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忍殺TRPGリプレイ小説【フィスト・オブ・レジェンド】中編01

前回のあらすじ:失踪した元ソウカイ・シックスゲイツ、インターラプターの目撃情報を入手した、ハウスバーナーらチーム・ヒップ。彼をソウカイヤに連れ戻すため、トミモト・ストリートにやって来た一行は、ヒョットコの襲撃から浮浪者のイガキを救出した。さて、インターラプターはどこに?

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◆ハウスバーナー(種別:ニンジャ)
カラテ      10    体力       13
ニューロン     5    精神力       5
ワザマエ      6    脚力        5
ジツ        4    万札       43
DKK       0    名声       10

◇装備や特記事項
●連続攻撃2、二刀流装備時のみ近接攻撃ダイス&回避ダイス+2
☆カトン・ジツLV1
●サソリ・ファイティング・スタイル:連続攻撃2、近接攻撃ダメージ+1、
 射撃不可、連続側転難易度+2 その他は「タツジン(イアイドー)」と同じ
●ヒサツ・ワザ:サソリ・キック サマーソルトキック読み替えのカウンター技
 二刀流装備時のみ使用可能 ワザマエ10未満は回避難易度-1
●頑強なる肉体:体力+2

◆ナイフ2本(二刀流):強・防時のダイス-1、精密・フェイント時のダイス+1
◆サイバーサングラス:ワザマエ判定ダイス+2
◆TNスーツ:体力+1
◆ZBRアドレナリン注射器(使い切り):気絶者を蘇生、自分に使えば脚力+1

○生い立ち:錠前破り 物理錠前や物理罠の解除判定ダイス+1
◉知識:ストリートの流儀、ドラッグの知識
◉交渉:煽り、共感

能力値合計:29 回避ダイス:12 近接攻撃ダイス:12

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◆インパーミアブル(種別:ニンジャ)
カラテ       7    体力        8
ニューロン    10    精神力      10
ワザマエ      6    脚力        4
ジツ        0    万札       32
DKK       0    名声       11

◇装備や特記事項
●時間差、マルチターゲット、連続攻撃2
●IRCコトダマ空間認識
◆家族の写真:精神力+1、消費すると精神力4回復しDKK獲得やWasshoi判定を回避できる
○生い立ち:ブラインドタッチ 物理タイピングでのハッキング判定ダイス+1
◉知識:ハッカーの流儀、IRCネットワーク知識

▶▶サイバネアイLV2:ワザマエ判定ダイス+4
▶テッコLV1:カラテ判定ダイスと回避ダイス+1
▶生体LAN端子LV1:ニューロン判定ダイス+2、イニシアチブ+1
◆過剰サイバネ(4個):精神力-1

◆TNスーツ(体力+1)
◆LAN直結型ハンドガン:連射2、時間差・マルチターゲット可
 ●射撃スタイル・論理トリガ(集中時):ニューロンで射撃判定
  時間差・マルチターゲット使用可能
◆*LAN直結型デッカーガン"イヌイ- MK2"*(セキュリティ未解除)
 装備前提:生体LAN端子、サイバネアイLV2、テッコLV2
 遠隔武器、拳銃、連射2、時間差、マルチターゲット、ダメージ2、対ニンジャ仕様

能力値合計:23 回避ダイス:11

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◆ポイズンバタフライ(種別:ニンジャ)
カラテ       7    体力        8
ニューロン     6    精神力       7
ワザマエ     10    脚力        5
ジツ        3    万札       59
DKK       0    名声       10

◇装備や特記事項
●連射2、連続攻撃2
◉◉タツジン(イアイドー):カタナ攻撃の出目6成功時に痛打+1、ペナルティなし
 ●戦闘スタイル:
  強化精密攻撃:ワザマエで攻撃判定 殺伐(66)、ナムアミダブツ(665)発生可
  強化強攻撃:攻撃判定難易度+1、基本ダメージ2 連続攻撃上限3
 ●移動スタイル:
  カスミ:回避ダイス1を獲得しつつ移動可能(脚力+2まで)
 ●イアイ反撃:回避判定出目に6を含んだ迎撃のダメージが2となる
☆カナシバリ・ジツ:LV3

