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ニンジャスレイヤーTRPGソロシナリオ【裏切りの傭兵を見つけ出せ】

画像はぱくたそから

はじめに

このシナリオは「ニンジャスレイヤーTRPG」第2版の1人(ソロ)向けシナリオです。
成長の壁突破前のオムラから依頼を受けることができるニンジャもしくはモータルがプレイすることを想定していますが、モータルの場合はハードモードになります。
なお、導入やエネミーデータを改変することでオナタカミや邪悪ではないストリートなどでもプレイ可能となっております。

導入

ある日あなたは、オムラグループのグループ会社であるとある傭兵派遣専門の民間軍事会社『ライジン・エクスペンダブルズ』から依頼を受けた。
依頼の内容というのは、最近オムラグループの公式発表前の試作兵器の情報などがライバル企業であるオナタカミ社へ流出している疑いがあるというもの。
なお、ライジン・エクスペンダブルズは、オムラグループの試作兵器のテストを、ツジキリストとは別の観点から行っていることと『使い捨てられるほどに傭兵を派遣する』を企業方針としていることをあなたは知っている。

その上であなたに依頼されたのは、ライジン・エクスペンダブルズが何人か被疑者としてリストアップされた傭兵を調査し、証拠を集めて容疑が固まれば始末するか、始末できなければその証拠を調査報告書として提出すること。
証拠集めからしなければならないのはいささかめんどくさいと思いながらも、あなたはライジン・エクスペンダブルズに赴いて話を聞くことに。

■依頼の詳細を聞く

「ドーモ、お待ちしておりました。私、ライジン・エクスペンダブルズの教育部部長のハンザキと申します」

ライジン・エクスペンダブルズの会議室に通されたあなたを待っていたのは、いかにもな熟練兵の風貌とは裏腹に、サラリマンらしい態度でアイサツをしてきたハンザキという男。
ハンザキはあなたに名刺を渡すと、依頼の詳細を話した上で被疑者の情報を渡してくる。
なお、被疑者は3人だ。

・重サイバネ傭兵のカナガワ
・フリーランス傭兵ニンジャのディヴァージョン
・アウトロー上がりのイシザキ

ハンザキ「この3人は、つい最近オムラが試作品を出したばかりのレーザーライフル『タケミカヅチ』のテストを請け負っていました。それ以外にも複数の試作品のテストを行っておりましたが、タケミカヅチの情報がなぜかオナタカミの手に渡っていたと同社に潜入している企業スパイからのタレコミがありました」
ハンザキ「当然私達は寝耳に水ですが、このままでは管理職全員が連帯責任でケジメどころかセプクを強いられてしまいます。どうにかそれだけは避けたいので、どうか下手人を見つけ出してください!」

ハンザキは、あなたにドゲザをした。熟練兵とあろうものがなんとブザマな姿だろうか。
だが、あなたはカネさえ貰えればいいと思ったのか、あるいはオナタカミが気に食わない、もしくはオムラへの忠誠心が怒りに変わったのか。
理由は何であれ、あなたは被疑者の資料を受け取り、調査を開始した。

調査開始

まずあなたは、3人がいつどこでタケミカヅチのテストをしていたのかを調査することにした。
3人と一緒に行動をしていた他の傭兵から話を聞いてみよう。
依頼で調査をしていると話せば、大体の者は快く話してくれるので交渉判定EASYで判定しよう

最も適した交渉スキル(+2):『◉誘惑』『◉共感』 
次に適した交渉スキル(+1):『◉駆け引き』『◉威圧』 
最も適した知識スキル(+2):『◉銃器』『◉重工系メガコーポ』 
次に適した知識スキル(+1):『◉テックガジェット』『◉犯罪』

