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忍殺TRPGリプレイ【フーズ・アフレイド・オブ・ザ・ニンジャ?】01

邦題:ニンジャなんか怖くない(Who's Afraid of the Ninja?)

by Frank Churchill"Who's Afraid of the Big Bad Wolf?"

 ドーモ、三宅つのです。これはラブサバイブ=サンのソロシナリオ案「三匹のヤクザ」を元にしたリプレイ小説です。ネタバレにご注意ください。

 三匹の子豚ならぬ逃亡した三人のヤクザを探し出し、始末するミッションです。童話でいう狼の役をするわけで、返り討ちにされる危険もあります。邪悪で無慈悲かつ残忍狡猾な、狼 -WOLF- のようなニンジャが必要です。


ニンジャ創造

 たまにはダイスを振って作成してみましょう。気に入らなければ変えられます。基礎能力値は4D6[1316]=カラテ1、ニューロン3、ワザマエ1、ジツ3。ジツ値は高いですがそれ以外は弱すぎます。振り直して[3436]=カラテ3、ニューロン4、ワザマエ3、ジツ3。ジツは[4]=ムテキ・アティチュード。大概の攻撃は弾くことができます。能力値合計は3+4+3+6=16。

 初期アイテムは[4]=ウイルス入りフロッピー。知識は[35]=高級嗜好品。初期サイバネは[5]=クロームハート生い立ち表を振ると[66]=生粋のソウカイヤクザ。「忠誠心:ソウカイヤ」を持ちます。知識は1D4[4]=犯罪。明らかにヤクザですが、「ヤクザの流儀」は持たないため駆け出しでしょう。

 ムテキとクロームハート持ちの生粋のソウカイヤクザで、狼 -WOLF- のような男……ニンジャネームは「アイアンウルフ」としましょう。特にケモノ要素は持ちません。整理するとこうなります。

NIN44:https://diehardtales.com/n/n93915146759f#2c38f3d0-630d-48b0-a615-d894bf5090e6
◆アイアンウルフ(種別:ニンジャ)
カラテ       3    体力        4
ニューロン     4    精神力       6
ワザマエ      3    脚力        2/N
ジツ        3    万札      -12
DKK       0    名声        1

攻撃/射撃/機先/電脳  3/ 3/ 4/ 4
回避/精密/側転/発動  4/ 3/ 3/ 7
即応ダイス:4 緊急回避ダイス:0

◇装備や所持品
▶クロームハートLV1:体力と精神力+1
◆ハッキング用フロッピー:ハッキング判定+3(使い切り)

◇ジツやスキル
☆ムテキ・アティチュードLV3
○生い立ち:生粋のソウカイヤクザ
◉忠誠心:ソウカイヤ 精神力+1
◉知識:高級嗜好品、犯罪

能力値合計:16

 無慈悲なソウカイヤクザニンジャが誕生しました。では始めます。

◆◆◆

 ネオサイタマ、ツチノコ・ストリート。ウシミツ・アワー。零細ヤクザクラン「レッドイノシシ」の事務所応接室では、オヤブンたちが深々とドゲザしていた。上座に座るのは、鋼鉄のメンポとプロテクターを身に纏った剣呑な男だ。「で、そいつらに上納金を盗まれたと。レッドイノシシ=サン」

「ハイ!申し訳ありません!」レッドイノシシ・ヤクザクランのオヤブンはドゲザしながら叫ぶ。「とんだ恩知らずの豚野郎どもで!草の根分けて見つけ出し、ブッ殺しますんで!どうか!」「これ以上、ソウカイヤを待たせるわけにはいかん。俺が探して来る。手間賃は十分頂くぞ。貴様の指もな」

「ハイ!有難うございます!」オヤブンは床に額を打ち付ける。今宵ミカジメを集金に来たソウカイニンジャ・アイアンウルフは、無慈悲で恐ろしい男であった。「そいつらの居場所の目星はついているか?」「は、ハイ!こちらがそいつらの個人情報です!」オヤブンはフロッピーを差し出した。

「よかろう。ケジメ・セレモニーの準備でもしているがいい。セプクさせないのは、貴様を経営者として評価しているからだ……」「アリガトゴザイマス!」オヤブンは豚めいた肥満体を平べったくした。彼らのような豚どもから旨い血肉と脂を搾取する……それがソウカイ・シンジケートなのだ。

第一のヤクザ

 フロッピーの情報をハンドヘルドUNIXで解析したところ、上納金を奪って逃走した三人のヤクザたちのうち、一人はネオカブキチョ中央公園にいるところを目撃されている。路上生活者たちの中に紛れているのだろう。ヤクザクランといえど、縄張りの外にはおいそれと手を出すわけにはいかない。

