忍殺TRPGリプレイ【ライズ・オア・フォール】03
前回のあらすじ:仲間から分断され、オナタカミの追手を逃れた若き「鷲のニンジャ」たちの次の標的は、メイライ社の専務シロウ・イスヒ。因縁深きオナタカミと手を結んだ彼を見つけ出して暗殺し、メイライ社をボスであるアシッドウルフの手に取り返さねばならない。カラダニキヲツケテネ!
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「彼の組織は。君たちは。我々と敵対すべきではない。なぜなら。我々もまた『鷲のニンジャ』であるからだ」メフィストフェレスは威圧的な声で宣言した。「我々の首領は『鷲の一族』の生き残りだ。彼は最近、我々をこう名付けた。天から下り、天下を統治する者。『アマクダリ・セクト』と」
メフィストフェレスは目を光らせた。「『鷲の一族』を首領とし、その下に無数のニンジャやモータルが集い、渾沌たる世界に真の平和と秩序をもたらすための秘密結社だ。これほど崇高な理念もあるまい。オナタカミはその一部に過ぎぬ。君たちにも、アシッドウルフ=サンにも加わって欲しい」
「「うう……!」」二人はうめき声をあげた。「君たちについても調べてある。もとソウカイ・シンジケートの下級エージェントで、アシッドウルフ=サンに籠絡・洗脳され、手駒にされているとね。だが……過去は問うまい。君たちの未来は君たちが、自分の意志で決めるのだ。渾沌か、秩序かを」
メフィストフェレスの声が部屋に鳴り響く。「生きるか死ぬか。天の高みに昇るか、ジゴクへ落ちるか。二つに一つだ。天秤は君たちに委ねられた。わかり合おう。できれば、私に力を貸して欲しいな」「「ううう……!」」二人はガタガタと震え出した。『鷲の腕』からの浸食が強まっている!
???
『『AARGHH!』』二人は同時に、恐ろしい声で叫んだ。それは二人の声ではない!『『ドーモ、メフィストフェレス=サン。アシッドウルフです』』二人は同時に、同じ声でアイサツした。「ドーモ、アシッドウルフ=サン。はて、これはどうしたことかね?」メフィストフェレスは訝しんだ。
『『防御プログラムだ。こいつらが俺に離反しそうになった時、こうなるように仕込んである。……そして、いいか、貴様の申し出には従わんぞ』』二人の背後に、アシッドウルフの影がにじみ出る。何らかのジツか。『『アマクダリ・セクト? 鷲の一族だと? 俺には不要だ。俺の主君は俺だ』』
「興味深いな。もっと話し合おう」メフィストフェレスは汗をにじませながら交渉を続ける。ボスが出て来たのなら話は早い。タイジン・ジツで情報を引き出し、勧誘すれば良いのだ。「私は胸襟を開いて君と話す。君とはきっとわかり合える」『『断る。貴様のタイジン・ジツには乗らんぞ!』』
アシッドウルフには、このジツを使う相手への耐性がある。洗脳と欺瞞こそ彼の得意分野だ。メフィストフェレスはビクターよりも格上だが、それでも!……バラバラバラバラバラ……窓の外から、ヘリコプターのローター音。「残念だが、時間切れだな」メフィストフェレスは冷酷に告げた。
「シロウ・イスヒ=サンは我々が確保した。交渉も済ませた。追ってみるがいい」ナムサン!ここで時間稼ぎをされていた間に、標的は屋上のヘリポートから脱出しようとしているのだ!アシッドウルフは……状況判断し、二人を操って部屋の外へ飛び出させる!『『イヤーッ!』』だが、すでに!
廊下には隊列を組む多数のオナタカミ・トルーパー!「出てきたぞ!」その奥で指揮をとるのは!「ドーモ、ブラックトゥースです!」二人は正気を取り戻し、とっさにアイサツを返した。「ドーモ、アースハンドです」「サイバーメイヘムです」「クセモノめ!死ね!」一触即発アトモスフィア!