判定に成功すると、3人について以下の情報を得るが、失敗した場合は何も情報が得られず手詰まりとなってしまうだろう(ゲームオーバー、エンディングへ)。

・重サイバネ傭兵のカナガワ
→2日前にキョート共和国との軍事境界線付近での小競り合いに参加
・フリーランス傭兵ニンジャのディヴァージョン
→ケオサキでタケミカヅチのテストをしていたらしいが、詳細不明
・アウトロー上がりのイシザキ
→イケブクロ・ストリートでイッキ・ウチコワシのテロ鎮圧に参加

なお【6,6】以上の出目で成功した場合は、追加で以下の情報を手に入れた上で即応ダイスと緊急回避ダイスを+2する。

・重サイバネ傭兵のカナガワ
→2日前にキョート共和国との軍事境界線付近での小競り合いに参加したが、タケミカヅチの実戦データをまだ提出していない。
・フリーランス傭兵ニンジャのディヴァージョン
→ケオサキでオナタカミ系の傭兵と戦闘をしていたという、実戦データは提出済み。
・アウトロー上がりのイシザキ
→イッキ・ウチコワシのテロ鎮圧の際にタケミカヅチを破損、叱責を受けたという。破損したことにより、実戦データは提出しなくて良いと言われた。

これだけではまだ情報が足りない。
あなたは、3人に貸与されている社用携帯UNIX端末から発せられている位置情報などを調べるため、ライジン・エクスペンダブルズの傭兵管理サーバーへアクセスすることにした。
ハッキング判定HARDで判定を行うか、交渉判定NORMALで情報を開示してもらおう。
なお、以下は交渉判定時に有効な知識もしくは交渉スキルである。

最も適した交渉スキル(+2):『◉理路整然』『◉駆け引き』
次に適した交渉スキル(+1):『◉威圧』 『◉共感』
最も適した知識スキル(+2):『◉重工系メガコーポ』『◉サラリマンの流儀』
次に適した知識スキル(+1):『◉銃器』『◉犯罪』

成功した場合は以下の情報を得られるが、失敗した場合はこれ以上何も情報が得られず手詰まりとなってしまうだろう(ゲームオーバー、エンディングへ)。

・重サイバネ傭兵のカナガワ
→キョート共和国との軍事境界線付近を数日動き回った後にネオサイタマへ帰還している
・フリーランス傭兵ニンジャのディヴァージョン
→ケオサキ付近を動き回っていたが、オナタカミ本社方面に向かった後に突然位置情報が途絶。数時間した後またケオサキに居るということになり、その後帰還。
・アウトロー上がりのイシザキ
→イケブクロ・ストリートでほぼ1日留まった後帰還。

ここまで来ると、あとは本人たちに話を聞くしかないだろう。
あなたは3人に今まで集めた情報を元に直接話を聞きに行くことにした。
やましい事がなければ素直に話すだろう。

■重サイバネ傭兵のカナガワ

あなたがカナガワに集めた情報を持って話を聞きに行くと、カナガワはめんどくさそうな表情をしながら話をしてくれた。

カナガワ「俺はキョートとネオサイタマの軍事境界線で2日前に小競り合いが起きた時に、確かにタケミカズチのテストを行ったがそれっきりだ。オナタカミ系の傭兵も居たが関わってねえ」

あなたはカナガワのこの話を聞いて、本当のことを言っているか、嘘を言っているかを見極めなければならない。
ニューロンHARD判定を行い、成功すると嘘を言っていないと確信できるので他の2人に話を聞きに行くことになるが、失敗した場合は嘘を言っているか否か判然としないため、報告してあとは身内で調査させるか、カナガワが犯人であるとでっち上げようと考えるだろうが、他2人の話も聞いた方がいいだろう。

■フリーランス傭兵ニンジャのディヴァージョン

ディヴァージョンはあなたがモータルであれニンジャであれ、傭兵として接してくるだろう。
なお、このシナリオでモータルPCのニンジャリアリティショック判定は発生しないものとする

ディヴァージョン「ふむ、私が疑われているというのか。私がオナタカミの本社付近に行って位置情報が忽然と消えていたからだろうな。だが勘違いするな?私はフリーランスの傭兵だ、何もオムラとしか仕事をしないわけではない。オナタカミからも仕事を受けることもあるからな」

