【聖杯戦争候補作】Neo-Yakuza for Sale
「なかなか風情があって、ええとこじゃのう」
夜。ネオンきらめく歓楽街の真ん中を、一人の酔漢が歩いていく。
年齢は二十代前半。中折れ帽にティアドロップサングラス、ダボシャツにダボズボン。腹巻きに雪駄履き。口には爪楊枝代わりのマッチ棒。黒髪の短髪にゲジゲジ眉毛。背丈はそれなり、筋骨もしっかりした男だが、その顔たるや兇悪そのもの。口から出るのは広島弁。三百六十度どこから見たって、昔の任侠映画から抜け出てきたような、完全なヤクザである。しかもチンピラや三下ではない。強烈な殺気が全身