    万札        3

◆装備や特記事項
●腕と爪:ダメージ2(1+痛打1)
●連続攻撃2
●拘束攻撃(脱出難易度HARD)
◉頑強なる肉体:体力+2
◉ベアハッグ:拘束した敵へ手番開始時に回避不能ダメージ2

 ニンジャでも、一対一でさえ危険な相手だ。体力や精神力は温存したい。ここは撤退するのが吉だろう。フェリクロームはじりじりと退く。

連続側転、難易度HARD。5D6[14661]成功。

「イヤーッ!」彼は連続側転で谷間を飛び渡り、バイオパンダの襲撃を逃れた。その後も探索を続けたが、結局この日は何も発見できなかった。

探索:2日目

8D6[24426412]=1。何かを獲得。

 翌日。フェリクロームは探索を再開した。ハイエダから聞き覚えた「バイセツの手記」の内容を暗唱する。「隠し湯の湧きて流るる窟穴を、のぼりて指せや地蔵小坂……」武田信玄の隠し湯、すなわち密かに通った温泉は各地にあるが、このあたりではシモベという温泉がある。

 すなわち、シモベ温泉の源泉付近から見える場所だろう、とまであたりはついている。問題は「地蔵小坂」だ。「朝日夕日、月に照る、岩打て岩打て地蔵も打て……」この歌からすれば、オジゾウが隠し扉を塞いでいるのだろうが、ブディズム盛んなこの地にオジゾウ・スタチューは無数にある。

「竹に千歳の色添えし、梅が雪見の酒なりし、千代に八千代に栄えます、黄金の口ぞ汝に聞かむ……」溶けた黄金を竹筒に流し入れて固めた「竹流し」なる戦国時代の金塊が、いくつか見つかっている。「梅が雪見」とは黄金を隠したとされるバイセツのことだろう。果たして、どこに。

 シモベ温泉の源泉まで来たフェリクロームは、ニンジャ視力で周囲の山々を見渡す。どこかにオジゾウ・スタチューがあるはずだ。

ニューロンかワザマエ判定、難易度HARD。5D6[51134]成功。ニューロン+ジツ判定、難易度HARD。5D6[22416]成功。

「……あれか?」南東の山の中腹に、古く小さなオジゾウが見える。シモベ川を遡ったあたりだ。荷物を背負い、ニンジャ脚力でそこへ駆けつける。何の変哲もないオジゾウだが、押せば動く。その背後に、小さな洞窟。岩を人の手で掘った跡がある。身をかがめて奥へ進むと、またオジゾウがある。

 オジゾウの額には「」と書かれている。「……怪しいな」これを横に動かすと、さらに洞窟が続いている。「岩打て岩打て、地蔵も打て……」伝承にある通りだ。オジゾウの裏側に、武田信玄が作らせたという黄金のコインが一枚落ちている。貴重な歴史的資料だ。持ち帰るとしよう。

 そして、「戌」とは何か。バイセツの手記を解読したヨシロ・モロズミによると、埋蔵金は本丸口、戌の口、辰の口という3つの場所に分けて置かれたという。日本人が方角を表す伝統的符丁では、戌(犬)は北西、辰(龍)は南東を指す。シモベから南東へ向かい、北西入口に着いたということだ。

 盗賊モロズミが黄金を手に入れ、フジサンの麓へそれが投げ込まれたというのなら、彼が発見した場所はここからさらに南東、「辰の口」だったのだろう。彼の子孫ヨシロが発見したのも、おそらくは。ならばこちらは手つかずの財宝が眠っている可能性がある。奥へ進めば本丸口に至るかも知れぬ。

 フェリクロームは期待に胸を膨らませ、周囲の様子を撮影する。IRC通信は山奥過ぎて通じない。この場所を報告すれば、相応の報酬が見込めよう。

探索:3日目

8D6[24262115]=2、何者かと遭遇する。

 最初のオジゾウの付近でキャンプして食事をとると、いよいよ洞窟の奥へアタックする。ニンジャ視力で暗闇を見透し、進むこと数時間。上部の壁に「戌」と刻まれた穴がある。人ひとり屈んで歩けるほどの高さだ。そこへ近づくと、不意に物陰から何者かが現れた。『ARRRRRGH……!

それは、戦国時代の甲冑を着込んだ武者のようだ。かなり大柄で、手には禍々しいバスタード・カタナブレードツルギを構えている。メンポの奥には超常的な色彩の眼光が爛々と輝く。『ウウウウウオオオオオ……!』人間でもニンジャでもない。これが番人というわけだ!

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◆ケンドー・オートマトン(種別:戦闘兵器/超常存在)
カラテ       6    体力        8
ニューロン     1    精神力       -
ワザマエ      1    脚力        3
ジツ        -    万札        4

◇装備や特記事項
◆バスタード・カタナブレードツルギ:近接武器、連続攻撃2、ダメージ2
 攻撃難易度:HARD
●非テック存在:ハッキング無効、脆弱性なし

 モータルであれば、このような超常存在に襲われればひとたまりもあるまい。だが、ニンジャであればどうだ。フェリクロームは自らのカタナを抜いて構え、オートマトンと対峙した。一触即発アトモスフィア!

戦闘開始

イニシアチブ:フェリクローム/FC(4)→ケンドー・オートマトン/KA(1)

1ターン目

「ナムアミ・ダ・武田信玄!イヤーッ!」フェリクロームはカタナを振り上げて斬りかかる!

強攻撃、難易度HARD。4D6[2155]成功!KAへ痛打+1、2ダメージを与える。KAの残り体力6。

ARRRRRGH……!』命中!オートマトンはうめき声をあげ、両手でバスタード・カタナブレードツルギを構えると、凄まじい勢いで繰り出す!

