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忍殺TRPGリプレイ【ストロング・ドラゴン・スコードロン】02

 前回のあらすじ:ネオサイタマの北、中国地方に広がるタマチャン・ジャングル。2人のニンジャ、ディテクティヴとディプロマットはその奥地に足を踏み入れた。目指すは徳川エドワード家康の霊廟だ。だが広大な密林には危険なバイオ生物が跳梁跋扈し、行く手を阻む。カラダニキヲツケテネ!

 2人は洞窟めいた廃墟を奥へ奥へ進む。ディプロマットのニンジャ感覚によれば、方向はこちらで合っているはずだ。だがその時!「GRRRR……!」「GRRRR……!」暗闇の奥から複数の唸り声がし、無数の目が光った。ここはバイオ生物のねぐらだ!「逃げろ!」「おう!」2人は戦わず逃げ出す!

「「「AARGHH!」」」闇から飛び出して来たのは、凶暴なバイオモンキーの群れだ!非ニンジャとはいえ囲まれれば危険!「パイナップルのにおいを嗅ぎつけたのかね」「それに、ここが縄張りだからだろうな」食料を渡せば余計危険だ。戦えば薙ぎ払えるだろうが、銃弾やジツは温存しておきたい。

 2人はバイオモンキーの群れに追われ、ショッピングモールの遺跡を駆け抜ける。やがて光が差し、出口が見えてきた。その時!「止まれ!」出口に立ちはだかる人影あり!手にはタケヤリを構え、頭にはノンラーをかぶり、目はギラギラと狂気に輝いている!「ドーモ、フォレスト・サワタリです」

https://xfolio.jp/portfolio/gida0730/works/345330

???

「ドーモ、ディテクティヴです」「……ディプロマットです」2人はアイサツを返す。見るからに危険なニンジャだ。周囲には、さらに複数のニンジャの気配。だが幸い、すぐに襲いかかってくるというふうでもない。こちらの出方をうかがっているのだ。2人はハンズアップし、敵意がないことを示す。

交渉判定、難易度UH。兵糧を消費すれば消費量と同数のダイスを追加で振ることができる。交渉「共感」「誘惑」「超然」、知識「独立小組織」「危険生物」「バイオ系メガコーポ」で+2、交渉「欺き」「理路整然」、知識「ストリートの流儀」「ファッション」「オカルト」で+1。
ディテクティヴはこのうち「ストリートの流儀」「共感」を、ディプロマット/DPは「超然」「理路整然」を持ち、ともに+3。ニューロン値12のDPが挑む。15D6[155235615366153]成功!全員に緊急回避ダイス+3。

「こちらに敵意や害意はない。貴方がたの縄張りに不用意に足を踏み入れてしまったことをお詫びする」ディプロマットは進み出てオジギした。彼はザイバツ・シャドーギルドのマスター位階にあったニンジャであり、貴族的な礼儀作法をわきまえている。そのニンジャネームは「外交官」を意味する。

「では、何の用があってここに来た」「……この奥に、徳川エドワード家康の霊廟がある。そこに用がある」サワタリは鼻を鳴らす。「霊廟だと。そんなものは知らんが、この先は危険だ。帰るがいい」「どんな危険があるのかな。お教え願いたい」ディプロマットは超然とした態度でオジギした。

「むむ」サワタリは唸った。ニンジャは礼儀正しく問われれば答えなければならない。「……バイオニンジャだ。巨大な、恐竜じみた連中だ。我々はこの先にあるヨロシサンの遺棄施設を襲撃せんとしていたのだが、そこを縄張りとする奴らに阻まれ、先へ進めず……物資が欠乏し、困っているのだ」

「なるほど」ディプロマットは頷いた。脱走して野生化したバイオニンジャ同士の縄張り争いだ。サワタリはバイオニンジャではないようだが、彼らを率いているのだろう。このショッピングモール遺跡からはある程度の物資が調達できるが、食料やバイオインゴットは期待できまい。で、あるならば。

「我々も先へ進まねばならない。協力しよう」ディプロマットは理路整然と提案し、ディテクティヴも頷く。利害関係は一致しているなら、無駄な争いをする必要はない。「感謝する。だが、奴らの知性はプリミティブだ。説得だけで応じる相手ではない。カラテを見せねばなるまい」「任しとけ!」