住民に聞き込みを行うならワザマエNORMAL(万札1を支払えばEASY)、
不審な点を調べるならニューロンNORMAL、
住民を皆殺しにするならカラテないしニューロン+ジツEASYだがDKK獲得。
ここは…ニューロンだ。4D6[4264]成功。

 路上生活者たちはマケグミではあるが、ヤクザクランやテンプルをケツモチとして独自の情報網や経済圏を持ち、決して侮れない存在だ。身を守るため銃で武装していることも多く、数もある。失うものが少ないため、共同体や仲間のためなら命を惜しまず戦う。敵に回せばなかなか厄介なのだ。

 当然よそ者には口が堅く、脅せばケツモチに情報が届く。カネを渡して穏便に接すれば情報も得られようが、仲間を売るとは限らない。とすれば……ニンジャ第六感や洞察力を駆使し、地道に調査するのがよい。アイアンウルフは深夜の公園をしめやかに駆け巡り、ニンジャ視力で観察していく。

 ……やがて、不審な点が見つかった。公園の地面を観察すると、靴底のすり減った足跡が公園の西側に続いている。この靴はヤクザシューズだ。ヤクザはどれほど落ちぶれようと、己のヤクザファッションに気を遣う。生粋のソウカイヤクザであるアイアンウルフにも、それはわかる。ヤクザがいる!

 追跡していくと、足跡はみすぼらしいダンボールハウスへと続いている。おそらく、ターゲットの一人がそこにいるのだ。人違いでもインタビューすればいい。アイアンウルフはダンボールハウスの前に立ち、内部を覗き込んだ。ダンボールにくるまった男の傍らに、ヤクザシューズがある!

「起きろ」アイアンウルフは声をかけた。「ドーモ、フエフキ=サン。アイアンウルフです」「ヒッ!」男は目を覚まし、ダンボールの寝床から起き上がると、アイアンウルフを見て震え上がった。スモトリめいた体格。豚のように肥満した、堕落した男だ。「アイエエエ……!ひ、人違いです!」

https://diehardtales.com/n/n89ff55a17741#7c201c3e-81a9-45e8-87e2-562b848dfec7

「俺は記憶力がいい。しらばっくれるな。貴様、レッドイノシシ・ヤクザクランから上納金を盗んで逃げたな。カネをどこへやった?」アイアンウルフが凄むと、フエフキは震えながら……オスモウ・クラウチングスタイルをとった。ニンジャ相手には無駄な抵抗だ。一触即発アトモスフィア!

戦闘開始

カラテかワザマエ、ないし体力にダメージを与えるジツ(ジツ+ニューロンで発動)で小屋を破壊し(体力1)、それからフエフキ(スモトリヤクザ、体力3)を殴って戦闘不能にする。難易度N、回避せず。攻撃後にフエフキが生きていたら反撃してくる(回避N、ダメージ1)。

アイアンウルフ/IWは小屋に攻撃、3D6[444]成功。小屋を破壊。
フエフキ/FFは反撃、IWは4D6[4124]回避。
IWはFFへ攻撃[231]失敗!FFは反撃、IWは[2465]回避。

「イヤーッ!」SMASH!アイアンウルフはセイケン・ツキを放ち、ダンボールハウスを一撃で破壊!「ドッソイオラー!」フエフキは目を血走らせ、口角から泡を吹きながら、ニンジャへブチカマシ・タックル!「イヤーッ!」アイアンウルフは難なく躱しチョップ!「ウオーッ!」ハリテで弾く!

「ドッソイ!」フエフキは死にものぐるいで反撃!「イヤーッ!」アイアンウルフは堅牢なカラテで難なく弾く!「無駄な抵抗だな。他の二人の居場所も吐いて貰うぞ!」「GRRRRR!」フエフキは異常興奮している。NRSの影響か?否。彼が奥歯に仕込んでいたZBRタブレットによるものだ!

