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忍殺TRPGリプレイ【マーセナリー・スクラッパー】01

邦題:雇われ戦士(Mercenary Scrapper)

asanuko - "Hyper Inflation Mercenary Scrapper"

 ドーモ、三宅つのです。これはゴルダ=アルカトラス=サンのソロシナリオ「裏切りの傭兵を見つけ出せ」を元にしたリプレイ小説です。ネタバレにご注意ください。

by Bing Image Creator

 成長の壁突破前の、オムラから依頼を受けることができるニンジャもしくはモータルがソロでプレイすることを想定していますが、モータルの場合はハードモードになります。アウトロー傭兵のチーム・ナミはこないだ仕事して死にかけたばかりですし、今回は……彼にしましょう。

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◆フクト・ウサイダ(種別:モータル)
カラテ       6      体力        6
ニューロン     4>5    精神力       4>5
ワザマエ      4>5    脚力        4
ジツ        -      万札       13>4
名声        2

攻撃/射撃/機先/電脳  6/ 7/ 6/ 7
回避/精密/側転/発動  7/ 6/ -/ -
即応ダイス:4 緊急回避ダイス:0

◇装備や所持品
◆ショットガン:小銃、ダメージ2
▶サイバネアイLV1:ワザマエ+1、射撃時さらに+1
▶生体LAN端子LV1:ニューロン+2、イニシアチブ+1
▶︎ヒキャクLV1:脚力と回避+1

◇スキル
○生い立ち:危険生物ハンター
◉知識:危険生物、銃器
◉料理

能力値合計:14>16

 1年3ヶ月ちょいぶりの再登場です。前回の冒険で万札20(借金7を返済し残り13)、名声1、余暇4日、スキル「◉料理」を獲得しました。ワザマエを鍛錬して[51]=6>4=成功、ニューロンを鍛錬して[26]=8>4=成功。残り万札1。モータルハントを行うとコトブキ=サンが光る気がするので、シノギを行います。ワザマエ5、知識2つで+2、料理で+1として8D6[42656122]=2成功。残り万札3。もう一日やって[55315336]=1成功。残り万札4。

 モータルとはいえ、駆け出しのニュービーニンジャにも劣らぬタフな男になりました。では、始めます。

◆◆◆


 ネオサイタマから遥か西、ナゴヤ・ミッドランド。ここは日本国とキョート共和国の戦争の最前線基地だ。開戦から半年ほどが経過し、戦線は膠着して睨み合いが続いている。先日キョートの首都ガイオンで異変が勃発し、日本軍が便乗して動き始めたが、まだ前線を大きく押し上げるほどではない。

 ネオサイタマ側はナゴヤ・ミッドランドに軍事基地を建設し、シンカンセンで繋いで物資や人員を送り込んでいる。電子戦争やキョート独立戦争後は廃墟が広がるばかりだったこの地域は、いまや戦争特需の景気に湧き、日本各地から胡乱な傭兵や商人が集まって来ている。この戦争は経済なのだ。

 サイバネ傭兵フクト・ウサイダは、少し前にネオサイタマを離れ、このナゴヤに移り住んでいた。ネオサイタマではオムラ・ソウカイヤ連合とオナタカミが激しくやり合っており、ピザタキとの繋がりからどちらかといえばオムラ側の彼にとっては、少々仕事がやりにくい状況となりつつあった。

 その点、新天地ナゴヤにはしがらみは少ない。前線でキョート軍とやり合わなくても、仕事ビズは売るほどある。ヤクザクランや企業同士のシマの取り合いもあるし、護衛任務もよりどりみどりだ。いくつかのビズを無難にこなし、フクトの新生活は軌道に乗りつつあった。……IRC端末に着信。

「ハイ、モシモシ」『ドーモ、フクト=サン。私はライジン・エクスペンダブルズの教育部長、ハンザキです。いつもお世話になっております』「……ドーモ」フクトは訝しんだ。ライジン社はオムラのグループ会社で、傭兵派遣専門の民間軍事会社だ。世話にはなったが、今は契約は切れているはず。

「教育部長だと? 何の用だ」フクトはぶっきらぼうな声で告げる。エクスペンダブルズ(消耗品)の名の通り、ライジン社は傭兵を使い捨ての消耗品として扱う。親会社オムラの試作兵器のテストのため、彼らをツジギリストめいて戦場で戦わせるのだ。そのたぐいのビズか?『当然、ビズのお話で』