ディヴァージョンの話を聞いたあなたは、どこか引っかかるような気がした。
ニューロンU-HARD判定を行い、成功するとディヴァージョンが何かしら嘘をついていると確信できるため、さらに問い詰めよう(裏切り者は……お前だ!へ)。
失敗した場合は特に何もわからないためスルーするだろう。
手に入れた情報からしてディヴァージョンが怪しいのは誰が見ても明らかだが、報告してあとは身内で調査させるべきか?他2人を調べてから判断しよう。

■アウトロー上がりのイシザキ

イシザキ「アイエッ!?また俺を〆に来たのか!?」

イシザキは訪ねてきたあなたを見るや、怯えたような態度を見せる。
どうやら、イッキ・ウチコワシ相手にタケミカヅチを破損させたことで大分〆られたようだ。
あなたが落ち着かせて話を聞くと、イシザキはこう答える。

イシザキ「オナタカミなんて俺は知らねえぞ!?元々俺はオムラの傭兵にちょっかい掛けて捕まった上、無理やりここに入れられたんだからな!?」

ヒステリック気味に言うイシザキ。
ここでニューロンHARD判定を行い、成功すると嘘を言っていないと確信できるので、他の2人に話を聞きに行くことになるが、失敗した場合は嘘を言っているか否か判然としないため、報告してあとは身内で調査させるか、イシザキが犯人であるとでっち上げようと考えるだろうが、他2人の話も聞いた方がいいだろう。

裏切り者は……お前だ!

話を聞き終えた後、あなたは熟考するが、先のニューロン判定に成功した数により変化する。

・ディヴァージョンに対するニューロン判定に成功しているが、他2人のうちどちらかに対してのニューロン判定に失敗している。
→ディヴァージョンがクロとしか思えないので、そのまま問い詰めに行く。

・ディヴァージョンに対するニューロン判定に失敗しているが、他2人のうちどちらかに対してのニューロン判定に成功している。
→ディープスロートを名乗る謎の人物から情報を押し付けられる。だが情報は精査されていないのでニューロンHARD判定を行う。成功すればディヴァージョンがクロであると確信するので、問い詰めに行く。失敗した場合は2人のうち誰かを犯人としてでっち上げよう(エンディングへ)。

・3人共判定に失敗している
→確たる証拠はないが、ディヴァージョンを除く2人のうち誰かを犯人としてでっち上げよう。後は身内でなんとかしてくれるだろう(エンディングへ)。

■ディヴァージョンを問い詰めろ

あなたは集めた情報を元に、ディヴァージョンのところへ再び向かう。
しかし、自分がクロだと勘付かれたディヴァージョンはあなたが来るや、閃光手榴弾を投げて逃走。
あなたはその背を追いかける!
脚力HARD判定を行い、成功すると追いつくことができるが失敗すると引き離されてしまう。
判定は3回まで可能で、3回とも失敗してしまうと完全に逃げられてしまい、追跡は不可能となる。ディヴァージョンが犯人だというのは分かったので、オムラ内々で片付けてもらおう(エンディングへ)。

追いつけばあなたいつの間にかケオサキの廃倉庫まで来ているだろう。
そしてそこでディヴァージョンはこう暴露する。

ディヴァージョン「たしかに私がタケミカヅチの情報をオナタカミに流した。だがこれはオムラ側に非がある!私はオナタカミの試作兵器に関する情報を流していたというのに、全くもって報酬がしょっぱい!報酬の引き上げ交渉をしても、あいつらは聞く耳持たずだったからな。だからオムラの試作兵器に関する情報をオナタカミに流して売ったに過ぎん」

話し終えた後、ディヴァージョンはタケミカヅチをあなたに構えて発射する姿勢を取るだろう。
投降しろなど話し合いの余地はもはやない、一触即発アトモスフィア!

