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【つの版】忍殺TRPGリプレイ小説・ライナーノーツ73

 おれだ。溜まったのでやる。気がつけば4月もそろそろ終わり、GW…すなわちゴウランガ・ワンダーが迫っている。季節の変わり目で暑くなったり寒くなったり、晴れたり曇ったり雨が降ったり黄砂や花粉が飛んだり、地震が起きたり、いろいろ大変だ。おれは比較的無事だがおまえも無事だろうか。ファッキン・シリアス・ニンジャパワーを身につけるとだいたいなんとかなるので、今年のゴウランガ・ワンダーはニンジャしてカラテしろ。

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総合目次◇ ◇時系列


【イン・ザ・ケージ、イン・ザ・フォレスト】

 タイトルはアニメ『ダンジョン飯』第2クールOPの歌詞からだ。珍奇なパーティーがハードな方に賭け、森の中の檻の中で勇敢に戦い、運命を祈り願い、雷鳴めいて上司が怒鳴り、ギフトライクな妙縁に出逢うことになる。神の宮ならぬキョート城に慕情を抱き根ざしていた思想はベキベキにされた。

 面白そうなシナリオがPOPしたのでやってみた。おれの次元はすでにザイバツがほぼ壊滅しているので、ワイルドハントも余暇でオンセンに行くどころではない。となると、キョジツテンカンホーの残滓を拡大するため魔術的ビーコンを各地の霊地に打ち込みに行くことになる。そのついでにオンセンに入ればいいわけだ。ヤマ山地はオヒガンに通じる霊地とされるし、元シナリオでは「徳川エドワード家康がお忍びで訪れた」とあるから、そういうことだろう。壁超え1つのザイバツニンジャのソロシナリオゆえヤクシニーやナーギニーを出すわけにもいかず、こないだワイルドハントに現地採用されていたイエローフィストの出番となる。男女2人組だが一応ワイルドハントは奥ゆかしい武人肌の男だし、部下にセクハラはしないだろう。

 山道を遮る障害を排除し、目指すは秘境のオンセンだ。せっかくなので原作小説の岡山県オンセン回「ギルティ・オブ・ビーイング・ニンジャ」の描写を拝借した。そういやあれもザイバツ残党が敵だったな。あいにくユカノやヤクザ天狗はおらず、イエローフィストが入浴したりはしないが、ワイルドハントとフジキドが混浴する羽目になった。なんたる初対面か。

 別にワイルドハントを暗殺しに来たわけでもないと思うが、隣の部屋にニンジャが2人いるのを訝しんで様子を探りに来たのかも知れない。道中で山賊とはいえイエローフィストがモータルを殺しているし、霊脈を通じてその怨念が届いたというのもあり得ることではあろう。ナラク・ニンジャの血液はオンセンの成分めいて鉄と硫黄でできている。

 そしてザイバツを壊滅させた男がワイルドハントを見逃すはずもなく、ワイルドハントも引き下がるわけには行かない。フジキドがナラク休眠中で弱体化しているとはいえ、イエローフィスト単独で挑むと流石に死ぬし、ワイルドハントと二人がかりでイクサとなろう。元シナリオとは異なる展開だ。

 そういうわけで、マルノウチでのイクサではいいところのなかったワイルドハントとその部下1名がニンジャスレイヤーに挑む。グラマスをも倒した相手にマスター1名とアデプト1名で勝てるとも思えんが、共振化やヌンチャク、ナラク化を含めての理不尽な連戦に押し負けたからではあり(ケイビインには単独でなかったし)、ナラク休眠で弱体化したフジキドなら、囲んで殴れば倒せない相手ではない。イエローフィストもムテキとジュー・ジツ持ちの難敵だ。コマ・ジツで巨大コマを作って轢殺し、オボロゲ連打とトライアングルリープ滅多蹴りで削りまくり、無傷とはいかないが善戦できた。

 だがニンジャスレイヤーの地力と底力が勝り、上司をかばうイエローフィストに急所破壊を命中させ、精神力を削って昏倒させた。こうなればワイルドハントに勝ち目は……オボロゲばかりでなく通常ムチ攻撃も交えれば出目次第であった可能性もあるが、情け容赦ないジュー・ジツで躱され、ポン・パンチを食らって敗北した。オンセンに包まれてあれ。

 イエローフィストもカイシャクされるところだったが、せっかくなのでオンセン回繋がりでラマに乗って現れたユカノに救助させ、ドラゴン・ドージョーに加わってもらうことにした。ヤマ山地は岡山県よりネオサイタマ都市部に近いし、ここにドージョーを築いても悪くはないな。イエローフィストにブッ殺された山賊たちの怨念は……まあフジキドがワイルドハントを殺したし、いいとしよう。ブッダは起きているしナラクも寝ている。

 ところで、キョジツテンカンホーを支えるビーコンを破壊するのはナラク解放に必要なクエストとしても、あまり破壊するとまたキンカク接近イベントが起きてヤバそうだ。ならば原作小説「アンダー・ザ・ブラック・サン」のようになんらかの手段でキョート城へ潜入し、バンブーエルフ救出ついでにどうにかするしかないかも知れない。ヤマ山地では神隠しが起きるというし、シルバーキーやポータル双子も交えてなんとかできないだろうか。