「間に合ってる」『マッタマッタ。あなたに情報の漏洩の容疑がかかっているんですよ。そんなことはないかと思いますが、ちょっとお話できたらと思いましてェ』「身に覚えはないぞ」『もう来ています』KRASH!安アパートのドアが蹴破られ、武装した企業兵士たちがどかどかと入り込んで来た。

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「改めましてドーモ、ハンザキです」サラリマンがアイサツした。企業兵士たちに銃口を向けられ、フクトはハンズアップした。「ドアの修理代は出してくれや。敷金が帰ってこねえ」「無罪であればね。後ろめたいところがなければ、LAN直結で調べさせて下さい」「……チッ、しょうがねェな」

 フクトは頷いた。実際、情報を漏洩させたなど身に覚えがない。酒場でもオイランにも気をつけている。プロだからだ。信用を失えば傭兵をやっていられなくなる。企業兵士の一人がハンドヘルドUNIXにフクトのLAN端子穴をケーブルで繋ぎ、情報を吸い出す。プライバシーもクソもないが仕方ない。

「……反応なし」「シロか。よかったな」フクトは溜息をついた。「おめでとうございます。では、改めましてビズの話を」「もう帰ってくれ」「そうも参りません。我々の社運がかかっております」ハンザキは顔を近づけた。企業兵士たちは銃口を降ろさない。「……わかった。報酬は支払えよな」

「もちろんですとも。口止め料としてね」ハンザキは目を細めた。フクトは舌打ちした。今日は厄日だ。この話を裏に流せば、今後オムラからのビズが受けにくくなる。暗黒メガコーポと傭兵では、立場が天地ほども違うのだ。

ダンゴウ

 ハンザキによれば、こうだ。先日、フクトを含めた数名の傭兵がオムラの試作兵器「タケミカヅチ」のテストを行ったが、その情報がオナタカミの系列企業に渡っているらしい、とタレコミがあったのだ。ライジン社は直ちに調査チームを派遣し、被疑者を調査して証拠を集めるよう厳命した。

「つまり、あんたのビズじゃねえか」「手分けしてやれば話はハヤイわけです。あなたはスパイの協力者ではなく、実際信頼できる人物であることを示さねばなりません」「ファック!やるよ!」「ご協力感謝します」ハンザキはオジギし、被疑者のリストとデータをIRC端末のモニタに表示した。

「あなたを除けば3人の被疑者がおります。カナガワ=サン、イシザキ=サン、ウカイ=サン。まずはそれぞれに接触して、情報を聞き出して下さい。疑わしいところがあれば、我々が突入して確保します」「アイアイ」

調査開始

交渉判定、難易度EASY。ワザマエ5、サイバネアイで+1、「◉知識:銃器」で+2され5+1+2=8D6[42134555]成功。
続いてハッキング(電脳値)判定HARDか、交渉判定NORMALで追加調査。電脳値7、「◉知識:銃器」で+1され8D6[32151355]成功。

 ハンザキの提示した情報や、他の傭兵の噂話、IRC-SNSでの評判を総合すると、3人の被疑者の居場所や行動はだいたい掴めた。カナガワは重サイバネの油断ならぬ傭兵で、数日前にキョート共和国との軍事境界線付近での小競り合いに参加し、しばらく動き回ったあとナゴヤに戻ってきている。

 イシザキはアウトローあがりのヨタモノ傭兵で、カナガワほどの手練れではない。ナゴヤ・ミッドランドの工場地帯に入り込んでいた武装アナキスト集団「イッキ・ウチコワシ」のテロ鎮圧に参加した。ウカイはケオサキ出身の中流傭兵で、オムラ側でオナタカミとの小競り合いにも参加している。

「どいつも怪しいっちゃ怪しいが……」フクトは眉根を寄せた。虱潰しに接触するしかあるまい。やましいところがなければ、素直に調査に応じてくれるはずだ。暴れて抵抗しても、こちらの方が数は多い。

