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聖杯戦争候補作

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つのが某所に投下した亜種聖杯戦争の候補作。落選多数。 鯖や鱒はご自由にお使い下さい。
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2022年5月の記事一覧

【つの版】二十三区聖杯候補作・ライナーノーツ

 おれだ。二十三区聖杯の募集が終わり、なんか投稿者による自作語りが流れてくるので、おれもついでにやる。ライナーノーツだ。と言っても自作語りはすでに各記事でやっているため、改めて振り返ってみるということになる。規制のせいでしたらばに投下できたのは一作だけだが、まあいい。  二十三区聖杯とはこのような企画だ。どれもすごいのばかりなので、おれのが通るかどうかはわからない。おまかせしよう。なおこれらは二次創作であるが、おれが書いたのでおれのものであり、参考にしてなんかに再利用したり

【聖杯戦争候補作】光るとき

 東京都文京区、某大学医学部附属病院、上層階の一室。 「本当に幸せを感じるって状況……あるよな……」  時刻は昼。うららかな日差しの下、談笑しながら行き交う人々を窓から眺めおろし、彼は目を細めた。 「幸せには……『2つの場合』があると思うんだ。ひとつは、絶望が希望に変わった時……幸せだと感じる。わたしは、本当に死ぬほど追い詰められていたからな……それが今、生きて、安全に、ここにいる。全く幸運によるもので、自分の経験と精神力によるものではないが、それでも幸せだよ……今」

【聖杯戦争候補作】チキチキバンバン

 東京都新宿区、歌舞伎町。深夜。日本最大の歓楽街に彼はいた。高層ビルの屋上に立ち上がり、両腕を広げ、超然と下界を見下ろす。  なんという人の数、なんという大きな街であろう。  彼は胸を高鳴らせ、美しい顔を紅潮させる。かつて彼がいた場所、彼がいた時代には、このようなものはなかった。見るもの聴くもの、全てが目新しい。かつての記憶を取り戻すまでは普通にこの街で暮らしており、慣れ親しんでいたのではあるが。そして、ここは幻想の世界であり、戦場なのだ! 『ハロー、マスター。お目覚め