実質賃金、60年償還ルール、インボイス制度、コストプッシュ型インフレ

【実質賃金】(じっしつちんぎん)
名目賃金(実際にもらえる賃金の額面金額)に対して、インフレ率を考慮した値。名目賃金指数を消費者物価指数で除して求める。物価の変動を加味した数値なので、賃金所得者の実際の購買力を知ることができる。例えば、名目賃金が1割上昇しても、同時に物価も1割上昇すれば、購買力(財やサービスがどのくらい買えるか)は同じなので、実質賃金は同じということになる。名目賃金が下がったとしても、物価がそれ以上に下がれば、購買力は上がるので、実質賃金は上昇する。

【60年償還ルール】(ろくじゅうねんしょうかんるーる)
国債を60年かけて償還(返済)していくという、日本だけが行っている慣習。「ルール」と呼ばれているが、法的根拠などは一切なく、単なる慣習。ただし、この60年償還のためには、借換債の発行が必要になる。例えば、長期国債とされる十年物国債は10年後に償還されるが、実際には60年で償還するルールなので、残りの50年分は借換債を発行して償還することになる。要するに、まったく無意味な制度である。

【DINKs】(でぃんくす)
「Double Income No Kids」の略。共働きで子どもがいない夫婦(カップル)のこと。子育てに縛られないので、自由でおしゃれな生き方だともてはやされた時期があった。

【フリーター】(ふりーたー)
「フリーアルバイター」の略。要するに、アルバイトで生計を立てている人のことだが、アルバイト先も一つに決めず、自由に渡り歩いている人を指す。会社に縛られない自由な生き方をする人たちという意味で、一時期、もてはやされたが、その後は「雇用が不安定、かつ低収入」というネガティブなイメージで使われるようになっていった。

【コストプッシュ型インフレ】(こすとぷっしゅがたいんふれ)
通常、物価高騰は需要と供給の関係において需要が供給よりも多いことによって起こる。それが過度に生じるとインフレ(デマンドプル型インフレ)になる。ただし、物価高騰要因は他にもある。材料や原料、エネルギーなどの輸入コストが高騰することによって、その価格を商品に上乗せせざるを得なくなって商品価格が高騰するケース。これが過度に起こるとインフレとなるが、それをコストプッシュ型インフレと呼び、デマンドプル型インフレと区別する。区別すべき理由は、デマンドブル型インフレは、価格高騰分が国内の生産者の所得となり、GDPを押し上げるのに対して、コストプッシュ型インフレは価格高騰分の所得が海外の事業者のものとなり、日本のGDPをむしろ引き下げる要因となるためである。

【インボイス制度】(いんぼいすせいど)
「適格請求書等保存方式」。商取引において、請求者に「インボイス」と呼ばれる「適格請求書」を発行してもらい、それを税務署に提示することによって、消費税の仕入税額控除を受ける制度。2023年10月から適用される予定。売上額1000万円未満の個人事業主は消費税納税が免除されているので、インボイスを発行する義務はないが、取引会社にとっては、インボイスが発行されないと仕入税額控除が受けられないので、インボイスを発行できる消費税納税事業者に積極的に発注するようになることが十分に考えられる。消費税免税事業者の個人事業主にとっては、仕事がなくなり、死活問題となる可能性が高いと指摘されている。また、税務署類等にインボイスの登録番号をすべて記載する必要があるなど、事業者が実務面でも多大な負担を負わされることになる。

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