◆TNスーツ(体力+1)、Pメンポ(精神力+1)、ブラッドカタナ
◆ウィルス入りフロッピー:ハッキング判定ダイス+3(使い捨て)
○生い立ち:言いくるめ 説得・脅迫判定に失敗しても1回だけ振り直せる
 モータルハンティング時に万札+1
◉知識:ヤクザの流儀、高級嗜好品の知識
◉交渉:威圧、欺き

能力値合計:26 回避ダイス:9
忘れてましたが、インパーミアブル=サンのサイバネには盗聴器が仕込まれており、動向や言動はソウカイヤに筒抜けのはずです。ただ今回は事情が事情のため、ハッキングで欺瞞情報を流すなどしてごまかしているとします。電算機室勤務のコトダマ視認ハッカーで名声も高いですし、それぐらいなんとかできるでしょう。ウォーロック=サンに気づかれねばいいのですが。

トミモト・ストリート

インターラプターらしき人物、「サカキ・ワタナベ」は、情報によればこのあたりの浮浪者の群れに混じっているところを目撃されたらしい。しかし、どこに。「サーペントは同類とか言うでしょ。ヤケミ=サン、知らない?」「俺はこの辺が地元ってわけじゃないが……まあ、見当をつけてみっか」

ワザマエ(素の値)かニューロンで捜索、難易度HARD。「ストリートの流儀」で判定ダイス+1。「旧世紀地下道網の知識」があれば+2。7D6で[3264631]=成功。マンホールの下だろうと見当をつける。

安宿街の雑魚寝モテルはほとんどが灯りもつけず、扉を閉ざして静まり返っている。強盗対策だ。ヤケミことハウスバーナーは、しばらく考えた後、下を指差した。「さっきイン……アメザキ=サンが言ってたな。浮浪者の溜まり場と言えば、下水道と相場が決まってる」「ああ。マンホールを探そう」

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少し歩き、二つめの十字路で一行は立ち止まった。「あったぜ。なんか地下にはあんまりいい思い出がねェが……」ハウスバーナーはマンホールの蓋をずらし、覗き込んだ。深い縦穴の底からは、目に刺さるようなアンモニア臭が漂ってくる。嗅ぎ慣れてはいるが、マスクをしていて良かったと言える。

ワザマエ(補正あり)かニューロンで判定、難易度NORMAL。サイバーサングラスで+2されて8D6、[31455615]=成功。
※追記:第2版のサイバーサングラスは、ワザマエ判定ダイスではなく射撃ダイスが増えるようになっていました。まあ今回はよしとします。

縦穴のはしごを良く見ると、最近誰かが昇降したような手足の跡がある。蓋も最近ずり動かされた形跡がある。「アタリ、かな」ハウスバーナーは先にはしごを下り、危険性がないか確かめる。水路の右脇の通路には、雨に濡れたいくつかの足跡。「良さそうだ。降りてこいよ、イガキ=サン」「ハイ」

下水道

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イガキ、インパーミアブル(アメザキ)、ポイズンバタフライ(カワヒラ)が順番にはしごを降りてくる。最後のひとりは内側から静かに蓋を閉める。「これでよし、と。足跡はこっちだ」「ハイ」4人はハウスバーナーを先頭に通路を進む。「あの、さっきのヒョットコって」「ああいうやつらさ」

「はあ」「結構、広範囲にいるらしいけどな。浮浪者狩りとかしてるヨタモノさ。炊き出しの噂を流して、あんたみたいなのを呼び集めてるのかもだ」「そうですか……」「しかし、アレだな。今更だが、どうやって潜り込む」「え」「案内人かなんかがついてないと、まずいだろ。怪しまれるぜ」

勢いでやって来たハウスバーナーは、割とノープランだ。「そりゃそうか。ここで待つ?」「迷い込んだ浮浪者ってことにすりゃ、イガキ=サンとヤケミ=サンはいけそうじゃないか」「そうかなあ。アメザキ=サンもどうだ」「もうちょいボロな格好して来なさいよ」「あんたもだ」「いやよ」