IWは攻撃[533]成功、FFの残り体力2。FFは反撃、IWは[5463]回避。
IWは攻撃[156]成功、FFの残り体力1。FFは反撃、IWは[5161]回避。
IWは攻撃[625]成功、FFの残り体力0。

「イヤーッ!」SMASH!「グワーッ!」アイアンウルフはフエフキに飛びかかり、馬乗りになって殴りつける!「ウオーッ!」フエフキは必死でもがき、マウントをはねのけようとする!だが相手はニンジャだ!スモトリでも敵わない膂力!「イヤーッ!」SMASH!「グワーッ!」「イヤーッ!」

 SMAASH!「アバーッ!」フエフキは繰り返し殴りつけられ、ようやく静かになった。違法薬物の影響によるとしても、しぶとい相手であった。

戦闘終了

1D6[3]、2で割って万札2を獲得。残り借金10。

 フエフキはぐったりとして動かない。「起きろ、フエフキ=サン。カネはどこだ。そして仲間の居場所を吐け」アイアンウルフは彼の首を締め付け、無慈悲にインタビューする。「アバッ……う、裏切られた……カネは全て、あいつらが……チクショウ!」フエフキは涙を流す。「ならば、話せ」

「お、オクタマ・ウッズ……!ゴボッ」フエフキはそれだけ言うと、血反吐を吐いて事切れた。過剰な薬物とニンジャの暴力による心臓ショック死だ。インガオホー。「オクタマ・ウッズか……」アイアンウルフは西の夜空を見やる。ネオサイタマの西に広がる広大な密林地帯だ。相当な手間となる。

 だが、やらねばならない。アイアンウルフ自身もサイバネのために借金を背負わされている。ミカジメを回収して報酬を得なければ、カニキャッチ漁船やフジサンの地下採掘場へ送られるだろう。標的の個人データは記憶している。草の根分けても探し出し、上納金を回収せねば!「行くか……!」

 アイアンウルフはIRCでクローンヤクザたちを呼び、ツチノコ・ストリートのレッドイノシシ・ヤクザクランの事務所までフエフキの死体を運ぶよう命じると、色付きの風となって闇に消えた。

第二のヤクザ

 ネオサイタマの西、オクタマ・ウッズ。タマ・リバーの上流域にあたり、巨大なダム湖が険しい山々の間に広がる。フジサンへのハイウェイを走る車を飛び移り、アイアンウルフは夜明け前にここにやってきた。急がねばさらに山奥に身を隠されてしまう。ニンジャ能力を駆使して、必ず発見せねば!

住民に聞き込みを行うならワザマエHARD(万札2を支払えばNORMAL)、
管理事務所を調べるならニューロンHARD、
皆殺しにするならカラテないしニューロン+ジツNORMALだがDKK獲得。
ここは…ニューロンだ。4D6[2553]成功。

 山林労働者の朝は早い。彼らは夜明け前に山へ入り、バイオ樹木をチェーンソーで伐採し、ネオサイタマへ大量の木材を供給している。力仕事のため肉体をサイバネ化しており、気性も荒い者が多い。ヤクザが身を隠すにはうってつけとも言えよう。だが仲間意識も強く、新入りを売ったりはしない。

 彼らを敵に回せば危険だ。頑強なサイバネ・アウトローたちがチェーンソーで武装し、巨大なオスモウ・トラックを乗り回しているのだから、ニンジャといえど囲まれれば返り討ちにされかねない。ならば……アイアンウルフは高い知能指数を発揮し、労働者管理事務所に潜入してUNIXを調べた。

 通信ログをあたると、標的のIPアドレスと一致する箇所がある。IRCに接続せずに潜んでいれば逃げられただろうに、IRC中毒なのか。アイアンウルフはほくそ笑み、当該端末が設置されている場所へ向かった。そこには頑丈な竹製の作業小屋があり、格子窓の中にはヤクザめいた痩せた男が見える。

https://diehardtales.com/n/n89ff55a17741#2d9f672b-bc36-4328-8d46-78f0f62a5caa

 間違いない。彼は上納金を盗んで逃げた三人のヤクザの一人ユミヅルだ。もう一人の仲間か、あるいはケツモチに連絡しているというところだろう。安全地帯に逃げ込んで安心し、気が緩んでいるわけだ。これはチャンス!そのUNIXを探れば、通信相手もわかるはずだ!アイアンウルフは動いた!

戦闘開始

カラテかワザマエ、ないし体力にダメージを与えるジツ(ジツ+ニューロンで発動)で小屋を破壊し(体力3)、それからユミヅル(サイバネヤクザ、体力3)を殴って戦闘不能にする。難易度N、回避せず。攻撃後にユミヅルが生きていたら反撃してくる(回避N、ダメージ1)。

IWは小屋に攻撃、3D6[461]成功。小屋の残り体力2。
ユミヅル/YZは反撃、IWは4D6[6522]回避。

「イヤーッ!」SMASH!アイアンウルフのトビゲリが格子窓に命中!バイオバンブー製の頑強な格子はニンジャといえど一撃で破壊はできなかったが、小屋全体がグラグラと揺れる!「アイエエエ!?」ユミヅルは驚愕!だが奥歯でZBRタブレットを噛み砕くと、格子窓の隙間からタケヤリを突き出す!