◆運◆

◆命◆

【トゥインクリング・アッシュ】

 タイトルはアニメ『ダンジョン飯』第2クールEDからだ。開かれたままの扉から騒音が流れ、連続側転失敗で距離が届かなくなり、爆発四散してキラキラの灰になり、しっかりしろと励まされ、化粧/化生のにおいがする。ヘンゲヨーカイでキメラになったりはしないが、人間はやめているな。

 ストリートニンジャかモータル、ソウカイヤのサンシタがソロで行う私的なミッションがPOPしたので、駆け出しソウカイニンジャのマインドシーカーくんちゃん=サンに白羽の矢が立った。ニューロンとワザマエはそこそこだがカラテが2しかなく、申し分のないサンシタだ。元シナリオでは騒音被害を止めるためにニンジャの自室へ踏み込むのだが、マインドシーカーなら相手がニンジャだとわかればソウカイヤのスカウト部門に連絡して引き取ってもらうだろうし、偶発的にニンジャソウル憑依直後の暴走発狂ニンジャに遭遇することにした。オンボロアパートに住んでいると大変だ。

 暴走ニンジャ・シュライエンはコダマ・ジツもベースギター(チェーンソー)攻撃もダメージ2なので、体力2のマインドシーカーが一撃貰えばオシマイだ。おれの次元では憑依直後暴走現象でニンジャの能力値が底上げされる仕様となっており、単体では敵わない強敵になった。イッキ・ウチコワシめいた曲を叫ぶアンタイセイ・パンクスなためソウカイヤの勧誘にも従わず、攻撃を回避して逃げながらkill-9やカナシバリを当てていくしかない。

 幸いベースギターを抱えたままでは側転が難しいが、背負って側転して素手のカラテで連続攻撃もできるため恐ろしい。結構善戦したものの、地力では敵わず一撃喰らい、昏倒してしまった。このままではカイシャクされて死ぬ、というところへ、元シナリオどおりにヤモトオルタことスパイダーリリィがエントリーする。おれの次元ではヤモトとは別に存在し、ヤクザクランの女オヤブンとして活動し、ソニックブームとの一騎打ちにも勝って中立自治を勝ち取ったつわものだ。ヤクザとはいえベースがヤモトなので、弱い者いじめは捨て置けない。

 だが暴走状態のシュライエンは案外強く、ウルトラハードモードでもあったため、反撃されていきなり腕に重傷を負ってしまった。文字通りソニック(音の)ブーム(衝撃波)で戦うからソニックブームオルタだったのかも知れない。ヤモトはパンク・ニンジャとも縁があるな。だがスパリリの方が手数が多く、カラテバリア迎撃を食らわせてなんとか倒した。そして生かしておく理由もないし、そのままカイシャクされてキラキラの灰になった。ナムアミダブツ。マインドシーカーが体力を削っていたので、戦ったのも無駄ではなかったな。名声とトロ粉末とZBRを失ったが、スパリリと面識が出来て額同士をコツンされたのでトントンとしてくれ。

◆化粧のにおい◆

◆化生のにおいがして◆

【リインカーネーション・オブ・ザ・ゴッデス】

 タイトルはゲーム『女神転生』シリーズからだ。ヤモトではないアーチ級ニンジャソウル憑依者の少女がニチョームに現れ、ハッキングを駆使してサーベラスやサイクロプスらと戦う。ザクロ=サンはイザナミならぬネザークイーン(地下の女王)であり、女神かボディサットヴァの化身めいて慈悲深い。ケオスの魔都ネオサイタマは現在秩序と混沌が対立しており、ニチョームは混沌寄りの中立を保って域内秩序を維持せねばならない難しい立場だ。

 単発シナリオばかりだと方向性がなく続けにくいので、久しぶりにキャンペイグン・シナリオを借りることにした。チーム・アシッドウルフのキャンペイグン・シナリオは途中で止まっているが、原作第三部のクライマックスに入ってアマクダリとの最終決戦になりそうなので、そこへ追いつくまでに周囲の状況を整えておく必要があるのだ。しかしまだソウカイヤが滅んでないため、いろいろ辻褄をあわせねばならない。

 元シナリオでは第一部終了直後で、ラオやんが殺されてソウカイヤが崩壊し、ザイバツがニチョームに攻め込んでくるのだが、いきなりナレ死させるのもなんだしザイバツが先に滅んだので、キョジツテンカンホーの網目にまぎれてザイバツ残党がニチョームに出没し始めたということにした。奥ゆかしくしていればそのまま潜伏できるのだが、サイクロプス=サンとかに奥ゆかしくしていろというのは難しいだろう。絵馴染にはソーンヴァイン=サンの代わりに、謎めいた少女ニンジャ・ドミネイターがやってくる。