 ディテクティヴはタフに笑った。観察したところ、このサワタリは狂ってはいるが邪悪というほどではない。仲間を守るために戦っているのだ。あの男に……ニンジャスレイヤーに、少し似ている。「では行くか。道中で作戦会議だ」「マッタ、大将。俺もついていくぜ」物陰から別の人影が現れた。

「ドーモ、ディスカバリーです」

◆ディスカバリー(種別:ニンジャ/バイオニンジャ)
カラテ       3    体力        5
ニューロン     9    精神力       9
ワザマエ      4    脚力        2/N
ジツ        3    万札        0

攻撃/射撃/機先/電脳  3/ 4/ 9/ 9
回避/精密/側転/発動  9/ 4/ 4/12
即応ダイス:5 緊急回避ダイス:0

◇装備や所持品
◉バイオニンジャ
●脆弱性:火炎(精神力1)

◇ジツやスキル
☆プロト・ヨロシ・ジツ(カナシバリ・ジツ読み替え)LV3
 非ヨロシ者や上位権限者には無効
 バイオ系の調査判定時にダイス+12
◉スリケン乱射
●時間差、マルチターゲット

能力値合計:21>22

 前回の冒険から経験を積み、元シナリオのデータを加味して少し成長したとします。

「「ドーモ」」2人はオジギした。「話は聞いてた。他の連中はバイオインゴット不足でのびちまってるが、俺はなんとか動ける。調査専門だからな。カラテは期待すんなよ」「うむ」サワタリは頷いた。凶暴なバイオニンジャたちを説得するには、彼の「プロト・ヨロシ・ジツ」も必要だろう。

5ターン目

マップ

現在地は南の「!」マス。あと11マス。

兵糧5>4、1D6[3]=敵対イベント。1D3[2]=トラップ。全員ニューロンかワザマエで判定、難易度HARD。失敗するとダメージ1。
DTはニューロンで[3461441]成功。DPは[111545451361]成功。

6ターン目

兵糧4>3、1D6[1]=敵対イベント。1D3[3]=危険な沼地。全員脚力で判定、難易度HARD。失敗すると体力と精神力にダメージ1。
DTは[666465]成功、DPは[3554]成功。

7ターン目

兵糧3>2、1D6[1]=友好的イベント。1D3[3]=遺跡。ランダムトレジャーは1D6[4]伝統的礼装。2人とも持っている。売れば万札8。

8ターン目

あと6マス。兵糧2>1、[6]=到達!

???

 4人は助け合いながら悪路を進み、吸血ヒルのいる沼地を跳び越え、どうにか目的地にたどり着いた。そこはジャングルの中にぽっかりと開いた空間であり、遺棄された研究施設が存在する。その奥の山の上には、朽ちかけたテンプルの門が見える。そして……地面には大きな足跡が多数ついていた。

「ここが奴らの根城だ。注意しろ」サワタリが低くつぶやく。……やがて、北の空からギャアギャアという叫びとともに、巨大な怪鳥が飛来した。否、それは鳥ではない。太古に絶滅したはずの翼竜、プテラノドンである!しかも、ニンジャだ!「ドーモ、ウイングドテラーです!何しに来やがった!」

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◆ウイングドテラー(種別:ニンジャ/バイオニンジャ、大型1×1)
カラテ       4    体力        8
ニューロン     1    精神力       1
ワザマエ     10    脚力        7(飛行)
ジツ        0    万札        0

攻撃/射撃/機先/電脳  4/10/ 3/ 1
回避/精密/側転/発動 10/10/ -/ -

◇装備や所持品
▲▲戦闘用バイオサイバネLV1:ダメージ2
▲▲▲▲プテラ・フレーム:胴体と脚部を占有
 大型1×1、即死耐性、脚力と機先+2
 側転不可、回避難易度+1、常時崩れ状態
 精神力がマイナスになっても麻痺状態で行動可能
△△△大型バイオ飛行翼:飛行移動(脚力×2マス)
△猛禽の下半身:飛行移動時に轢殺2
 ●アブダクション:轢殺1、回避H、強制再配置
●過剰バイオサイバネ(10個)
◉バイオニンジャ化