「イヤーッ!」アイアンウルフはブリッジ回避!「だ、誰だ!?」ユミヅルは誰何!「ドーモ、ユミヅル=サン。アイアンウルフです。レッドイノシシからカネを奪って逃げたな」「し、知らない!」「しらばっくれるな。俺は記憶力がいい。フエフキ=サンは始末したぞ。もう一人はどこだ?」

 ユミヅルはガタガタと震えながら衣服を脱ぎ、サイバネボディをあらわにした。腕にはタケヤリが装着され、スモトリと遜色のない戦闘力だ!「……教えるわけにはいかねえ。アンタが何者だろうと、怖くねェぞ……!」「ならば、ニンジャの恐怖を教えこんでやる」一触即発アトモスフィア!

IWは小屋に攻撃[254]成功。小屋の残り体力1。
YZは反撃、IWは[5162]回避。
IWは小屋に攻撃[516]成功。小屋は破壊される。

「イヤーッ!」SMASH!アイアンウルフのカラテがバイオバンブー製格子窓に叩き込まれる!だがまだ壊れぬ!「スッゾコラー!」バシュン!ユミヅルはテッコに装着されたタケヤリを格子窓から突き出す!「イヤーッ!」ブリッジ回避!「イヤーッ!」KRASH!続くキックが格子窓を破壊!

回避判定、難易度H。[6325]成功。

 ……その時だ!「バモオオオーッ!」ナムサン!興奮した巨大バイオイノシシが一直線にこちらへ突進してくる!伐採作業で山を追い出され、気が立っているのだ!アブナイ!「イヤーッ!」アイアンウルフは側転回避!バイオイノシシはそのまま作業小屋へ!KRAAAAAAAASH!「グワーッ!?」

 ナムサン!カラテを浴びて緩んでいたバイオバンブー製の作業小屋は、バイオイノシシの突撃を受けて完全に崩壊!ユミヅルはかろうじて直撃を躱したが、小屋は崩れ落ち、UNIXやIRC端末も瓦礫の下だ。だがインタビューは可能!「貴様を守っていた小屋は無くなったぞ。インタビューする!」

IWはYZに攻撃[623]成功、YZの残り体力2。YZは反撃、IWは[4664]回避!
IWはYZに攻撃[446]成功、YZの残り体力1。YZは反撃、IWは[4165]回避!
IWはYZに攻撃[411]成功!YZは体力0になり戦闘不能!

 アイアンウルフはユミヅルへ飛びかかる!「イヤーッ!」SMASH!「グワーッ!」マウントをとった!「ザッケンナコラー!」ユミヅルは必死でもがき、マウントをはねのけようとする!だが相手はニンジャ、サイバネヤクザでも敵わぬ膂力!「イヤーッ!」SMASH!「グワーッ!」打ちのめされる!

「イヤーッ!」SMASH!「アバーッ!」ユミヅルは繰り返し殴りつけられ、ようやく静かになった。サイバネ化し、違法薬物の影響によるとしても、しぶとい相手であった。

戦闘終了

1D6[2]=万札2を獲得。残り借金8。

 ユミヅルはぐったりとして動かない。「起きろ、ユミヅル=サン。カネはどこだ。そして仲間の居場所を吐け」アイアンウルフは彼の首を締め付け、無慈悲にインタビューする。「アバッ……言うか、よォ!」彼は不敵に笑ってそう言い放つと、脳内UNIXで自爆装置のトリガーを引いた!

回避HARD。4D6[3136]危うく回避。

「アバヨ!」KABOOM!ナムアミダブツ!「ちいッ……!」アイアンウルフは無傷だが、手がかりの一つが消えた。カネも、残る一人のヤクザも……しかし、諦めるわけにはいかない!彼は崩れ落ちた小屋を探索する!……やがて、壊れかけたUNIXやIRC端末が、かろうじて発掘できた。

 さらにユミヅルのサイバネや脳内UNIXの断片を調べ、取得できたデータをソウカイヤの電脳部門へ送信する。瞬時にレスポンス。三人のヤクザの最後の一人、ジツヨウ=サンの行く先は……ネオサイタマ南部、レンガ造りの倉庫が立ち並ぶ埠頭地域だ!急がねば高跳びされてしまう!走れ!

【続く】

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