戦闘開始
マップ
敵データ
◆ブラックトゥース (種別:ニンジャ)
カラテ 7 体力 10
ニューロン 7 精神力 6
ワザマエ 6 脚力 4/N
ジツ 0 万札 25
攻撃/射撃/機先/電脳 8/12/ 8/ 9
回避/精密/側転/発動 8/ 8/ 8/ 0
即応ダイス:2 緊急回避ダイス:2
◇装備や所持品
▶テッコLV1:カラテ判定と回避+1
▶生体LAN端子LV1:ニューロン判定+2、イニシアチブ+1
▶▶サイバネアイLV2:ワザマエ判定+2、射撃時さらに+2
◆近代的タクティカルニンジャ装束一式:体力+3、緊急回避+2、射撃+2
脚力ダメージ軽減1
◆光学ノイズ散布装置:所持者への射撃難易度+1
◆サブマシンガン×2:連射6、射撃難易度H、時間差・マルチ可
●射撃スタイル:全方位薙ぎ払い 射撃判定Hに成功すると発動
自身を中心とする5×5範囲内の敵全員へ1ダメージ×3(回避N)
◆裂傷アサシンダガー×2:連続攻撃+1、回避ダイスダメージ1
◇ジツやスキル
◉銃弾の見切り:銃器による射撃の回避難易度-1
◉ツジギリ:通常移動して近接攻撃したあと、残り脚力+1マス動ける
◉シャープシューター:集中時に射撃+3
◉戦術指揮:サンダンウチ・タクティクス 手番終了時に精神力1消費し発動
マップ上のオナタカミ・トルーパー×3体を「本来のイニシアチブを残して」即時行動させる
あるいは本来のイニシアチブの行動を消費させ、攻撃・射撃の回避難易度を+1する
●連続攻撃2、時間差、マルチターゲット
能力値合計:20
◆オナタカミ・トルーパー(種別:モータル/バイオ生物/クローンヤクザ)
カラテ 2 体力 3
ニューロン 2 精神力 2
ワザマエ 3 脚力 2
ジツ - 万札 1
攻撃/射撃/機先/電脳 2/ 4/ 2/ 2
◇装備や特記事項
◆ショットガン:ダメージ2 6体
◆マッポガン:ダメージ1 9体
◆サイバーサングラス:射撃+1
◆タクティカルスーツ:体力+1
●脆弱性:爆発/範囲攻撃(体力1)
能力値合計:7
1ターン目
「「イヤーッ!」」二人は色付きの風と化し、ブラックトゥースの傍らへ瞬時に移動!「なにッ!?」「kill-all U!」ZZTZZTZZT!アースハンドの広域遠隔ハッキング!「「「「アバババーッ!」」」」オナタカミ・トルーパーたちが悶絶し、ブラックトゥースも体勢を崩す!そこへサイバーメイヘム!
壁を蹴って勢いをつけ、稲妻じみた電磁ダガー攻撃!SLASHSH!ZTZT!「「アバーッ!」」オナタカミ・トルーパーたちの首が飛ぶ!だがなおも1ダース以上が健在!「かかったな!蜂の巣になるがいい!」「「「ザッケンナコラー侵入者!」」」「「「スッゾコラー侵入者!」」」ナムサン!
ブラックトゥースは距離を保ちつつ二挺のサブマシンガンを構え、サイバーメイヘムを撃つ!BRTTTTTTTT!「ンアーッ!」躱しきれず命中!体勢を崩す!「今だ!ホノオ!」「「「スッゾコラー!」」」オナタカミ・トルーパーたちはショットガンやマッポガンを構え一斉射撃!BRTTTTTTTT!
狭い空間を圧倒的な銃弾で満たす「サンダンウチ・タクティクス」だ!狙うはサイバーメイヘム!だがアースハンドはその場の全員に「ステルス・ノイズ」を仕掛け、弾道計算などに僅かな狂いを生じさせている。並大抵のニンジャならそれでも蜂の巣だろうが、彼女は、並大抵ではない!
「イイイヤァアアアーーーッ!」見切って回避!回避!回避!回避!テッコで弾き、逸し、必死で躱す!なんたるカラテだ!
2ターン目
「「サラバ!」」そのまま二人は色付きの風と化し、硝煙に紛れて撤退!「逃がすな!追えーッ!」「「「ハイヨロコンデー!」」」ジリリリ……!最上層全体に非常ベルが鳴り響く!
戦闘終了
???
二人は監視カメラを惑わし、セキュリティシャッターを操作し、UNIXを爆発させながら、屋上ヘリポートへ駆け抜ける!SMASH!ドアを蹴破って屋上へエントリーした二人は、強風と雷雨の中、上空でホバリングしているヘリコプターを視界にとらえる。その下にいるのは複数の人影。
「よく来たね。だが、ここでお別れだ」こちらに笑みを向けるのは、護衛を従えた初老の男。暗殺標的「シロウ・イスヒ」!
ヘリとオナタカミ・トルーパーたちが銃口を向け、護衛がシロウを庇う。『コーッ、シュコーッ……。ドーモ、プラズマワスプです。貴様らは我々の罠にかかったのだ!大人しく降参するがいい!』
「そういうことよ」修道女じみた装束の女ニンジャが微笑んだ。「ドーモ、トスカーナです。じきに下の護衛たちもこっちに到着するわ。そいつらを倒しても、さらにセクトの増援が来るだけ。オーテ・ツミね」
ともに油断ならぬカラテ。ラット・イナ・バッグだ。だが、勝機はある!一触即発アトモスフィア!
戦闘開始
【続く】
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