◇ジツやスキル
◉空中制動
◉◉忠誠心:ダイナソー・ニンジャクラン
●連射3

能力値合計:15

 高い飛行能力を持つ斥候役です。比較的脆弱ですが油断なりません。

 続いて木々の奥から長い首が伸び上がり、こちらを見下ろした。ずしん、ずしん、ずしん……巨大な足音が響き、それは木々を薙ぎ倒しながら開けた空間に姿を現した。小山めいた巨大な草食恐竜、ブラキオサウルスだ!しかも二足歩行しており、手にサスマタを持つ!「ドーモ、ロングモーンです」

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◆ロングモーン(種別:ニンジャ/バイオニンジャ、大型2×2)
カラテ      10    体力       24
ニューロン     2    精神力       2
ワザマエ      2    脚力        5
ジツ        0    万札        0

攻撃/射撃/機先/電脳 10/ 2/ 2/ 2
回避/精密/側転/発動  -/ 2/ -/ -

◇装備や所持品
▲▲▲▲▲▲ブラキオ・フレーム:胴体+脚部を占有
 大型2×2、即死耐性、リーチ+1、能力値ダメージ無効、攻撃難易度-1
 回避・側転不可、常時崩れ状態、狂戦士化6
 精神力がマイナスになっても麻痺状態で行動可能
 ●移動スタイル:進撃 轢殺4を得るが、続く攻撃は通常の連続攻撃1(固定)のみ
△ゴリラの下半身:体力+2、武器・防具による側転・脚力ペナルティ無視
●過剰バイオサイバネ(7個)
◉バイオニンジャ化
◆巨大サスマタ(ノダチ):ダメージ3、攻撃UH

◇ジツやスキル
◉忠誠心:ダイナソー・ニンジャクラン
●連続攻撃2

能力値合計:14

 巨大な体躯と耐久力・戦闘能力、冷静な判断力を併せ持つ軍師です。

「GRRRR……縄張りを荒らす者は殺す。それが掟だ!」さらに現れたのは、赤茶色の大型肉食恐竜、ティラノサウルス!だがニンジャ装束を纏っている!「ドーモ、ダイナソー・ニンジャクランの長、ヘルレックスです!」

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◆ヘルレックス(種別:ニンジャ/バイオニンジャ/危険生物、大型2×2)
カラテ      13    体力       24
ニューロン     1    精神力       2
ワザマエ      5    脚力        8
ジツ        0    万札        0

攻撃/射撃/機先/電脳 13/ 5/ 1/ 1
回避/精密/側転/発動  -/ 5/ -/ -

◇装備や所持品
▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲ティラノ・フレーム:頭部・腕部・胴体・脚部を占有
 大型2×2、即死耐性、リーチ+1、能力値ダメージ無効、バイオ武器LV4
 回避・側転不可、常時崩れ状態
 精神力がマイナスになっても麻痺状態で行動可能
 ●戦闘スタイル:肉体破壊
 ●戦闘スタイル:拘束攻撃
△吸血バイオ器官
△ニンジャ肉消化器官
●過剰バイオサイバネ(12個)
◉バイオニンジャ化
◉危険生物化

◇ジツやスキル
●捕食攻撃:拘束した敵に手番開始時に回避不能の2D6ダメージ
●連続攻撃3
◉◉◉忠誠心:ダイナソー・ニンジャクラン

能力値合計:19

 凄まじい戦闘能力を持つリーダーです。

「ドーモ、サヴァイヴァー・ドージョーの長、フォレスト・サワタリです」「ディスカバリーです」「客人、ディプロマットです」「同じく、ディテクティヴです」4人はアイサツを返す。モケーレ・ムベンベどころか、バイオニンジャとはいえ恐竜に遭遇するとは。ディテクティヴは脂汗をかいた。

 実際、理詰めの説得が通じる知能指数の持ち主とも思えない。サワタリは代表者として宣言した。「我が仲間たちがバイオインゴット不足で苦しんでいる。どうか分けていただきたい!」「断る。何の義理もメリットもない」ロングモーンは冷静に判断し、無慈悲に答えた。なんたる論理的知性か!

「どうしてもというのなら、我らの軍門に降り、手下となれ。さもなくば、カラテだ!」ヘルレックスは大顎を開いて牙を剥き、咆哮した。数ではこちらが勝るとはいえ、物理的には圧倒的な戦力差だ。どうする?「ならば、カラテだ!」サワタリは宣言した。「よかろう!」一触即発アトモスフィア!

戦闘開始

【続く】

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