数分進むと錆びた鉄の扉があり、奥ゆかしい字体で「お先です」とある。「中から人の気配がするな。アタリだぜ」「ええと、どうすれば」「ひとまずイガキ=サン、行ってみなよ」「ええと、あの」ヒソヒソと話し合ううちに、鉄扉がギギギ……と内側から開いた。「おい、そこで何してる!」

「「アイエッ」」一行は振り返る。野太い声。たくましい腕。身長7フィートはあろう立派な体格。画像データと写真が一致した男。そして、みなぎるカラテとニンジャアトモスフィア!「ど、ドーモ」ハウスバーナーが会釈した。間違いない。彼こそがサカキ・ワタナベ、インターラプターだ。

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◆サカキ・ワタナベ/インターラプター(種別:ニンジャ)
カラテ      12    体力       14
ニューロン     4    精神力      10
ワザマエ      8    脚力        6
ジツ        5    万札       10

◇装備や特記事項
◆家族の写真:精神力+1
◆違法オハギ重箱:精神力+5 使用すると精神力D6回復(出目6で食べ尽くす)
○深刻なオハギ中毒:戦闘ターン終了フェイズ時に精神力-D3(減少下限1)

●連続攻撃2、連射2
◉◉タツジン(アイキドー):防御型ザムラ・カラテ
 ●ジャスト防御:
  回避判定ダイスの成功数が攻撃側成功数を1個だけ上回っていた場合、迎撃の回避不能
 ●戦闘スタイル:アイキ投げ
  出目6を含む近接攻撃に弾き飛ばし効果を追加(方向を任意で指定)
 ●ワザ:当て身返し
  カウンターカラテが2ダメージ(ジャスト防御は1)
  回避されなかった場合、敵を任意の隣接マスに動かし攻撃フェイズを強制終了させる
 ●ワザ:ソードブレイカー 近接攻撃、出目665で発動
  殺伐出目5の両腕破壊(回避HARD)、敵を任意の隣接マスに強制移動
 ●ワザ:カタパルト・スロー カウンターカラテの出目66で発動
  2ダメージ(回避HARD、ジャスト防御なら2ダメージかつ回避不能)
  敵を任意の方向へ弾き飛ばし、攻撃フェイズを強制終了 ターン中1回限り使用
  ジャスト防御でも弾き飛ばしに対する激突回避は可能
◉ヒサツ・ワザ:タタミ・ケン(ポン・パンチ扱い、出目666で発動)
 痛打+2D3(回避U-HARD)、弾き飛ばし 回避ダイス2か精神力1を消費
◉頑強なる肉体:体力+2

☆ムテキ・アティチュードLV3:使用するとダメージ軽減2、即死耐性
 ★ムテキ・マスタリー:精神力消費なしでムテキ・アティチュード行使可能
 ★剛力:出目6を含む近接攻撃のダメージ+1
 ★強化カラダチ:ムテキ・アティチュードで敵の近接攻撃ダメージを0にした場合、
  連続攻撃が残っていても敵の攻撃を終了させ、拘束する(回避判定HARD)。
  拘束状態の敵に近接攻撃する時、出目6が2つでタタミ・ケンが発動する。
  拘束は一度に1人だけで、2人目を拘束すると1人目は拘束を脱する。

能力値合計:34 回避ダイス:12
弱体化しているとはいえ相当なツワモノです。オハギ中毒があるにしても、チーム・ヒップが束になってかかって勝てるでしょうか。ムテキ・アティチュードを発動すればダメージ軽減2と即死耐性がついてしまうため、運良くカナシバリが効いた時に殺伐を出すぐらいしか勝ち目がなさそうです。元シックス・ゲイツ最強の名は伊達ではありません。全盛期だとカラテ16、ニューロン8、ワザマエ10以上は少なくともあったとされています。コワイ!