3D6を2つ、難易度HARD。[411][312]失敗!

 斬撃は空を斬り、地面を撃つ!CRACK!蜘蛛の巣じみた亀裂が岩に走る!命中すればニンジャといえど重傷必至の威力だ!

2ターン目

「イヤーッ!」続けてフェリクロームがカタナ攻撃!

強攻撃、4D6[4322]失敗。KAは[452][152]2発成功。ダメージ2なのでムテキで受けても体力に2ダメージが来る。2D6と3D6で全力回避![24][133]1発命中!残り体力3!アブナイ!(ムテキは回避判定の代わりに用いる)

 ガキン!斬撃は堅固な甲冑に阻まれる!『ARRRRRGH……!』オートマトンの反撃!「グワーッ!」命中!フェリクロームにはニンジャのジツである「ムテキ・アティチュード」があるが、まだ未熟であり、高威力の攻撃は防ぎきれない。このままでは危険だ!「ならば、スリケンと行くか!」

3ターン目

「イヤーッ!」フェリクロームはカタナを鞘に収め、連続側転で距離をとりスリケンを投擲!相手は遠距離戦に弱い!

5D6[53261]5D6[43156]成功。KAの残り体力5。KAは大股で歩き近づくが、脚力3なのでFCまであと3マス。

ARRRRRGH……!』タケダチック・アガキ社謹製のスリケンが命中!オートマトンは大股で歩き近づくが、攻撃は届かぬ距離だ!このまま距離を保ちスリケンを投げ続けるべし!「これがフーリンカザンだ!」

4-6ターン目

FCは3マス下がりスリケン、5D6[36163]命中。KAは残り体力4、3マス近づくが届かず。FCの背後は壁、連続側転&スリケン。5D6[23166]5D6[65221]成功、KAの残り体力3。KAは3マス近づくが届かず。FCは3マス離れスリケン、5D6[42651]成功、KAの残り体力2。KAは3マス近づくが届かず。

「イヤーッ!」『AARGH!』「イヤーッ!」『AARGH!』「イヤーッ!」『AARGH!』一方的にスリケンで攻撃され続けるオートマトン!だが、その時だ!「うるッせえなァ!なんだ、テメエは!」嗄れた老人の声が洞窟の奥から響き渡った。「俺のオートマトンをいじめんな!ニンジャか?」

 ぬうっと「戌」の穴から姿を現したのは、胡麻塩頭の痩せた老人だ。肌は黒く日焼けしており、手には缶ビール。浮浪者じみたボロボロの風体だが、腰に黒帯を締めている。眼光は赤黒く炯々としており、ただならぬアトモスフィアを放つ。「ドーモ、マスターヴォーパルです」

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 ハブ・ニンジャことマスター・クソジジイ=センセイです。フジサンの樹海にドージョーを持っていますが、ここにも秘密の入口があるのでしょう。

「ど、ドーモ、フェリクロームです」アイサツを返す。マスターヴォーパルが指を鳴らすと、オートマトンは戦いをやめ、その場にうずくまった。「どこのニンジャだ」「アイエッ、タケダチック・アガキ社です」「ああ、なるほど。武田信玄の埋蔵金を求めて来たってわけか」「アッハイ、そうです」

もうねェよ。俺が手に入れたからな。欲しけりゃ俺を殺して奪い取ってみろや。そんなカラテもなさそうだが」マスターヴォーパルはつまらなそうにフェリクロームを睨むと、缶ビールをカラにし、クシャッと握りつぶすと投げ捨てた。「やるか?」「…………!」フェリクロームは状況判断する。

ニューロン+ジツで判定、難易度HARD。5D6[63254]成功。

 目の前のニンジャは、凄まじいカラテを秘めている。ひと目でわかった。今の自分では逆立ちしても勝てない。殺されるだけだ。「……やめておきます」「ケッ、そうかよ。じゃあ帰んな。報告してもいいが、暗黒メガコーポが束になって攻めて来ても、皆殺しにするぐれェ出来るぜ。わかったか」

「アッハイ」フェリクロームはハンズアップした。「真面目か!サラリマン野郎がよ!」マスターヴォーパルは唾を吐き捨てると、踵を返して洞窟の奥へ去って行った。彼のドージョーがあの奥にあるのだろう。フェリクロームは脂汗を流して震え、深々とオジギすると、その場を後にした。

戦闘終了、探索終了

エピローグ

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「……なるほど。強大なニンジャのすみかになっており、それ以上先へは進めなかったと」「ハイ。申し訳ありません」タケダチック・アガキ社CEO、ノブ・タケダの前に、フェリクロームは深々と頭を下げる。「まあいいだろう。君の状況判断は間違っていなかった。死なずに戻って来たのだから」

 ノブ・タケダはグンバイを手に頷く。「合格だ。埋蔵金を持ち帰れなかったのは残念だが、君が粗暴なだけの邪悪なニンジャとは一線を画することはわかった。武田信玄も言っている。『人は城、人は石垣、人は堀。情けは味方、仇は敵なり』と。カネはいつでも手に入る。人材こそが宝なのだよ!」

 彼の背後で「フーリンカザン」のノボリがはためいた。「すでに私は君という宝、信頼できる人材を持っている。これを活かすのが私の仕事だ。ではこれからもよろしく頼むよ」思いやりに満ちた言葉をかけられ、フェリクロームは感涙し、平伏した。「あ、アリガタキシアワセーッ!」

 ノブ・タケダはモータルながら優れた人物であり、武田信玄の末裔を称している。彼が健在である限り、タケダチック・アガキ社も安泰であろう。

【トレジャー・イン・ユア・ハンズ】終わり

リザルトな

評価:B 埋蔵金のありかを発見したが、手に入れることはできなかった。万札10、名声+1、余暇4日を獲得。

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