 そんなわけで、ザクロや傭兵ニンジャ2名も交えての4名でザイバツニンジャたちとの戦いだ。ジプシードッグはアンブッシュkill-9で倒されたので相手は2名だが、サイクロプス=サンを結構強くしたため手こずったな。しかし流石に多勢に無勢、囲んで殴られ御用となった。殺すとカネにならないためソウカイヤに引き渡せば報酬が得られるが、あくまで相手が奥ゆかしくしていなかったためであり、報酬目当てにニチョームでザイバツニンジャを狩るのはご法度だ。ザイバツが滅んだという情報もまだ広まっていないだろう。

 そうした政治状況とかニチョーム自警団の振る舞いとかをザクロの口からレクチャーさせるのはいいとして、元シナリオではこの後ザイバツニンジャが大挙してニチョームに押し寄せ、それらを率いるデスナイトと戦うことになる。だがおれの次元ではデスナイトはとうに爆発四散しており、ザイバツニンジャが押し寄せてくるような状況でもない。となると……罪罰の網目の隙間から狂ったザイバツニンジャが漏れ出して襲ってくる、とするのがよかろう。降りかかる火の粉は払わねば死ぬし、罪罰の網目で局所的異界化現象を起こさせればPCたちの逃げ道も塞げる。デスナイトを復活させるわけにもいかないため、そういえば出番のなかったグラディエイター=サンがサイクロプスと連鎖召喚されてエントリーだ。実力的にはデスナイトと遜色ない。

 グラディエイターは「不如帰」持ちかつグラディウス・ドーのタツジンなので、3対1でも結構戦える。しかし名声5のニンジャ3人に囲んで殴られればジリー・プアーだ。このまま倒させてもよかったが、あまり捕虜を増やしても困るし、ギリギリのところで状況判断して撤退させた。地下下水道をねぐらにしているとすれば次のシナリオにも繋げやすい。大規模な討伐隊を派遣して地上にザイバツニンジャが溢れ出ても困るし、秩序を維持するためにはあまり手出ししない方が賢明だろう。

◆女神◆

◆転生◆

【ディープ・ストレンジ・ジャーニー】

 タイトルはゲーム『真・女神転生 DEEP STRANGE JOURNY』からだ。地下下水道の奥深くへ奇妙な旅をすることになる。ダンジョン飯ではない。

 そういうわけで、前回の続きだ。このキャンペイグンは成長ルールが独特なので成長しにくいが、ソウカイヤとかみたいなトレーニング施設もないし仕方ない。今回は元シナリオではヨルジ派ソウカイニンジャにさらわれて卓球されているナンシーを救出しに行くのだが、フジキドに任せればいい気もするし、前にザクロから依頼を受けたことのあるファイアキラーを救出することにした。ハッカー系ソウルとタツジン:ハッカー持ちだから似たようなことはできるだろうし、また変な異世界へ転移していたのかも知れない。スゴロクめいたマップ移動でダイスを振ったらいきなりイビが出たしな。

 だがヨルジ派とはいえソウカイニンジャをニチョーム自警団と戦わせると問題だし、バックラッシュがこの次元ではザイバツだったので、ザイバツの残党が前回通りに地下下水道でたむろしているものとした。フジキドが各地のビーコンを破壊しているので、いつぞやより罪罰の網目が薄くなってきているのかも知れない。元シナリオより多少強化したものの、どいつもこいつも壁も超えていないサンシタだ。こちらは全員壁1超えてて手数も多いため回避ダイスが3しかないゼブラパンサーがアンブッシュで倒れ、回避ダイス4のパルススティンガーもイアイを食らって重傷を負う有様だ。ニチョーム自警団が管轄区域外で暴力するのもどうかと思うが、全員倒せば問題ない。

 乱戦状態ではあるが、トライアングルリープありでのピストルカラテとボックスカラテはやたらと強く、パルススティンガー、ガニメデ、エンフォーサーと弱い順にバタバタと倒れていく。しかし敵にも援軍あり、2人に減ったところで意外な2人、デッドラインとアイアンフィストのエントリーだ。ザイバツニンジャなのかヨルジ派なのかは定かでないが、重箱データによれば一応壁1つを超えた手練れであり、サンシタ5人の生き残りと組めば相当に厄介だ。7対3か6対3ならば、こっちも囲んで殴られてやられかねなかった(乱戦ルールがあるから1人には2人までしか攻撃できないが)。

 しかしこちらの地力と底力が勝り、体力と回避ダイスが低めなトマホークとデッドラインをなんとか落とした。乱戦が解除され3対1となれば、アイアンフィストといえど不如帰もない以上は勝ち目はない。降伏勧告を受諾し、交渉して逃げようとしたところへ、インターセプター&ニンジャスレイヤーならぬファイアキラー&ミーミーが異次元からエントリーした。気絶していた連中はミーミーの炎でやられただろうが、アイアンフィストはどさくさに紛れて逃げおおせたかも知れないし、ミーミーにとっつかまって異世界へ拉致されているかも知れない。備えよう。

◆秩序◆

◆混沌◆

 今は以上だ。また溜まったらやる。次は名鑑だ。

【以上です】

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