■ディヴァージョン戦

ここからディヴァージョンとの戦闘になる。
勝利条件は3ターン生き延びるか、3ターン以内にディヴァージョンに6ダメージを与えて戦闘不能状態にするのいずれか。

ディヴァージョンのイニシアチブは【ニューロン】7として扱い、攻撃はタケミカヅチによる射撃1発のみで、射撃判定は自動成功、【装甲貫通1】の1d3ダメージ。
回避判定はNORMAL(モータルはHARD)だ。
なおディヴァージョンは1回の攻撃につき回避ダイス1個、サツバツ以上は3個を消費して回避を試み、回避ダイスの最大数は5とする。
当然、あなたの【体力】が0以下になれば死亡もしくは爆発四散(キャラロスト)し、ディヴァージョンは逃げおおせるだろう(ゲームオーバー、エンディングへ)。

■新たなニンジャの乱入

3ターン生き延びるか、3ターン以内にディヴァージョンに6ダメージを与えて戦闘不能状態にした場合。

CRAAAAAAAAASH!!

突如ジェットパックを装備した新たな重サイバネニンジャが乱入してきたかと思えば、ディヴァージョンとあなたにアイサツする。

「ドーモ、バレットフェイタリティです。ディヴァージョン=サン、貴様を始末しに来た。オムラの機密情報流出の罪でな」

バレットフェイタリティはあなたに目もくれず、戦闘不能かまだ立っているかを問わず、オムラ・アンチマテリアルライフルでディヴァージョンを攻撃する。
ディヴァージョンは、バレットフェイタリティの突然のエントリーに動揺して回避が行えず、頭を撃ち抜かれる―――というよりは射撃粉砕された。

「サヨナラ!」

ディヴァージョンは爆発四散した。
バレットフェイタリティは、オムラ・アンチマテリアルライフルを下ろすとあなたに敬礼し、去っていった。

エンディング

■ディヴァージョンが爆発四散している場合

あれから数日が経過した。
タケミカヅチのデータが流出したとは言うが、オムラは発売を決定したことを公表。
どうやらオナタカミに流されたのは囮用の偽データだったとのことを、あなたは風のうわさで知るだろう。

■犯人をでっち上げていた場合

あれから数日が経過した。
タケミカヅチのデータが流出したとは言うが、オムラは発売を決定したことを公表。
どうやらオナタカミに流されたのは囮用の偽データだったとのことと、カナガワもしくはイシザキがインタビュー(尋問)を受けてオナタカミに情報を流していたと自白し、バレットフェイタリティというニンジャに処刑されたということをあなたは風のうわさで知るだろう。

A:ディヴァージョンが犯人だと突き止め、バレットフェイタリティの処刑に立ち会った
 【万札】25 【名声】+1

A:ディヴァージョンが犯人だと突き止めたが、バレットフェイタリティの処刑に立ち会えなかった。
 【万札】15 【名声】変動なし

C:ディヴァージョンが犯人だと突き止められず、カナガワかイシザキを犯人としてでっち上げた。
 【万札】5【名声】変動なし

D:一切情報を得られず、手詰まりとなって諦めた。
  報酬なし、【名声】-1

余暇日数:4日

◆忍◆ ニンジャ名鑑【ディヴァージョン】◆殺◆
オナタカミとオムラ両方に傭兵として所属していた重サイバネのフリーランス傭兵ニンジャ。
オムラの企業スパイだと思われていたが、実はオナタカミの企業スパイでもあったという二重スパイ。
淡々だが与えられた仕事はきっちりこなす真面目さが評価されていたようだが、それは適切な報酬が支払われればの話で、かなりカネにがめつい。

◆忍◆ ニンジャ名鑑【バレットフェイタリティ】◆殺◆
オムラに所属する傭兵が、何かしら重大な損害をもたらした時に現れる、処刑専門の重サイバネニンジャ。
オムラ・アンチマテリアルライフルを得物とし、損害をもたらした傭兵を確実に仕留める。
かの電子戦争時代は肉片王という異名を持つアンチマテリアルライフルの狙撃手だったらしい。

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