ワタナベも会釈した。「ドーモ。どうした」「あ、あの、この人がここまで来たいからと」「ど、ドーモ」「ほう。誰がここのことを教えた?」「アイエッ、あの」「怪しいな。それに、そこの3人。浮浪者にも見えんが」ワタナベの語気と眼光は鋭い。彼はここのヨージンボ、というわけだ。

インパーミアブルとポイズンバタフライが、無言でハウスバーナーを見た。彼らをここまで連れてきたのはハウスバーナーだ。交渉せねばなるまい。

ハウスバーナーがワザマエかニューロンで交渉、難易度はU-HARD。「ストリートの流儀」と「ドラッグの知識」があるため、どちらかで判定ダイスが+2される。また「共感」の交渉スキルで判定ダイスが+2される。最大で+4だ。さらにサイバーサングラスでワザマエ判定ダイス+2となり、素のワザマエが6あるため6+2+4=12もダイスが振れる。[226213656142]=成功!しかも6が3つもあるためナムアミダブツ!が発生…するかどうかわからないが、なんか良いことが起きると思う。

ハウスバーナーは必死でニューロンを回転させ、彼をよく観察する。目を血走らせた恐ろしげな顔は、単にこちらを警戒しているだけでもなさそうだ。彼の震える手元には重箱があり、口元と片手が黒いペースト上のもので汚れている。見覚えがあった。オハギだ。疲労を忘れさせ、酩酊させる甘味。

その甘味には実際依存性があり、深刻な中毒者も少なからず存在する。重篤になれば血中にアンコだか糖分だかが溶け込み、専門の医療機関での治療が必要になるという。バリキやシャカリキなどのドラッグを愛好して来た彼には、そうした知識がある。「えと……あの、どうぞ。オハギ、途中でしょ」

「エッ」「あいや、俺も好きなもんで」「あ、ああ」ワタナベは後ろ手でそっと扉を閉めると、重箱からオハギを2つ取り出し、後ろを向いてがつがつと貪り食った。……しばし、動きが止まる。「ああー……あまーい……」酩酊した声。やはり、彼は。「ああ……すまんな、色々あるんだよ、男にはな」

振り返ったワタナベは赤面しており、バツの悪そうな顔で頭をかいた。「とにかく、あんたらは通せない。きまりだからな。浮浪者の人は入っていい。俺はここのヨージンボの、ワタナベだ。あんた、名前は?」「あの、イガキです。えーと、この人たち、悪い人じゃなさそうです」「きまりなんだ」

ワタナベはがんとして譲らない。ハウスバーナーは食い下がった。「じゃ、入りません。けど、お話したいことがあります。ワタナベ=サン」「ああ、俺に用か。わかってる、帰れ。もう来るな」にべもない。イガキは鼻を鳴らし、通路に座り込んだ。「聞いてあげて下さいよ。それまで入りません」

ワタナベはきょとんとし、苦笑した。「そうか。じゃあまあ、話を聞くだけ聞いてやろう。……個人的な事情があるんで、向こうの部屋でな。それと、あんただけだ。えーと」「ヤケミです。ヤケミ・ノツ」「そうか。そこの2人はイガキ=サンを護衛しててくれ。すぐ戻る」4人は一斉にオジギした。

別室

通路の暗がりには別に扉があり、狭い部屋があった。中には机と椅子がいくつかあるだけ。「管理人室とかだったんだろ。まあ座ってくれや」「ハイ。いえ、お先に」彼なりに礼儀を尽くし、オジギして、上座の椅子を引く。「そうか。じゃあ」「ドーモ」先にワタナベを座らせ、下座に座る。

ソニックブームとのつきあいで覚えた目上への礼儀だ。時々アジトに来て、もてなしを受けさせることで、こうした教育もしていたわけだろう。「なかなか礼儀正しいな。誰に習った?フマトニ=サンか?」「アイエッ」「俺を訪ねてくるヤクザ者のニンジャなんて、ソウカイ・シンジケートだけだろ」

ハウスバーナーはオジギして、彼の目を見る。「ドーモ、ハウスバーナーです」「ドーモ、サカキ・ワタナベこと……インターラプターです」互いにアイサツ。「そういうわけです。ラオモト=サンが探しておられます。どうか戻ってきて下さい」「断る。俺はソウカイヤを抜けた。もう関わらない」

