忍殺TRPGリプレイ【フライデー・ザ・サーティーンス】01
ドーモ、三宅つのです。これはまっさん=サンのソロシナリオ「ゼロ・トレラント・サンスイ」および同名の原作小説を元にしたリプレイ小説です。ネタバレにご注意ください。
原作エピソードの再現シナリオで、戦友を殺したニンジャスレイヤー(ないしそれに匹敵する強敵)を追跡し、戦い、殺されることを前提としたサツバツでショッギョ・ムッジョなミニシナリオです。このところ長めのシナリオが続いたので、息抜きにやってみましょう。つの次元のフジキドは今キョートにいますが、時系列シャッフルしてもいいですし、キョートのザイバツニンジャが挑むとしてもいいでしょう。では、ニンジャを作成します。
ニンジャ創造
作りたてのニュービーだとすぐ死んでしまいますし、イクエイションやミニットマンはそれなりに手練れでしたから、今回は16ポイントか28ポイントスクラッチで作ってみましょう。すでに殺された方のステータスは必要ありませんが、どんなニンジャだったかという情報にはなります。
せっかくなので28ポイントスクラッチビルドで作ります。すなわち28ポイントを4つの基本能力値に割り振り、名声10の中堅ニンジャとしてスタートさせます。カラテ・ニューロン・ワザマエは6までは1ポイント、7以上(上限9)は2ポイントで、ジツは3までは2ポイント、4以上(上限5)は3ポイントで1上昇させられます。成長の壁1は2個まで取り除いています。
ゼロから作るのは難しいので、例によって生い立ち表と公式の「ニンジャPCメーカー」を組み合わせてランダムに作成します。2D6[23]=実家のカネ。続いてこれをニンジャPCメーカーに名前として入力し、ベースとなるニンジャを作成します。
実家のカネ=サン、おまえはニンジャになった
◆ニンジャネーム:ブラックアサシン
【カラテ】3【ニューロン】6【ワザマエ】2【ジツ】1(謎めいたニンジャソウルLv1)
【体力】3【精神力】6【脚力】2【回避】6 【交渉】2【名声】1【万札】0【DKK】0
生い立ちは『○アンタイブディズム・ブラックメタリスト』。知識スキルは『◉知識:宗教』。
初期装備は『トロ粉末』。初期サイバネは『ヒキャク(ローンあり)』だ。
背景タイプ『恐怖や諦観』
能力値合計は3+6+2+2=13。これに15を足します。性別は1D6を振って奇数なら男性、偶数なら女性。[1]=男性です。ABBMなのでチェーンソー扱いの大型武器と「ニンジャソウルの闇」を持ち、生い立ちから知識「オカルト」「現代的アート」、初期知識で2D6[31]=ファッションを持ちます。さらに万札80(ローンは10まで)を与えられ、武器・防具・アイテム・サイバネ(ABBMなので入れないでしょうが)・スキル(◉1つ万札10)を自由に購入できます。整理して調整するとこうなります。
ニンジャ完成
◆ブラックアサシン(種別:ニンジャ)
カラテ 3>9 体力 3>11
ニューロン 6 精神力 6>7
ワザマエ 2>7 脚力 6/H
ジツ 1 万札 80>0
DKK 0 名声 10
攻撃/射撃/機先/電脳 10/ 7/ 6/ 6
回避/精密/側転/発動 11/ 7/ 7/ 0
即応ダイス:4 緊急回避ダイス:1
◇装備や所持品
◆ツルギ(大型近接武器):ダメージ2、攻撃難易度H、側転難易度+2
●切断攻撃:集中時に出目65で殺伐発生
◆伝統的ニンジャ装束:回避と即応+1
◆ニンジャブレーサー:回避と緊急回避+1
◇ジツやスキル
☆謎めいたニンジャソウルLV1:体力と精神力+1
◉ニンジャソウルの闇(1):攻撃・射撃・発動・体力+1
◉◉タツジン:ツルギ ツルギでの攻撃出目6で痛打+1か貫通1
