忍殺TRPGリプレイ【フーズ・アフレイド・オブ・ザ・ニンジャ?】02
前回のあらすじ:レッドイノシシ・ヤクザクランからソウカイヤへの上納金を、三人のヤクザが盗んで逃げ出した。集金に来たソウカイニンジャ・アイアンウルフは、彼らを捕まえてカネのありかを突き止めるべく追跡を開始する。二人のヤクザは始末したが、残る一人は?カラダニキヲツケテネ!
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ユミヅルはぐったりとして動かない。「起きろ、ユミヅル=サン。カネはどこだ。そして仲間の居場所を吐け」アイアンウルフは彼の首を締め付け、無慈悲にインタビューする。「アバッ……言うか、よォ!」彼は不敵に笑ってそう言い放つと、脳内UNIXで自爆装置のトリガーを引いた!
「アバヨ!」KABOOM!ナムアミダブツ!「ちいッ……!」アイアンウルフは無傷だが、手がかりの一つが消えた。カネも、残る一人のヤクザも……しかし、諦めるわけにはいかない!彼は崩れ落ちた小屋を探索する!……やがて、壊れかけたUNIXやIRC端末が、かろうじて発掘できた。
さらにユミヅルのサイバネや脳内UNIXの断片を調べ、取得できたデータをソウカイヤの電脳部門へ送信する。瞬時にレスポンス。三人のヤクザの最後の一人、ジツヨウ=サンの行く先は……ネオサイタマ南部、レンガ造りの倉庫が立ち並ぶ埠頭地域だ!急がねば高跳びされてしまう!走れ!
第三のヤクザ
早朝。暗い空から重金属酸性雨がしとしと降る中、アイアンウルフは埠頭地域にやって来た。あちこちで港湾労働者たちが忙しく立ち働き、フォークリフトを動かして貨物の上げ下ろしを行っている。彼らは暗黒メガコーポやヤクザクランの支配下にあり、ソウカイ・シンジケートとも繋がりがある。
アイアンウルフは前回と同じく、労働者管理事務所に潜入してUNIXを調べる。ユミヅルがIRCで通話していた相手は、確かにここにいるようだ。だが逆探知を察知されたか、携帯IRC端末は破壊され、捨てられていた。用心深い男のようだ。となると……誰かにインタビューするしかあるまい。
アイアンウルフは管理事務所の事務員や労働者にジツヨウの写真や個人情報を開示し、脅しを交えて地道に調査を続けた。そしてついに、彼らしき男がレンガ造りの倉庫のひとつに隠れていることを突き止めたのだ!追い詰めてインタビューし、カネのありかを吐かせねば!アイアンウルフは走る!
戦闘開始
「イヤーッ!」アイアンウルフは防火シャッターの閉まったレンガ造りの倉庫へ駆けつけ、壁にトビゲリ!SMAASH!だが……レンガの壁はびくともしない!「なにィ!?」重金属酸性雨に耐え、盗賊の襲撃から倉庫内の荷物を守れるよう堅牢無比に築かれた建築物は、戦車並みの防御力を誇るのだ!
「来やがったな!死ねッコラー!」ジツヨウは倉庫の内部でマシンガンを構え、銃眼からアイアンウルフを撃つ!BRTTTTTT!「イヤーッ!」側転回避!「往生際が悪いぞ、ジツヨウ=サン!大人しくカネを出せ!」「ワドレザナッグラー!」ジツヨウは聞く耳を持たない!このままでは埒が明かぬ!
……アイアンウルフは冷静に状況判断する。正面突破は難しい。となると搦め手からだ。周囲を観察したところ、倉庫の天井近くにダクト(通気管)がある。ニンジャの身体能力なら、あそこから侵入可能だ。「イヤーッ!」アイアンウルフは跳躍し、ダクトに体をねじ込むことに成功した!
だがジツヨウは勝ち誇った表情でマシンガンを向ける!アイアンウルフが入ってきたダクトの下には、煮えたぎるミソ・スープの入った大鍋がある!卑劣なトラップだ!あそこへ落ちればニンジャといえど!「待っていたぜ!死ねーッ!」BRTTTTTTT!ダクトへ銃弾が降り注ぐ!アブナイ!
「ムテキ!」アイアンウルフは全身にカラテをみなぎらせ、肉体の表面を瞬時に鋼鉄めいた硬度に変化させた。これぞ平安時代より伝わるニンジャの秘技、ムテキ・アティチュードだ!カカカカカカン!銃弾は全て弾き返され、アイアンウルフは無傷!「アイエエエ!?」ジツヨウは驚愕する!
ガコン……しかし、破壊されたダクトはアイアンウルフの体重を支えきれず、大鍋に落下!ナムアミダブツ!「は、ハハ!ザマミ……」「Wasshoi!」アイアンウルフは大鍋に落下する直前にニンジャ身体能力で脱出し、倉庫内の床に降り立った。奥にはジツヨウ。傍らには、上納金の入ったケース。
「抵抗をやめろ、ジツヨウ=サン。カネを渡せ。フエフキ=サンもユミヅル=サンもサンズ・リバーを渡ったぞ。貴様もすぐにそこへ送ってやる……」「う……うおおーーーッ!テメエなんか!ニンジャなんか怖くねェーッ!」ジツヨウは目を血走らせ、叫びながらマシンガンを向けた!最終決戦だ!
「イヤーッ!」SMASH!「グワーッ!」ハヤイ!アイアンウルフの重いカラテがジツヨウに命中!だがジツヨウはキアイと薬物の力で耐える!「ウオオオオーーッ!」BRTTTTTTT!マシンガンで反撃!「イヤーッ!」アイアンウルフは銃弾を見切り、ジグザグに動いて回避!ニンジャに銃弾は当たらぬ!
「イヤーッ!」恐るべきセイケン・ツキ!「イヤーッ!」ジツヨウは必死で転がり回避!大鍋の陰から射撃!「死ねーッ!」BRTTTTT!「イヤーッ!」見切って躱す!「イイイヤァアアアーーーッ!」SLAAASH!「え」アイアンウルフのチョップがカタナめいて閃き、ジツヨウの両手首を切断した!
サツバツ!マシンガンごと両手首が落下し、ジツヨウは大量出血!「あ、アバーッ!」「ケジメだ、ジツヨウ=サン。ヤクザクランに、ソウカイ・シンジケートに逆らった罪がいかなる罰を招くか、これで思い知っただろう」「あ、アバッ……!」「さて、黒幕は誰だ。ザイバツか、ウチコワシか……」
「う、ウオオオーーーッ!」アイアンウルフがさらなるインタビューを行おうとした瞬間、ジツヨウは弾かれたように立ち上がり、叫びながら、ミソ・スープが煮えたぎる大鍋に飛び込んだ!セプクだ!「ちいッ!」アイアンウルフは急いで彼を引きあげたが、ジツヨウはすでに事切れていた……。
戦闘終了
とにかく、三人のヤクザはこれで全員死んだ。ケースの中の上納金も無事だ。黒幕はわからなかったが、カネは戻ってきたのだ。実際ハードなビズであった。アイアンウルフはケースを担ぎ、煮え爛れたジツヨウの首級をフロシキに包んで腰から吊り下げ、ツチノコ・ストリートへ戻っていった。
これがニンジャ。これがソウカイ・シンジケートだ。一般市民から暴力で富を搾取するヤクザたちを、さらなる暴力と恐怖で蹂躙し、搾取する。彼らこそは暗黒都市ネオサイタマの支配者……豚の上に君臨する狼なのだ。
【フーズ・アフレイド・オブ・ザ・ニンジャ?】終わり
リザルトな
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