調査続行

ニューロン判定、難易度HARDを3回。電脳値7。
カナガワ:[1156142]成功。イシザキ:[3444312]失敗!ウカイ:[6262511]成功。

 ……ナゴヤ・ミッドランド、キヨス地区の安アパートの一室にカナガワが住んでいる。フクトはハンザキたちを引き連れてそこへ向かい、ドアブザーを鳴らした。BEEP!『……モシモシ』「ドーモ、カナガワ=サン。俺は傭兵のフクトって者だが、ライジン社からあんたへの調査依頼があってな」

『ライジン? めんどくせえな……何だよ』「『タケミカヅチ』のテストの件について聴きたい。オナタカミへ情報漏洩の容疑がかかってる」『知らねえよ。数日前の小競り合いだろ? 湾岸警備隊やオナタカミっぽいやつもいたが、俺は関わってねえ。潔白だ』カナガワの口ぶりに嘘は感じられない。

「とりあえず、開けてくれや。ライジン社の連中も来てるんだ。俺にも容疑がかかっちまってて、協力しろと言って来た。頼む」『アイアイ』カナガワは渋々ドアを開けた。ハンザキがアイサツし、生体LAN端子から情報を抜き出してチェックする。「……シロですね。お邪魔しました」「やれやれ」

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 カナガワは肩をすくめた。「これだから、ライジン社のビズはあんまり受けたくねェんだ。まあ他の暗黒メガコーポも似たりよったりだがな」「違いねェ」「オミヤゲに酒でもねェか。オハギでもいいぜ」「迷惑料として、そのうちお届けしますよ」「そうかよ。期待せずに待ってるさ。じゃあな」

 旧ナゴヤ・シティ中心部、オオス地区。旧世紀のビルの廃墟を住処とするアウトローたちの中に、イシザキの姿があった。「アイエッ!? また俺をシメに来たのか!?」イシザキはジープから降り立ったフクトたちの姿を見てハンズアップし、震え上がった。怪しい!「落ち着け、イシザキ=サン」

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 フクトは苦笑いを浮かべて彼をなだめる。他のアウトローたちがこちらを睨むが、イシザキをかばう様子はない。「あんたがオナタカミに情報を漏洩させたんじゃあないかって疑いがかけられてる。その調査に来たんだ。このハンザキ=サンがな」「ドーモ。潔白なら調査にご協力をお願いします」

「オナタカミなんて知らねえ! 俺はもともとオムラの傭兵にちょっかいかけて捕まったうえ、無理やりここに連れて来られたんだからな! アナキストをブッ殺してカネがもらえりゃ、文句は言わねえよ!」イシザキはヒステリックにわめき散らす。嘘をついているかどうかは……判然としない。

 彼には生体LAN端子やサイバネが備わっていないため、情報を吸い出すこともできない。スパイ活動にはうってつけかもだ。「あなたが破損させた『タケミカヅチ』の代金は追い追い支払ってもらうとして、とりあえず同行願います」「アイエエエ!」フクトたちは暴れるイシザキを取り押さえた。

「ドーモ、お騒がせしました」ハンザキはアウトローたちにオジギすると、ジープに戻る。「彼を一応の下手人として、拷問インタビューによって自白させてもいいのですが……もう一人いますので、そちらへ」「了解!」「俺はやってねえ!」ブロロロロ……ジープはさらに南へ進んでいく。

 ナゴヤ・シティ南部、アツタ・シュライン地区。被疑者の残る一人、中流傭兵のウカイはここにいるはずだ。彼の出身地ケオサキはオナタカミ本社要塞から目と鼻の先にあり、オナタカミの企業兵と小競り合いとはいえ接触している。今回の件では一番容疑が濃い人物だ。キアイを入れねばなるまい。

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「……ふむ、それで私が疑われていると?」ウカイは意外にも紳士的に対応した。「ああ。潔白なら問題ないだろ。調査に協力してくれ。……って、ライジン社が」フクトは肩をすくめた。「確かに、私を疑う理由はあるなあ。とはいえ、私の生体LAN端子にアクセスはさせんぞ。気に食わんからな」

ニューロン判定、難易度UH。7D6[3166135]成功!

 フクトは……何か、嫌な予感がした。アウトローとしての、傭兵としての直感だ。彼はとっさに防御姿勢をとる!「イヤーッ!」FLASH!KABOM!「「「グワーッ!」」」ナムサン!閃光手榴弾だ!ウカイはその隙に自分のアパートの窓から逃走!「クソッタレ!逃がすか!」フクトは追跡を開始!

【続く】

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