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Go To キャンペーン雑感

東京都でもGo to Travelが適用されるようになり、Go to eatも実施されている。消費者目線で考えるとここまで個人の知見がストレートに試される政策はふるさと納税以来であると感じている。菅首相になり、いろいろ課題はあるにせよGo to キャンペーンやこれから計画されている携帯電話代の値下げに関しても民間事業者と協力して消費生活を豊かにしていく方向性が鮮明になってきている。これまでは情報弱者の国民も等しくメリットを享受できるべく、いろいろ工夫した結果、何も進まないことが多かったが今後はメリットを生かせるように勉強して努力した人はより多く、そうでない人はそれなりのメリットになっていくことが予想される。本稿ではGo to キャンペーンを消費者目線で私見を述べることにする。私はインターネットでずっと商売をしてきたので今までポイントキャンペーンを多数企画、実施してきた経験がある。企画する際に通常の利用でメリットを考えるのは簡単だが攻略してくる人の行動も想定して許容するか、穴を塞ぐか考えることが重要だ。今回のGo to キャンペーンも同じ目線で「攻略者」として考える。

Go to eatキャンペーン。まずは誰もが使いやすいランチから。プレミアム付食事券とオンライン予約の2つ。行動の主軸になるのはオンライン予約だ。事業者一覧はこちらになる。これらのWebサイトから予約する。仕事をしている方であれば事務所や自宅近辺で使えるお店を先に調査。5軒もあれば良いと思う。私は都内在住で在宅勤務なので自宅周辺でピックアップした。狙い目は当日予約できてランチが650円-800円くらいで普通に食べられる店だ。ピックアップできていればあとは当日の予定に合わせて予約してランチを食べに行くだけ。一人で一回あたり500ポイントもらえるので実質150円−300円くらいで食べられる。弁当を買うよりも安いことが多い。気をつける点は2つあって一つは事業者によって回数制限がある場合がある。例えばぐるなびは1ヶ月で10回まで。もう一つはポイントが入るまでのリードタイムが短いもので1週間程度、長いものだと1ヶ月くらいかかるのでそれまでの間は普通に支払う必要がある。平日だけで月に20回ランチがあるとして1万円分のポイントが11月にもらえると考えると感覚が合う。毎月のランチ予算が1万円(20日×五百円)の方であれば今月は1.5万円かかるが来月は0.5万円で済み、再来月以降キャンペーンが継続しているなら毎月0.5万円で行ける。もし今月いっぱいで終了したとしても2ヶ月いつもより美味しいものを食べていつもと同じ金額で済むので悪い話ではない。

次にディナー。私は1歳と4歳の子供がいるので最大限のメリットを享受していると思っている。妻と合わせて4人でディナーに行くことを考える。子供が2人いるとはいえ、まだ小さいのでほとんどコストはかからない。特に食べ放題プランがある店に行くと子供は無料になることが多い。しかしGo to eatキャンペーンの要件は「来店人数×1000円」だ。つまりこのメンバー構成で行くと実質2名分の料金で4000円分のポイントがもらえる。今まで家族で外食に行くと大体1万円くらい掛かっていたが常に4000円値引きになる。注意点はランチと一緒で利用回数制限と実際のポイント付与時期だ。週に一回は外食しているので1ヶ月で4回、4万円かかっていたのが2.4万円で済む。ランチと同じくキャッシュが浮いてくるのは来月以降だが。さらに攻略方法としてはディナーの時間帯設定をうまく活用することだ。ディナは15時以降の予約という要件だ。休日などで朝食を11時くらいにして遅めのランチというのか、早めのディナーというのか不明だが15時から食事をしてしまう。レストラン側のディナー時間帯設定が16時とか17時以降になっていることが多いのでランチ用の安い料金で利用可能だ。例えばディナーで食べ放題だと3500円だが同じ内容をランチにすると1980円のような店が多くある。とにかくいただけるポイントが固定額なので1回あたりの単価を下げると割引率がより高くなる。

今回のキャンペーンを通じて私の行動パターンが少し変わった。今までも事前にお店をWebサイトで調べていたが予約しないで直接行ったり、電話で予約していた。しかし今回のキャンペーンはWebサイトから予約しないといけないのでそうしている。これに慣れると消費者がインターネットからランチでも予約するようになり、店舗運営も変わってくると思う。電話で受けていた予約がインターネット化することによって人件費が削減できる。また時間帯料金の設定もやりやすくなる。(17時スタートの食事なら通常より安いなど)このキャンペーンをきっかけに飲食店のDXを進めようという意図が政府にあったのなら素晴らしいしなかったとしても結果的に推進することになりそうだ。

Go to Travelについて。これはまだ私も予約する前なので調査段階でのレポートになることをご容赦いただきたい。都内在住のため「もっと東京」を現時点では待っているからだ。こちらはいくらお得になるか非常に分かりづらい。少なくとも私はそう感じた。宿泊費について35%を政府が負担し消費者からすれば実質値引きになる。オンライン予約サイトの楽天トラベル、じゃらん、一休を確認したところ大体独自値引きも追加されているので計算を簡略化するため40%値引きという感覚で良いと思う。これは対象宿泊プランを普通にオンラインで予約するだけで値引き後の金額で予約が可能になる。一人あたり1泊2万円までという制限がある。しかし、我が家の場合、宿泊も食事もコストがほとんどかからない幼児が二人いる。この場合、8万円まで対象になるようだ。となると都内の最高級クラスのホテルで朝夕付きプランが検討対象になる。今回、目に止まったのはパークハイアット東京だ。同ホテルを代表するレストランのニューヨークグリルのディナーが2人分ついて平日なら1泊8万円くらいだ。当然、朝食も込み。これがまずはGo to travelの値引きで5万円くらい、さらにこれから10月24日から始まる「もっと東京」が一人当たり5千円なので4人家族だと2万が値引きされて結果、3万円程度になる。まず朝食に関しては幼児は無料で提供いただけることが明記されていて、ディナーに関しても前菜やデザートは食べ放題とのこと、これでまかなえるので無料、さらにプールやジムも使うことができる。さらに地域共通クーポンが予約したWebサイトから電子クーポンとして送られてくる。これが1万円分。お酒を飲む方ならディナーの時のワイン代に当てても良いし、そうでない方であればスパなどの利用に当てられる。ニューヨークグリルのディナーが普通であれば一人3万円くらいなので一人分のディナー代金で4人食べられて宿泊もできるという計算になる。まあそんなレストランに幼児を連れて行って良いか事前にレストランと相談してからということにはなるが。

両キャンペーンを合わせての考え方だが、食事はどちらにしても食べるということを考えるとGo to eatで普段の外食費を浮かせてその分で高級ホテルに泊まってレストランで食事するというのが結論だ。大体ランチとディナーを合わせて我が家の場合3万円くらいは得する勘定になるのでこれをホテル代に充てて都内の経済を回すことに協力したいと思う。もちろん大前提としてコロナ対策をきちんとして感染拡大などで周りの方にご迷惑をおかけしないということが重要なポイントだ。

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