二度目だ。それはまあ、そうだろう。彼には彼の生き方があり、守るものがある。自分が彼の立場ならそう言うしかない。とすると、彼に与えられるメリットは。「えと……ワタナベ=サン。オハギ中毒でしょ。俺もバリキ中毒とかやったから、わかります。ソウカイヤなら、いい医者が」「帰れ

三度目だ。これ以上はブッダも怒る。ハウスバーナーは深く頭を下げた。「スンマセンでした」「ああ。ここのことは誰にも言うな。後はつけられてないよな」「ハイ。IRC通信もごまかしてます。ご安心を」「まあいい。そろそろ移動の時期だったしな。最近はヒョットコどもの活動が激しくてよ」

「イガキ=サンも襲われてました」ワタナベが笑った。「お前らが助けたのか。見どころあるじゃあないか」「いや、まあ。見捨てるってのも性に合いませんし」ハウスバーナーが頭をかいた。「話がわかるやつでよかったよ。力づくで来られたら殺してたぜ」「俺らが束になっても無理です。たぶん」

大した裏表もない連中だとわかり、ワタナベは安心したようだ。大きな手を差し出して来た。「じゃあな。よろしくとは言わんが、無事を祈る」「そちらも」握手を交わす。すごい握力だ。「いて、てて」「カラテが足りんな。アイキドーでも習うといい」「え」ぐるり、と眼の前が回転して、戻る。

「腕力だけがカラテじゃない。これが、初歩の初歩だ」ハウスバーナーはきょとんとした。投げられて、一回転したのだ。僅かな動きだけで。「アリガトゴザイマシタ」再びオジギ。これは、インストラクションだ。貴重なものを得た。それだけでも、来た甲斐はあった。「わかったかな」「ハイ!」

インストラクションにより、ワザマエの「成長の壁」が1つ取り除かれた。

2人は扉を開け、鉄扉の前に戻る。「異常はなかったかな」「ハイ」「話は済んだ。帰ろうぜ」「もう? まあ、そうなるとは思ってたけど」「来てよかったよ」「それならいいが」イガキが立ち上がり、深々とオジギする。「ほんと、アリガトゴザイマシタ」「いいってことよ。利用しちまったな」

「じゃあ、改めまして」「ハイ。お世話になります」イガキはワタナベによって、鉄扉の中の浮浪者コミュニティに迎え入れられた。ニルヴァーナではないが、安心できる場所だ。彼がここを守っているなら、特に。「さて、付き合わせて悪かったな。酒でもおごるぜ」「高いのにしてね」「ははは」

……と、その時。

「あ、ちょっといいか。お前らに話がある。さっきの部屋で待っててくれ」「アッハイ」「ハイ」「ヨロコンデー」

ワタナベに言われて、3人は先ほどの別室で待機する。しばらくして、ワタナベが入ってきた。「いや、スマンスマン。そういうわけで俺はソウカイヤには戻れんが、個人的に頼みがある」「何でしょうか?」「実はここ最近、トミモト・ストリートにはヒョットコ以外にもツジギリが出ててな」

「ツジギリが」「ああ。サイバーツジギリかなんか知らんが、手口からして普通のサイコ野郎とは思えん。残留カラテも感じた。ニンジャのしわざだ」「そいつを、退治しろと?」「俺も夜回りとかして探し回っているんだが、恐れをなしてか襲って来ないし、どうも見つからん。手を貸してくれんか」

3人は顔を見合わせた。乗りかかった船だ。「いいですよ」「ありがとう。報酬は……まあ、こんなだし、大して出せないが、なんとか払うよ」「そのニンジャから奪い盗りゃ済みますよ。俺らこう見えて、それなりに稼いでるんで」「まあ出させてくれよ。もし見つけたら、俺を呼んでくれ」

ワタナベは胸を叩いた。「ところで、シックスゲイツのみんなは元気か?俺を呼びに来るってことは、なんかあったんだろ」「ええ、実は……」「なんだと!? コッカトリス=サンが!?」「その前にアースクエイク=サン、ヒュージシュリケン=サン、ビホルダー=サン、えーとあと誰だっけ……」

【続く】

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