●トータルマサカー:出目665+で発動 貫通・痛打・殺伐なし(解体攻撃あり)
命中した敵は続く連続攻撃を回避不能となる
●精密刺突:ワザマエHで攻撃判定、ダメージ1、貫通D3、連続攻撃上限2
出目666で殺伐、6666でナムアミダブツ発生
●解体攻撃:連続攻撃上限3 出目65+で特殊殺伐発生 666でナムアミダブツ
1D6を振って出目1・2で頭部、3・4で脚部、5・6で両腕破壊
◉常人の三倍の脚力:脚力+1、側転難易度-1
◉トライアングルリープ
◉頑強なる肉体:体力+2
◉憎悪:ニンジャスレイヤー
●連続攻撃2、連射2
○生い立ち:ABBM
◉知識:宗教、オカルト、現代的アート、ファッション 記憶
○背景:恐怖や諦観
能力値合計:13>24
なかなかの手練れですが、グランドマスターをも屠るニンジャスレイヤーとの一騎打ちでは瞬殺されそうです。常に共振状態ではないので第一段階ならいい勝負かもですが、運良く倒せても復活します。
相方も作ってみましょう。2D6[31]=刀剣マニア。これを診断メーカーに入力すると…
刀剣マニア=サン、おまえはニンジャになった
◆ニンジャネーム:ゴールデンウルフ
【カラテ】3【ニューロン】1【ワザマエ】1【ジツ】0(代わりに初期スキルを1個選択)
【体力】3【精神力】1【脚力】2【回避】3 【交渉】1【名声】1【万札】0【DKK】0
生い立ちは『○未覚醒のアーチ級ニンジャソウル憑依者』。知識スキルは『◉知識:ビークル』。
初期装備は『トロ粉末』。初期サイバネは『サイバネアイ(ローンあり)』だ。
背景タイプ『心酔や従順』
ナムサン、ちょうど同名のザイバツニンジャがいます。しかも以前ニンジャスレイヤーとチームで遭遇し、逃げ延びています。彼らが全滅して上司が出てきたとしてもいいですが、なんか変なので生い立ち表をもう一度振りましょう。2D6[63]=放火魔。これを診断メーカーに入力すると…
放火魔=サン、おまえはニンジャになった
◆ニンジャネーム:シャープハッカー
【カラテ】2【ニューロン】4【ワザマエ】2【ジツ】3(ヘンゲヨーカイ・ジツLv3)
【体力】2【精神力】4【脚力】2【回避】4 【交渉】2【名声】1【万札】0【DKK】0
生い立ちは『○拷問好き』。知識スキルは『◉知識:バイオ系メガコーポ』。
初期装備は『トロ粉末』。初期サイバネは『無し』だ。
背景タイプ『全能感や野望』
ナムサン、この名前もY2K以前のニンジャ(フォーセイクン)がすでに持っています。めんどいのでこの二人をリミックスしましょう。
◆ニンジャネーム:シャープウルフ
【カラテ】5【ニューロン】5【ワザマエ】3【ジツ】3(ヘンゲヨーカイ・ジツLv3)
【体力】5【精神力】5【脚力】3【回避】5 【交渉】3【名声】2【万札】0【DKK】0
生い立ちは『○拷問好き』。知識スキルは『◉知識:ビークル』。
初期装備は『トロ粉末』。初期サイバネは『サイバネアイ(ローンあり)』だ。
背景タイプ『心酔や従順』
殺されたのはこのようなニンジャだったことになりました。拷問好きのサンシタですから殺される理由は十分ですし、上役がABBMの闇持ちですから辻褄も合いますね。死に様は殺伐表で1D6[4]=脚部破壊、[2]=頭部破壊。
では、始めます。
◆◆◆
序
ぞっとするほど冷たいコンクリートの感触を全身で味わいながら、ブラックアサシンは先程のイクサを思い出していた。
ブラックアサシンの体を、重金属酸性下水がしとどに濡らす。しかしこの水はブッダセイタンの計らいだ。ニンジャに涙は許されぬのだから。おお。おお、シャープウルフ。我が弟子よ。ブラックアサシンは目を閉じた。脳裏に浮かび上がるのは、彼の絶命の瞬間である。
『サヨナラ!』ニンジャスレイヤーの無慈悲な一撃は、すれ違いざまにシャープウルフの首を刎ね飛ばしたのだ。許さぬ。そして、安らかに。……ブラックアサシンは顔を上げた。彼が生存したのは、続くニンジャスレイヤーの一撃を防いで弾き飛ばされ、アンダーガイオン下層の闇へ落下したからだ。
ニンジャスレイヤーは追って来なかった。別のザイバツニンジャが即座にアンブッシュし、やつを追い払ったか。あるいは。……その判断の誤りを、死をもって後悔させてやろう。ブラックアサシンは、使い慣れぬIRC端末を懐から探り出し、チェックした。目指すはニンジャスレイヤーのアジトだ。
シャープウルフは、ただでは死ななかった。彼のサイバネアイには、微細な発信機が仕込まれていた。それは気づかぬうちにニンジャスレイヤーの装束に張り付いて、位置情報をザイバツに知らせている。いずれマスター級のザイバツニンジャ部隊がそこを襲撃し、やつの協力者ごと皆殺しにする。
だが……それは待てぬ。ブラックアサシンは頑強な肉体にカラテをみなぎらせ、ニンジャ回復力で急速にダメージを回復させ、腐蝕したコンクリートの瓦礫と重金属酸性下水の中から起き上がった。アダウチし、弔いとする。キンボシ・オオキイなイサオシをあげ、マスター位階への昇進を果たす。
「アアアダブ!」彼は産声めいた反ブッダの声を呪わしく叫び、ブッダセイタンに復讐を誓う!殺すべし!ニンジャスレイヤー殺すべし!
追跡
……発信機の位置情報をトレースすること20分。ブラックアサシンは闇の奥底から這い上がり、アンダーガイオンの中層部に戻った。ついに彼はニンジャスレイヤーの後ろ姿を、とらえた。トレンチコートにハンチング帽、身長6フィートの男。うまくモータルに擬装しているが、隠し切れはしない。
地下街通路を歩きながら、ブラックアサシンは手近な浮浪者を殴り殺し、その衣服を剥ぎ取って身にまとった。彼の無慈悲な行いに異議を申し立てる者はいない。荒廃したストリートが続く。人混みと死んだ空気をかきわけ、ニンジャスレイヤーはさらに下層へと向かうリフト乗り場へ歩いていく。
無気力なゾンビのような労働者とともに、ニンジャスレイヤーとブラックアサシンはリフトに乗り込んだ。どの階層で降りる、ニンジャスレイヤー!
ブラックアサシンはニンジャ野伏力で気配を消しつつ、ニンジャスレイヤーを観察する。……血がポタポタと垂れ、靴やコートに滲んでいる。さては手負いか。震えながら奇妙な呼吸を繰り返している様子は、無視できぬダメージを負っている証拠だ。ニンジャ回復力で全回復する前に殺すべし!
……ガゴンプシュー……!リフトが止まったのは、最下層に近いアンダーガイオン第13階層だ。ニンジャスレイヤーは、ついにここで降りた。ブラックアサシンや、残り少ない労働者の何人かも降りる。ここには太陽も笑いも娯楽もない。鉱山採掘などの日雇労働が死ぬまで続く、ジゴクそのものだ。
天井は岩盤剥き出しで、最小限の鉄骨を張り渡して補強されたのみ。地面も舗装されておらず、硬い粘土質が露わになっている。光源は要所要所に配置されたタングステン・ボンボリのみ。おそらくニンジャスレイヤーは坑道のどこかにアジトを持っているのだろう。ブラックアサシンは追跡する!
……ニンジャスレイヤーがひとり入っていったのは、坑道の脇道の奥に作られた粗末なブッダテンプルであった。やつはザイバツの敵であるばかりかブディストだったのだ!彼のピュアなアンタイ・ブッダ精神が燃え上がる!幸い敵は一人、こちらに気づいてもいない!「AAARGHHHHH!」奇襲!
戦闘開始
【続く】
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